読み方が2つある「正座」は、使うシーンも意味もまったく違う言葉!
音読み、訓読み…漢字の読み方は、同じ文字でもいろいろあるものです。今回は、同じ文字でも、使うシーンで読み方や意味が変化する漢字をふたつ、ご紹介します。
Respect(尊敬される)女性から Shame(残念な)女性にならないために、日本語力を鍛えて参りましょう。
…というわけで、問題です。
【問題1】
「正座」という漢字の読み方を2種類あげ、それぞれの読み方に合った意味をお答えください。
ひとつはお馴染みの読み方ですね。もうひとつは? おわかりになりますか?
あなたはRespect? Shame? …正解は?
正解は…
A:せいざ・・・正しい姿勢で座る事、およびその座法。膝をそろえて畳んだ座法。
B:しょうざ・・・正客(主賓)の座る座籍。正面の席。
Aは、日本人なら誰でも知っている読み方と意味になりますが、Bについては、答えられましたか?「知っていたのに、最近使う機会がなくて、すぐには思い出せなかったわ。改めて違う切り口で聞かれると、わからなくなってしまうものね」という方もいらっしゃるかもしれません。
「正座」を「しょうざ」と読んだ場合は、最も大切なお客様に座っていただくための最もいいお席、を意味します。お若い方は、ご存知ないケースも多そうです。大切なお客様をおもてなしする際など、事前にさりげなく教えてあげると安全でしょう。
「生」には「なま」「き」の2つの読み方・異なる使われ方がある
同じように、読み方に即して意味が変化する漢字の例に「生(なま)(き)」があります。こちらも「生(き)」という読み方、連動した意味について「知らない」という方、意外に多そうですね。
…というところで、もう一問、クイズです。
【問題2】
「生(き)」とはどんな意味でしょうか?
…知らないという方には、どんな説明をしたらわかりやすいでしょうか?
正解は・・・
「まじりけない」という意味。
名詞につける場合は「生真面目」→純粋な、「生醤油」→人工を加えない自然のままの、などの意味。
「『生蕎麦』といえば、蕎麦粉100%の、つなぎのない10割蕎麦のことを言うのよ」など、予備知識までカヴァーしてあげたり、「お客様が『焼酎を生(き)で飲みたい』とおっしゃったら、水やお湯で割らずにそのままで、という意味よ」と、使いそうなシチュエーションも併せて教えてあげると優しいですね。
「生ビールは生(なま)なのに、スピリッツをそのまま飲むときは、生(き)と異なるなんて、日本語は奥深いわね」とフォローも入れてあげられれば、完璧です。
大人の女性たるもの、自分のためだけではなく、人に伝えたり、教えたりする際にはどうすればベターかしら?という視点も併せて、豊富な表現力を身につけておきたいですね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