車での長距離移動では、同乗者でも疲労が溜まりますよね。

サービスエリアやパーキングエリアは、そんな旅の疲れを癒してくれる憩いの場。しかしながら、一部の利用者のマナー違反が原因で、心安らぐはずの休憩時間が気分の悪いものになってしまった……という経験はありませんか?

マナーコンサルタントの西出ひろ子さんは「マナーは相手ファーストが基本」と説明します。自分中心の発想ではなく、真っ先に相手のことを想って行動することで、結果的に自分もハッピーな気分になれるのが美しいマナー。

以下では、サービスエリアを利用する際にやってはいけない行為を紹介します。まずは一人ひとりが率先してほかの方々のお手本となり、サービスエリアにおける良質なマナーを広めていきましょう。

意外と知られていない、サービスエリアを利用するときのNGマナー9選

■1:普通車なのに空いている大型車スペースに駐車するのはNG

決められた場所にきちんと停めよう

サービスエリアに入ったものの、空いている駐車スペースを探すのに苦労したという経験は、だれにでもあるものですよね。しかし、だからといって空いている大型車専用のスペースに停めるのは、たとえ短い時間であっても厳禁です。

「大型車専用駐車スペースは、大型トラックやバスなどの利用を想定し、設置されている駐車マスです。大型トラックや観光バスは、大型車専用スペースにしか駐車できません。そこに普通車が駐車してしまうと、多大な迷惑をかけることになります。

特に長距離ドライバーの方は1回の休憩が非常に重要です。仮に休憩ができなければ居眠り運転や漫然運転を引き起こし、事故の原因となることも考えられます」(西出さん)

大型車のほかに、身障者・障がい者専用の駐車マスが設置されているサービスエリアもありますが、こちらも車椅子を使用されている方やケガをされている方、妊娠中の方などの該当者のみが駐車するためのスペース。仮にほかのスペースが空いておらず、専用スペースだけが空いていたとしても、必ず案内表示に従いましょう。

■2:マス内にきちんと駐車しないのはNG  

指定線からはみ出すのは周囲の迷惑!

車を停めて、いざドアを開けようとしたときに、すぐそばに別の車が停まっていて充分にドアが開けず、車内から出るのに苦労した経験はありませんか? 仮に自分が停めたときには、隣のマスに駐車している車がなかったとしても、マス内にきちんと収まるように駐車しないと、周囲の方が迷惑するだけでなく自分が困ってしまうかもしれません。

「自分が駐車するときには、前後左右の車への配慮が大事。後からやって来て隣のマスに駐車した方がドアを開けられなかったり、自分が車に乗り込む隙間がなくなってしまったり……といった問題が生じる可能性があるからです」(西出さん)

スライド式ドアの車種なら、狭い空間でも問題なく乗り降りできるかもしれませんが、隣に駐車した車のドアがスライド式とは限りません。常にしっかりとマス内に駐車することを心掛けましょう。

■3:駐車場内で連日車内泊するのはNG  

サービスエリアを利用する方の中には、キャンピングカーで長期間の旅をしている人もいるでしょう。とはいえ、サービスエリアは宿泊をするための場所ではなく、一時的に休憩するための場所。連日車内泊をするといった不当な長期滞在はマナー違反です。

「滞在時間に制限があるサービスエリアなら、その決まりを遵守するのがマナー。混雑しているのに、特に理由もなく滞在し続けるのは、後続の方々に迷惑をかけます。体調が悪くなった、ケガをしてしまったなどの特別な事情がない限り、長時間滞在することは控えましょう」(西出さん)

サービスエリアは、トイレに行きたい、食事をしたいといった目的を持って利用する公共の場です。いくらそのサービスエリアに滞在時間の決まりがなくても、周囲の状況を見ながら、節度を守って利用したいですね。

■4:洗面台の水しぶきをそのまま放置するのはNG

濡れたまま放置するのはマナー違反

お化粧室で手を洗うとき、洗面台が濡れていて手荷物を置けず、不便な思いをすることは案外よくあるものですよね。このように、洗面台の水しぶきをそのまま放置してしまうのは、スマートとは言えません。

「洗面台が水しぶきでいっぱいだと、バッグやハンカチなどを置くことができません。自分が汚したわけではなくても、後に使う方のために備え付けのペーパーや自分のティッシュペーパーなどで洗面台を綺麗に拭いて出る女性は素敵だと思いませんか。

最近は、手を乾かす機械を導入しているお化粧室が増え、ペーパーを置いていない場所も多いので、ティッシュペーパーを常備しているとよいですね」(西出さん)

サービスエリアのお化粧室に限らず、洗面台の水しぶきに気が付いたときは、率先して綺麗にする習慣を身に付けてみてはいかがでしょうか。

■5:駐車場内で洗濯物を干すのはNG

長期間の車の旅や夏場のドライブでは、衣類やタオルなどの洗濯がネックになることもあります。とはいえ、駐車場内で人目をはばからずに洗濯物を干している様子は、それを見た人からすると、あまり気持ちのいいものではありません。

