今年は最大10連休になるゴールデンウィーク。みなさんはどのように過ごす予定でしょうか? 旅行に出かけたり、人と会ったり楽しい計画が盛りだくさん! ……という人は、少しだけスケジュールの見直しが必要かもしれません。

というのも、精神科医の奥田弘美さんによれば、GW中の過ごし方によっては、春先から心身にたまった疲れが抜け切れず、連休明けに「何となくだるい」「仕事の意欲がわかない」といった、いわゆる五月病の症状を発症してしまうおそれがあるそうなのです。

「春先は職場の異動、お子さんの進学など、環境の変化が激しく、知らず知らずのうちにストレスをため込みがち。加えて、この時期は気候的にも、気圧の変動や寒暖差が大きいことから、自律神経にも悪影響が及んでいます。

つまり、働く人の多くは、3月から4月にかけて、心身にかなりの疲れを蓄積しているものなのです。GWはその疲れをケアする、よい機会。十分な休息がとれないと、疲労を悪化させて、休み明けに五月病に移行してしまうおそれがあります」(奥田さん)

具体的には、GW中のどのような過ごし方がNGなのか、奥田さんから教えていただきました。

五月病を悪化させかねない「ゴールデンウィーク中のNGな過ごし方」6選

■1:夜更かしして「昼夜逆転の生活」をするのはNG

連日の夜更かしは考えもの

連休中には、夜遅くまで外出したり、家で映画やドラマの撮りだめを視聴したりで夜更かしし、朝は目覚まし時計を気にせずに好きなだけ寝ていたい! ……という人は多いはず。ただ、五月病予防の観点からは、普段の生活リズムを崩すのは、あまり望ましくないようです。

「3月、4月中に蓄積した疲労を解消するためには、まずはしっかり睡眠をとることが大切です。人によって必要な睡眠時間は異なりますが、最低でも連続6時間、できれば7時間以上の睡眠をとりましょう。

日中に倦怠感や眠気が続くようであれば、それは睡眠時間が足りていないサイン。睡眠負債を返すために、朝、少しゆっくり目に起きる日があってもよいかと思います。

ただ、夜更かしが続いて昼夜逆転の生活になってしまうと、体内リズムが崩れて逆効果です。極端な遅起きは避けて、むしろ夜に早寝することで、睡眠負債を返すようにしましょう」(奥田さん)

もちろん、せっかく自由に過ごせるGWなので、1日や2日くらい好きな時間に寝て、好きな時間に起きる日があってもいいかもしれません。ただ、そのままなし崩し的に生活リズムを乱しては、連休明けにしんどい思いをする羽目に……。

夜更かしするのは連休中の前半にとどめて、後半は平常モードに戻れるように、睡眠サイクルを調整するようにしましょう。

■2:「昼寝」の習慣をつけるのはNG

昼寝は「1時間以内、午後3時まで」が鉄則

昼過ぎに睡魔に襲われたら、平日の仕事中は気合いで乗り切りますが、連休中であれば、「ちょっとくらい昼寝してもいいか」という気分になりますよね。ただ、昼寝の習慣をつけると夜眠れなくなり、“夜更かしして昼夜逆転の生活をする”というNGパターンに陥りやすいので、要注意です。

「もし、昼過ぎにどうしても眠くて仕方がないという場合、“昼寝は1時間以内。午後3時まで”というルールを守りましょう。このルールの範囲内であれば、夜の睡眠への影響は大きくありませんが、1時間を超えて夕方近くまで寝てしまうと、生活リズムの乱れにつながります。

日中の寝過ぎを予防するには、昼寝前にカフェインを摂取するのがおすすめです。寝る前にカフェインをとっておけば、ちょうど起きる頃にカフェインが効いて、目覚めがすっきりします」(奥田さん)

時間の制約がなく、好きなときに眠れるというのは連休中の醍醐味ではありますが、日中だらだらと寝てばかり……というのは考えもの。連休を有意義に過ごすためにも、5月病を予防するためにも、「昼寝は1時間以内。午後3時まで」ルールを厳守しましょう。

■3:激しいダイエットを試みるのはNG

過激な食事制限は心身にダメージを与える

普段、仕事しているときにはなかなか食事制限などできないけれど、連休中に断食などを決行して、スリムに変身したい、などと計画していたりしませんか? 残念ながら、過激なダイエットは心身への負担が大きく、連休明けにトラブルを招くもと!

「無理な食事制限や偏った食事は、疲労回復の妨げになるだけでなく、ストレスにもなるので、五月病を悪化させるおそれがあります。

心身を健やかに保つには、エネルギー源となる炭水化物、心と体の疲労をとるために重要なタンパク質、そして、たんぱく質を効率よく体に吸収し、栄養化するために欠かせないビタミン・ミネラル、これらをバランスよくとることが大切です。

具体的には、ご飯やパンなどの主食、肉・魚などの主菜、野菜を満遍なくとれる、いわゆる定食風のバランス・メニューが理想的でしょう。過激なダイエットは一時的に成功しても、結局はリバウンドしますので、定食屋メニューを腹八分目にとりつつ、適度な運動を組み合わせたほうが、スリムな体形を維持するのに効果的です」(奥田さん)

