今年も甘夏の季節がやってきました! 甘夏が店頭に並び始めると春の訪れを実感しませんか? 甘夏といえば、ミカンのなかでも4~5月に旬を迎えるナツミカンの一種。酸味が少なく甘いのが特徴です。しっかりした果肉を口に入れると爽やかでジューシーな甘さがいっぱいに!
そんな甘夏のなかでも鹿児島県や熊本県で多くつくられているのが、甘夏の枝変わりといわれる「紅甘夏(べにあまなつ)」。鹿児島には、「出水の紅甘夏」というブランド甘夏もあります。
そこで今回は、「出水の紅甘夏」を手がけるJA鹿児島いずみ果実課の妙圓園(みょうえんぞの)薫さんに、紅甘夏の特徴や選び方、「出水の紅甘夏」の特徴、甘夏のむき方について教わります。ぜひ贈答用、自宅用の高級甘夏選びのヒントにしてみてください!
「紅甘夏(べにあまなつ)」とは?
紅甘夏は、普通の甘夏とはどのように異なるのでしょうか?
「一番の特徴は、甘夏と比べると皮の色が濃く、鮮やかなオレンジ色をしていて、果肉も淡い赤みを帯びていることにあります。さらに甘夏よりも甘く酸味がまろやかで、ひと粒ひと粒に果汁がたっぷり含まれているのも特徴です」
ぜひ一度味わってみたいですね。お取り寄せにより、各ネットショップで手に入れられるようですよ。
おいしい紅甘夏の選び方
続いて、おいしい紅甘夏の見分け方を教えていただきました。
「皮が濃く、均一に色づいてハリとツヤのあるもの、持ったときに重みを感じるもの、またはやや大きめのサイズをおすすめします。これらのものは、風味が強くて甘みがあります」
さらに甘みがあるとは! 手に入れる際には、ぜひこれらの基準で選びましょう。
ブランド甘夏「出水の紅甘夏」
紅甘夏のなかでも「出水の紅甘夏」は有名なブランド紅甘夏。果たしてどんな紅甘夏なのでしょうか?
「出水の紅甘夏は、JA鹿児島いずみが鹿児島県阿久根市、出水市、長島町で栽培している紅甘夏です。鹿児島県下最大の果樹生産地域で、海に近く、1年を通して果樹産地に適している温暖な気候に恵まれ、安山岩土壌を生かした、日当たりのよい南西向きの傾斜地です。
5~6月の暖かくなるこの時季に旬を迎える出水の紅甘夏は、酸味が少なく糖度が高いのが特徴で、甘味と酸味のバランスがちょうどよく、初夏にぴったりの清々しい味わいが魅力です」
紅甘夏と比べて、さらに酸味が少なく糖度が高いというのは興味津々!
「また出水の紅甘夏は、『かごしまブランド』として産地指定されているうちのひとつになっています(平成30年5月末現在)。さらに『かごしまの農林水産物認証制度』を取得しており、安心・安全の確保や、積極的に消費地でのPR活動も行い、消費者から選ばれる産地づくりにも努めております」
出水の紅甘夏、ぜひ“高級甘夏”として、いただいてみたいですね。
甘夏をおいしく食べるための「皮のむき方」
ところで、甘夏をいただくときには、外皮が厚いので果物用ナイフなどでむいてから、いただきますよね。よりおいしくいただくためのむき方を妙圓園さんに教えていただきました。
「まず果実のヘタをナイフの端などで取り除きます。甘夏は外皮が他の柑橘類よりも厚いため、果肉を傷つけて鮮度が低下してしまわないよう、外皮にだけ切り込みを入れて、きれいに外皮を取り除きます。その後、手で節ごとに割き、果実自体のうま味を味わえるよう、苦みを感じる房の薄皮をナイフなどで切り落として中の果肉を出していただいてください」
ポイントは、果実にはナイフを入れないことと、薄皮は削ぎ落とすこと。みずみずしい果肉を大事にしていただきましょう!
※お問い合わせは、鹿児島いずみ農業協同組合園芸農産事業部 営業課まで。
※JA鹿児島いずみの商品はオンラインショップからもご注文いただけます。
問い合わせ先
- JA鹿児島いずみ 本所
- TEL:0120-212-631(9時~17時)
- 住所/鹿児島県出水市高尾野町下水流890番地
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利