サービスエリアには、コインランドリーやコインシャワーが設置されている場所もあります。なかには24時間利用できるところもあるので、洗濯をする必要があるときは、必ずそういった設備のあるサービスエリアを選んで利用するのがマナーです。

■6:サービスエリアでオフ会を開催するのはNG

車好きの方々が自慢のマイカーを持ち寄って、サービスエリアで開催するオフ会。このオフ会が原因で起こったトラブルが、インターネット上で話題となったことをご存知の方もいらっしゃるでしょう……。せっかくの楽しいオフ会も、周囲の方とトラブルになってしまっては台無しです。

「私個人としては、実際にオフ会が開催されているのを目撃したことはありませんが、例えば大声で会話をされているとほかのお客様の迷惑になりますし、複数の方々で長時間席を取ってしまうのも、後から利用されるお客様の席が足りなくなってしまい、やはり迷惑がかかります。混雑していてほかの方が席に座れない、ということがないように配慮するのがマナーですね」(西出さん)

近年では、集会禁止の注意書きがあるサービスエリアもあり、そういった場所でオフ会を開催するのは、もちろんNG。注意書きのない場所であっても、周囲の方への配慮を忘れてはいけません。

■7:給茶機や充電スペースを占領するのはNG

充電が終わったらすぐに移動しよう

フードコートの給茶機や充電スペースは、車の旅では重宝しますよね。ですが、それはほかの方にとっても同じ。給茶機や充電スペースを占領して利用するのは、マナー違反ですので避けましょう。

「お気持ちはわかりますが、ほかの方も利用されるものだという認識が大切。お茶なら多くても人数分まで、充電スペースならひとり1台がマナーです」(西出さん)

例えば自分の後ろに順番待ちの列ができてしまっているなら、一旦切り上げて譲るのが、素敵な大人の振る舞い。このとき「お急ぎですか?」などと、さり気なくひと声かけられれば尚良いでしょう。

■8:リードなしでペットと散歩するのはNG

特に愛犬と移動するときは要注意

ペットを連れてドライブをされる方にとって、サービスエリアにペットエリアがあると、とても助かりますよね。ただし、サービスエリア内でリードをせずにペットと散歩をする行為は、ペットエリアがあってもなくてもマナー違反。

「いくら飼い主さんとの信頼関係があるといっても、リードなしでペットと散歩をするのは危険です。車との接触事故のような被害者になってしまうケースや、万が一ほかの方にケガをさせれば加害者になってしまうなど、いつ何が起こるかわかりません。

ペットと散歩をするときは、まずリードが必須。さらに水やトイレシートなど、普段散歩に出るときのセットを持って行きましょう」(西出さん)

いつもとは違う環境に、ペットが興奮したり戸惑ったりして、予想外の行動に出ることも充分に考えられます。また、サービスエリアには動物が苦手な方もいらっしゃるでしょう。どんなにペットのことを信頼していても、散歩をするときはリードを忘れずに。

■9:混雑時にフードコート内で持ち込みのものを食べるのはNG

長時間お茶だけで居座るのもNG

飲食物を持ち込んでフードコートを利用すること自体は、その施設によってOKとしている場所もあればそうでない場所もありますから、一概にマナー違反とは言い切れないのが現実です。

とはいえ、フードコート内の店舗で飲食物を購入した方が席に座れず困っている……というような混雑時には、快く席を譲るといった気配りをするのがマナー。

席を譲る際は、黙って席を離れるのではなく「よろしければ、どうぞ」と声を掛けるといった配慮ができると好印象です。「ポイントは『よろしければ』というクッション言葉を添えること」と西出さん。無理に押し付けるとかえって迷惑になることも考えられます。あくまで相手の方に伺うという姿勢が大切ですね。

長時間の車の旅は、予想以上にくたびれるもの。だからこそ、サービスエリアはいつ足を運んでも居心地のよい場所であってほしいですよね。本記事のNGマナーを参考に、サービスエリアをだれにとっても快適な場所にしていきましょう。

 
西出ひろ子さん
マナーコンサルタント・美道家
(にしで ひろこ)マナーは相手の立場にたつ『相手ファースト』という真心マナー®とおもてなし礼法®を伝え、互いに幸せになる生き方をマナーを通じて伝える第一人者。和食、洋食などの食べ方のマナーの書籍やテレビ出演など多数。企業での人財育成やコンサルティングをはじめ、NHK大河ドラマや映画などで、多くの俳優や女優たちにマナー指導も行うマナー界のカリスマ。海外でも、プロトコル、エチケット、日本のマナーなどを指導している。その教えを学びにすでにマナー講師として活躍している人々などが世界中から訪れ、マナー講師の育成指導もおこなっている。近年は、マナー評論家・マナー解説者としてのメディア取材や出演依頼も多数。近著に高橋真麻さんが帯で推薦する『運命を味方につけるプリンセスマナー』(河出書房新社)など、著書・監修本は国内外で85冊以上。
ヒロコマナーグループの公式HP
この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2019.3.13 更新
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
上原純