春は新しい出会いが多くなる季節だけに、お仕事ルックにもフレッシュなムードを取り入れたくなります。鮮やかなカラーを1点だけ生かした「差し色」を使えば、着慣れたスーツも、若々しさやインパクトがアップ。フランスの内閣で環境分野の副大臣を務めるBrune Poirson(ブリュヌ・ポワルソン)さんは差し色を駆使した着こなしがお得意。少ない色数で着映えと気分をダブルで盛り上げるテクニックを拝借して、春から先のお仕事コーデを華やがせていきましょう。

春コーデの鍵は「差し色」!リアルキャリアに学ぶオフィススタイル6選

■パンツ編:ポジティブ感と行動的ムードを両立

パンツに色を取り入れると、行動的なムードとマニッシュな雰囲気を印象づけられます。

記者会見やスピーチといった、人前に出る場面で、ブリュヌが好んで着るのがはっきり色のパンツ。きちんと感とインパクトを両立させる差し色使いを得意としています。

パンツに赤色を取り入れたコーディネートのBrune Poirson(ブリュヌ・ポワルソン)副大臣
無地単色のパーツを組み合わせて、リズミカルな着映えに

環境デモで集まった群衆を前にした彼女はヴィヴィッドレッドのパンツで登場。ネイビーのジャケット、白のトップスで、フランスの3色旗(トリコロール)を表現しているところもさすがの着こなし。

ファッションからメッセージを伝えるという姿勢も、キャリア女性にとってのお手本になりそうです。

黄色の差し色が際立つBrune Poirson(ブリュヌ・ポワルソン)副大臣
黒革の太ベルトでウエストをタイトに演出

パンツの色をイエローに差し替えた別のパターンも披露。鮮やかなイエローはポジティブなムードを醸し出します。

白トップスにネイビー系ジャケットを重ねるコンビネーションを基本形に、パンツの色を変える着こなしは、手軽にバリエーションを増やせそう。上半身をコンサバティブにまとめれば、パンツの色で冒険しやすくなります。

■ブラウス編:顔周りを明るく艶やかに彩って

顔に近い位置のブラウスに差し色を迎えると、顔周りがパッと明るく映ります。お仕事ルックの定番的なパンツスーツは、地味にまとまりがちですが、きれい色のブラウスで合わせると、フレッシュな雰囲気に様変わり。

とりわけ、沈んで見えやすいダークトーンのスーツには、ジューシーカラーが好相性です。

イエローブラウスが華やかなBrune Poirson(ブリュヌ・ポワルソン)副大臣
ネイビーとイエローは互いを引き立て合うパートナーカラー

パンツスーツは凜々しい見え具合になりやすいのですが、ジューシーなイエローのブラウスのおかげで、ポジティブ感と華やかさが加わりました。

プルオーバーのリラックスした風情も、スーツルック特有の硬さをやわらげています。ジャケットの袖口を折り返して袖口からイエローをカフス風にチラ魅せして差し色効果を強調。

パープルのブラウスで落ち着いたコーディネートのBrune Poirson(ブリュヌ・ポワルソン)副大臣
黒の礼服風ジャケットもカラーブラウスとの組み合わせで出番が増えそう

一方、同じようなダークトーンのジャケットとパンツの組み合わせも、ブラウスの色をパープル系に変えるだけで、落ち着き感がアップ。大統領官邸での会議にふさわしい大人シックな雰囲気にまとまりました。

ブルーなら爽やかに、ピンクならチアフルになど、ブラウスは顔周りのムードを方向づけてくれるから、シーン次第で使い分けるのが賢いチョイスに。

■ジャケット編:華やぎときちんと感をミックス

お仕事ルックで最も目立つウェアであるジャケットに差し色を効かせれば、芯の強さをアピールできます。

スーツをばらして、色物ジャケットをこのように単品コーデで取り入れると、お仕事コーデのバリエーションをさらに広げることができます。

ボルドーのジャケットが際立つBrune Poirson(ブリュヌ・ポワルソン)副大臣
ボトムスは黒系の細身パンツでシャープに引き締めて

深みのあるレッドのジャケットは気品とフェミニンを兼ね備えています。赤を引き立てる白シャツと合わせて、誠実さも漂わせました。

袖をたくし上げて、白シャツをしっかりのぞかせるアレンジで、型にはまらない自分流スタイルを演出。フレッシュなムードを寄り添わせた着こなしに仕上がっています。

ライトブルーのジャケットが華やかなBrune Poirson(ブリュヌ・ポワルソン)副大臣
オープントウのヒールサンダルで抜け感も添えて

一方、ライトブルーのジャケットは爽やかな着映えに。白パンツで合わせて、さらに涼やかなコーデに整えています。

ジャケットよりも色味が深いネイビーのブラウスがクールな引き締め効果を発揮。同系色の組み合わせは、すっきり決まるというお手本のよう。これから、夏のお仕事ルックで参考にできそうです。


差し色使いのテクニックはどのアイテムでも生かしやすいから、ワンポイントの投入で着こなしのレパートリーを広げるのに役立ちます。春から先のオフィスルックに程よい主張や爽やかさを盛り込むのにも効果的でしょう。

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この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