2019年春、伊勢丹新宿店メンズ館が全館リモデルオープンした。メンズプレシャスはフロアごとの詳細を徹底取材、第4回となる本記事では、オーダーメイドの楽しみの幅を広げる、1階のシャツ&タイフロアを取り上げる。
メンズプレシャス・エグゼクティブファッションエディターの矢部克已も、その多彩なサービスに舌を巻いていた。
世界の名門ブランドのシャツを常時オーダーできる、リッチな空間
1階のシャツ&タイフロアも、さらにリッチな空間にリモデルされた。これまでも、イギリスやイタリアなど、多くの名門ブランドの仕立てのいいシャツを提案してきたが、今回のリモデルでは「オーダーシャツの強化」がテーマとなった。
つまり、よりパーソナルなカスタマイズが楽しめるのである。シャツは肌に触れる繊細なアイテムのため、サイズのなじみ具合に加え、ディテールの仕様を実感しやすい。オーダーサービスの強化は、願ってもない進化である。既製シャツが並んだ隣に、オーダーシャツのコーナーを拡張し、余裕を持ってシャツ選びが楽しめる場をつくり上げた。
リモデルの柱は3つ! ヴァーチャルなオーダーと既成+αのオーダーも
1:いつでもシャツがオーダーメイドできる
まず、『巧みなシャツがいつでもオーダーメイドできるサービス』だ。パリの老舗「シャルベ」、英国王室御用達の「ターンブル&アッサー」、しなやかなシャツをつくるナポリからは「アンナ マトッツォ」「ルイジ ボレッリ」「マリア サンタンジェロ」「フィナモレ」、コストパフォーマンスに長けたポーランドの「エマニュエル バーグ」、そして日本のつくり手の「ミナミ シャツ」を合わせて、計8ブランド。
名門ブランドから注目の日本ブランドまでのシャツは、オーダー相談の場となるカウンター越しから、それぞれの襟型やカフスが閲覧できる。そのうえ、渡部智博バイヤー(シャツ&タイ担当)が、現地の工房で手に入れたヴィンテージのファブリックも着分で用意。
今話題の1980年代を彷彿させる、鮮やかな色柄が目立つ稀少な生地は、売り切れが必至だろう。そして年2回、本国からオーダーメイドの担当者が訪れ、現地での採寸などを堪能できるオーダー会も開催。まさに、ここは『メンズプレシャス』と親和性の高いラグジュアリーな視点からも、十分に注目したい。
2:PCを使ってオーダーメイドできる
ふたつめは、『PCを使いデジタルで体験するオーダーメイド』。生地選びは、インポート生地の「アルモ」「モンティ」「カンクリーニ」や、日本産では「マスターシード」など、なんと約700種類がそろう。
用意された生地はすべて、アプリケーションに取り込まれているため、たとえばお探しの織りや柄を検索すると、該当する生地が何種類もモニターに表れる。生地を選ぶと、立体的なシャツの画像となって映し出される。襟型やカフスなどは、微妙な仕様の違いをモニターで瞬時に比べられるのが、なんとも便利。
ヴァーチャルゆえに、客観的にシャツの完成を想像できるのも面白い。2回目以降のオーダーでは、メンズ館に足を運ばなくとも、手持ちのスマートフォンなどから注文が可能だ。サイズなどの情報がすでにインプットされているので、生地を選んで送信し完了。シャツの生産は、日本の優れた工場で展開する。
3:既成のシャツをカスタマイズできる
3つめが、『イセタンメンズ・スマートオーダー』である。
わかりやすく言えば、既製シャツをカスタマイズするメニューだ。既製シャツと同じ価格で、約2週間で、自由な裄丈と襟サイズ(37〜43cm)、約100種類ある生地のバリエーションから、自由な組み合わせでシャツを作れる。
スーツに合わせるドレスシャツにまで、オリジナルを追求してこそ粋な紳士である。好みの生地を選んで、着心地のいいスマートなラインに合わせ、パーソナルなスタイルを表現する。シャツ&タイフロアも、時間を忘れるほど入り浸ってしまう空間だ。
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- 矢部克已 エグゼクティブファッションエディター
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