METライブビューイングの新年は、MET初演となるニコ・ミューリー作曲の『マーニー』で幕を開けた。周到にして的確なカメラワークは、劇場で観ているのとは、また別の舞台の姿を見せてくれて面白い。なにより丁寧な日本語字幕がありがたいし、幕間の関係者インタビューはオマケというには贅沢すぎる内容。ミューリーの作曲や編曲の裏話など、もったいないほど貴重だった。
その『マーニー』に続いて、2月8日からは、新音楽監督ヤニック・ネゼ=セガンが指揮をした『椿姫』が観られる。以降、6月まで続くMETライブビューイング2018/2019シーズン後半戦のラインナップを紹介。おでかけ計画の参考にしていただければ幸いです。
2月から6月までに6作品が登場
まずは今季METの最大の話題作、ヴェルディ『椿姫』(2月8日~2月14日)。ソプラノのディアナ・ダムラウ、テノールのフアン・ディエゴ・フローレスという人気の二人が出演し、前述のように、新音楽監督ヤニック・ネゼ=セガンが自ら指揮台に立つ。新演出を施したのは『マーニー』を手がけたマイケル・メイヤーで、こちらも楽しみ。幕間には、いつもの出演者やスタッフへのインタビューに加え、ネゼ=セガンとディアナ・ダムラウとの練習の模様が流されるというから、これは観逃せない。
続いては、チレア『アドリアーナ・ルクヴルール』(2月22日~2月28日)。主人公は18世紀フランスに実在した大女優アドリアーナで、演じるのは現代の大スター、アンナ・ネトレプコ。共演陣も、ピョートル・ベチャワ、アニータ・ラチヴェリシュヴィリと豪華。デイヴィッド・マクヴィカーの新演出は、バロックの劇場を再現して見事だという。
そして、ビゼー『カルメン』の登場(3月8日~3月14日)。定番化している人気のリチャード・エア演出版で、出演は、カルメン役のクレモンティーヌ・マルゲーヌはじめ、ロベルト・アラーニャ、アレクサンドラ・クルジャックといった面々。耳に馴染んだ名曲の数々が楽しめる。
以降、ドニゼッティ『連帯の娘』(4月12日~4月18日)、ワーグナー『ワルキューレ』(5月10日~5月16日)、プーランク『カルメル会修道女の対話』(6月7日~6月13日)と続く。ぜひ足をお運びいただきたい。
N.Y.気分を楽しめるイベントとプレゼント
ここで、楽しいお知らせ。メトロポリタン歌劇場を訪れた気分がちょっぴり味わえるMETオペラハウスのスタンディが、2月8日~3月14日の間、次の映画館に設置される。東劇(東京)/大阪ステーションシネマ(大阪)/なんばパークスシネマ(大阪)/ミッドランドスクエアシネマ(愛知)。シャレで記念撮影はいかがでしょう?
でもって、そのスタンディで撮った写真をSNSに投稿すると、抽選で本場METのオリジナルグッズが当たるらしい。そちらも楽しみ。
詳しくは、<https://www.shochiku.co.jp/met/news/1743/>で。
METライブビューイングの詳細はこちら<https://www.shochiku.co.jp/met/>。
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- TEXT :
- 水口正裕 ミュージカル研究家
公式サイト:ミュージカル・ブログ「Misoppa's Band Wagon」