みなさんは普段、自分がどんな日本語を使っているのか意識していますか?

言葉は、相手によって、また場面によって、それぞれ適したかたちで使い分けるもの。ひとつのことを伝えるのにも、いろんな言い方ができると「よく言葉を知っている、知的な人」と一目置かれることになります。

例えば、「がんばります」という凡庸な表現では物足りないときには「万難を排して取り組みます」なんて言い回しができたら、「どんな困難があってもやり遂げる!」という熱意が伝わりますよね。

では、実際にどのような言葉を使えば、品格のある人だと相手に与えることができるのでしょうか?

今回は齋藤 孝先生が手がけた『これでカンペキ! マンガでおぼえる 品格のある知的な日本語』から、日常でよく使う5つの言葉をご紹介します。どれかひとつでも今日から意識して使えば、信頼感アップ間違いなしですよ!

使うと相手に賢い印象を与えられる「品格のある知的な日本語」5選

■1:「超うれしい!」→「思いもよらない結果」「うれしくて感極まりました」「それは望外のよろこびです」

言葉選びひとつで喜びの伝わり方が変わる

ものすごくうれしいときにみなさんはどんな表現を使っているでしょうか。思わず、「超うれしい」という言葉を咄嗟に使ってしまっていませんか?

“超”という言葉は口語で多用されているものの、大人が使うものとしては少し品格が足りません。そういう場合は、「思いもよらない結果です」「うれしくて感極まりました」などの日本語を意識して使ってみてください。

さらに、普段滅多に耳にしない「それは望外のよろこびです」という言葉を使用すれば、知識のある人だと思われることでしょう。

「『望外(ぼうがい)』は思っていた以上にいいことを指します。想像や表現を超えるくらいうれしい!という意味を表しています」(齋藤先生)

思わぬサプライズ等を受けたときなどにこの言葉たちを覚えていると、知的な印象を与えることができますよ。

■2:「すごい人だね」→「目から鼻へ抜けるような人だね」「打てば響く人だね」「あの人は機を見るに敏(びん)だね」

知的な女性イメージ
品格のある言葉は選ぶことで知的なイメージに

あざやかなほど優秀な人をほめるとき、一番簡単な表現は「すごい」という言葉でしょう。しかしこれでは相手に知的なイメージを与えることはできません。

そんなときには、「目から鼻へ抜けるような人だね」「打てば響く人だね」「あの人は機を見るに敏(びん)だね」という言葉をぜひ使ってみてください。「目から鼻へ抜けるような人」とは、目で見たものをすばやく嗅ぎ分ける、視覚も嗅覚も連動して優れた働きをすることから使われる表現です。

「物事を理解するのが早い=優秀、ということを表現している言葉です。このほかにも、『一を聞いて十を知る』という言い方もあります」(齋藤先生)

意味を知ることで言葉は覚えやすくなります。すごい人=物事の理解が早い人ということを踏まえて、こちらの言葉をぜひ使ってみてください。

■3:「あの……」→「つかぬことを伺いますが」「口はばったいのですが……」「大変おこがましいのですが……」

言いにくいことでも、言わなければいけない場面は多くあります。そんなときに思わず、「あの……」など、言葉に詰まってしまっていませんか? そんなときには、「つかぬことを伺いますが……」という言葉を頭に使ってみてください。また、「口はばったいのですが……」「大変おこがましいのですが……」という言葉もTPOに合わせて使用することもおすすめです。

齋藤先生曰く、「『つかぬこと』は急に話を変えるとき、『口はばったい』は自分の力より大きなことを言うとき、『おこがましい』は生意気に見えそうなときに使用します」とのこと。自分の立場、状況によって使い分けれると、より品格のある人だと思ってもらえるでしょう。

■4:「すみません」→「わたしの不徳のいたすところ」「お詫びの言葉もありません」「申し開きができません」

自分が悪くて謝らなければいけない場面で多く使われている言葉「すみません」。こちらの言葉でも謝罪の意味は十分に伝わりますが、「わたしの不徳のいたすところです」という言葉で品格のある謝罪の意を表すことができます。

よくテレビでの謝罪会見などでこの言葉は多用されていますが、「不徳(ふとく)」とは「社会的に価値がないこと、人格的な能力が見られないこと」などを指す言葉のこと。万が一の謝罪の場面で正しい使い方ができるように意味をしっかりと理解しましょう。

その他にも、「お詫びの言葉もありません」「申し開きができません」という表現もあります。「申し開き(もうしひらき)」とは言い訳のこと。言い訳もできないほどに反省しているという意を表しています。

■5:「うまく言えないけれど、すごい」→「筆舌につくしがたい」「得も言われぬ素晴らしさです」「名状しがたい素晴らしさです」

楽しく会話するカップル
「すごい」という表現の言葉も実はたくさんあるのです

言葉で表現できないくらい素晴らしいものを見たとき、「うまく言えないけれど」というような枕詞を使っている方も多いのではないでしょうか? しかしこれでは品格ある人とは思われません。

こんなときは「筆舌につくしがたいです」「得も言われぬ素晴らしさです」「名状しがたい素晴らしさです」といった表現を使ってみてください。齋藤先生の説明によると、「『筆舌(ひつぜつ)』は書くことと話すこと。『名状(めいじょう)』とは言葉で言い表すこと」だそうです。

「すごい」という表現は日常でも使うことが多いもの。ここで覚えた言葉を場面によって言い換えることで一目置かれること間違いなしです。

言葉は意味を知ることで覚えやすくなります。ひとつ言葉を言い換えることで相手に与える印象は上がります。知的な言葉をTPOによって使い分け、品格のある大人の女性を目指しましょう!

齋藤 孝さん 
明治大学文学部教授
(さいとう たかし)1960年生まれ。東京大学法学部卒業。専攻は教育学、コミュニケーション論。著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社)、『子どもの日本語力をきたえる』(文藝春秋)、「これでカンペキ!マンガでおぼえる」シリーズ(岩崎書店)など多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導も行っている。
『これでカンペキ! マンガでおぼえる 品格のある知的な日本語』著・齋藤孝 岩崎書店刊
この記事の執筆者
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WRITING :
藤野綾子
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