短期間で一気に成果を出そうとするのではなく、バランスのよい食事で長期的・健康的に痩せることを目指しましょう。

■4:暴飲暴食するのはNG

「食べ過ぎ・飲み過ぎ」も疲労回復の妨げに

前項で、無理な食事制限は禁物とお伝えしましたが、逆に、会食続きによる暴飲暴食も不調の原因になりうるとのこと。

「暴飲暴食は、胃腸に過度な負担をかけ便秘・下痢を引き起こすだけでなく、自律神経の疲れに拍車をかけて、さまざまな心身の不調を招くおそれがあります。

さきほど申し上げたように、理想的なのは“定食風のバランス・メニューを腹八分目”ですが、もし洋食のフルコースなどを食べ過ぎてしまったら、次の食事は控えめにするなどして、胃腸の負担を調整しましょう。

また、お酒でストレス解消したいという方も多いかと思いますが、アルコールは代謝するときに、体内の酵素、ビタミン、ミネラルを消費してしまうので、疲労回復の妨げになるうえ、睡眠の質を下げてしまいます。

お付き合いで飲むとしても、二日酔いするほどの深酒は避けること。毎日の飲む人ほど量を控えめにして、週に2日は休肝日を設けましょう」(奥田さん)

食べ過ぎ・飲み過ぎも疲れがとれない原因になるのですね。もちろん、グルメを堪能したりお酒を楽しく飲んだりすることには、パワー・チャージの効果もありますが、「今日は焼肉、明日は中華の食べ放題、その翌日にはダイニング・バーの新店へ」なんてグルメ三昧の計画を立てている人は、ちょっと見直しが必要かもしれません。

■5:連日、遊びの予定を入れるのはNG

のんびりマイペースで過ごすのが吉

あなたはGW中に、どれくらい遊びの予定を入れていますか? 普段はなかなか時間がとれないからこそ、GW中くらいは思い切りレジャーを満喫したいし、懐かしい友人にも会いたいし……とスケジュールがぎっしり詰まっている人は要注意です。

「五月病へと悪化させないためには、3月・4月中にたまった心身の疲れを癒すことが第一なので、あまり遊びの予定を詰めすぎるのは、おすすめできません。

楽しい時間を過ごしているつもりでも、外で人と会ったり、レジャーに興じたりしているときには、どこかで気を使って緊張しているものなので、気力・体力の消耗を招きます。

もちろん、遊びの予定を入れるな、というわけではなく、1日、外で遊ぶ日があれば、その翌日は疲労回復日にするなど、メリハリをつけるようにしましょう。近所をのんびり散歩したり、自室で日向ぼっこしながらマインドフルネス瞑想(“今ここ”に意識を向けることで心を落ち着ける瞑想)したりするなど、心身を休めて自分と向き合う時間を設けるのも、よいかと思います」(奥田さん)

既に、数日間の旅行の計画を入れている場合、連日、観光名所を慌ただしく回るのではなく、ホテルでのんびり過ごす日があってもよいかもしれませんね。

また、連休の最後2日間は、できれば遊びの予定を入れるのは避けて、ゆったりしつつも仕事再開を意識した生活モードに戻し、連休明けに備えましょう。

■6:手抜きせず「何でも計画通りに進めよう」とするのはNG

引っ越しの片づけも無理のないペースで

奥田さんによれば、3月4月にたまった疲労を悪化させないためには、GW中に引っ越しなど新しい変化を起こすのは避けたほうがよいとのこと。

とはいえ、まとまった休みがとれるGWだからこそ、既に引っ越しの予定を入れている人もいるかもしれませんね。その場合、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか?

「本来ならばゆっくり休んで疲労回復するべきときなのですから、無理は禁物です。真面目で几帳面な方の場合、荷物が片付かないのが落ち着かないかもしれませんが、ゆっくり何日も時間をかけて作業を進めましょう。

『今日、ここまではやらなきゃ』と、深夜まで荷ほどきや細々した整理整頓に労力を割くよりも、普段以上に睡眠時間を確保するのが大切です。

また、自炊や手作りにこだわりすぎず、外食を活用して家事を減らすのもよいでしょう」(奥田さん)

引っ越しを予定している人に限らず、日頃、仕事しながら家事もこなしている人は、GW中くらいは手抜きして、心身を休めることを優先させたほうが、よいかもしれませんね。

まとまった休みがとれるGWだからこそ、いろいろやりたいことがある人も多いでしょうが、リフレッシュのつもりが疲労を悪化させて、連休明けにダウンしては元も子もありません。遊びと休息のバランスをとって、充実したGWを過ごしましょう。

 
奥田弘美さん
精神科医
(おくだ ひろみ)平成4年山口大学医学部卒。精神科医・産業医として日々多くの働く人の心身のストレスケアに携わっている。著作は『ストレス・疲れがみるみる消える! 1分間 どこでもマインドフルネス』など20冊以上。また日本マインドフルネス普及協会を主宰し、日本人にわかりやすいマインドフルネス瞑想を提案している。
『ストレス・疲れがみるみる消える! 1分間 どこでもマインドフルネス』奥田弘美著 日本能率協会マネジメントセンター
この記事の執筆者
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WRITING :
中田綾美
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