最近のビジネス界では、ディナーよりランチで会食やミーティングを行う機会も増えています。正式なテーブルマナーは覚えていたとしても、急に気軽なランチに誘われた場合、とっさのことに対応できるでしょうか?
本記事では、『世界一美しい食べ方のマナー』(高橋書店)の著者でもあるトータルフードプロデューサーの小倉朋子さんから、お皿がないときに、パニーニ、BLTサンド、チョココロネ、マフィン、ベーコンエピ、キッシュといった、食べにくいものを綺麗に上品に食べるルールを教えていただきます。
気軽なランチも安心!食べにくいものを上品に食べるルール6選
外でテイクアウトしたときなど、お皿がない場合は、紙ナプキンやティッシュなどでしっかりと包んで食べることが大事だそうです。購入する際に、食べるときをイメージして、ナプキンやフォークなど必要なものをもらっておくといいようです。
■1:パニーニ
ハムやチーズ、野菜などがたっぷり挟まったパニーニ。サンドイッチよりもボリューム感も食べ応えもあるものが多いでしょう。
「まずナプキンでくるんで、両手を使って5本の指でしっかりと押さえます。真正面でからではなく、斜め右、斜め左、真ん中という順にかじっていきます」(小倉さん)
このとき、生ハムやレタス、ベビーリーフ、カマンベールチーズなども前歯でしっかりと噛み切ることがポイントだそう。チーズがのびたら、パンに絡ませるようにして食べましょう。
「トマトなどの中身がはみ出たら、紙の上から押し込むか、そこだけかじっても大丈夫です。また、レタスの上にトマトがのっていて汁がこぼれそうな場合は、上下をひっくり返して食べると、パンに水分がなじんでたれることもなくなります」(小倉さん)
紙で包む際のバリエーションとして、紙の中心からパニーニの下の方を包み込み、ブーケのように上を広げて巻くのもいいとのこと。
「こぼれそうになっても、広がった部分で受け止められます」(小倉さん)
いずれにしても、崩れないようにパンを手でしっかりと押さえましょう。水分が出すぎたら、ナプキンを二重に巻くか、パニーニを逆さにして紙を巻き直してもいいそうです。
■2:BLTサンド
食べる前に、パンからはみ出た具材を中に押し込みましょう。下の方に具材が寄っていたら上に寄せます。
「具材の多い切り口の方を上に向け、パン全体を手でグッと押さえて、パンの角を斜めからかじります。前歯でしっかりとかみ切ることが大事ですね。レタスやトマトがはみ出たら、口を外さずに出た部分を一緒に食べます。具を先に食べて食パンが残るくらいにすると良いでしょう。最後にベーコンの油分をパンで口直しして締めるような感覚です」(小倉さん)
■3:チョココロネ
コロネといえば、円錐形のものが一般的ですが、最近はパイ生地でクリームを包んだものもあります。小倉さんによると、基本の食べ方は同じだそうです。
「端から巻きに沿って、パンをゆっくり裂くようにします。中のチョコレートクリームがはみ出そうなら、ちぎったパンにディップのようにつけて食べます」(小倉さん)
円錐形のコロネの場合は、尖っている部分をちぎり、ちぎったパンで反対のクリーム部分に蓋をして、ちぎったところから食べるのもいいそうです。
■4:マフィン
紙のカップがついたマフィンの場合は、紙を少し外してから、上側を指でひと口大にちぎって食べます。同じように少しずつ回して紙を外しながら、上の部分を先に食べ終えます。紙は花びらが開くように切っていくと皿代わりになり、見た目も綺麗に見えるそうです。
「ボロボロこぼれないように、底の部分は崩さず壁にする感じで食べていきます。残った下半分は、カップを残したまま、側面の紙で押さえながらひと口大に切って食べます。最後に残った紙は小さくたたみましょう」(小倉さん)
食べ終わったあとの紙をそのままにしないで、綺麗にたたむことも上品な食べ方においては大事ですね。
カップがついていない場合は、マフィンを横にして3本の指(中指・薬指・小指)で底を支え、2本の指(親指・人差し指)で側面を支えて持ちます。具が大きいものは、具の大きさに合わせて切りましょう。
■5:ベーコンエピ
「ベーコンエピのような硬いパンの場合は、節目でねじって切り、しっかりかじって食べましょう」(小倉さん)
やはり前歯でかみ切ることが重要のようです。
■6:キッシュ
タルトやパイなどにも似ているキッシュは、ケーキではなく食事としていただくものなので、普通はかぶりつくものではないのですが、綺麗に食べるにはどうしたらいいでしょうか。
「可能ならフォークをもらいましょう。紙をお皿代わりにして持って、もう一方の手でフォークを使って一口大に切って食べます」(小倉さん)
サンドイッチやパンといった軽食の場合、なかなか上手な食べ方を教わることがないので、以上のポイントを覚えて、いつでも綺麗に食べられる人でありたいものですね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- あわいこゆき