「おざなり」「なおざり」どちらも「いいかげんな対応」を意味する言葉ですが、程度がかなり異なります

「いい加減な対応」を意味する、「おざなり」と「なおざり」の2語。ニュアンスは似ていても、実ははっきりとした意味の違いがあるのです。このふたつの使い分け、きちんとできているでしょうか?

うっかり間違いやすい言葉こそ、きちんと掌握できてこそ大人です。Respect(尊敬される)女性から、Shame(残念な)女性にならないために、混同しやすいこの二語の違いを、しっかり復習しておきましょう。

というわけで、クイズです。

【問題1】

「おざなり」と「なおざり」。よりいい加減で不誠実な対応はどちら?

1:おざなり

2:なおざり

あなたはRespect? Shame? …正解は?

似ていて混乱しそうですね…。
よりいい加減で不誠実なほうは…おざなり?なおざり?

正解は…2:なおざり です。

このふたつの言葉の違いを明確にするため、語源に迫ってみましょう。

まずは「おざなり」。「おざなり」はもともと江戸時代のお座敷用語の隠語で、幇間(ほうかん…客の機嫌をとって座を盛り上げ、芸妓や舞妓を助ける男性芸人のこと。別名:太鼓持ち)」を指していました。彼らの仕事ぶりから「幇間=おざなり(御座形)」という隠語ができたようです。

御座形(おざなり)とは「座(お座敷)に合わせた仕事ぶり」の意味で、幇間がお客様の質によって披露する芸の内容や対応を変え、相手によってはかなり手抜きをすること、を指していました。

そこから「その場しのぎで、いい加減な対応や対処をすること」を意味する言葉になりました。

対して、「なおざり」は平安時代から登場している言葉です。漢字では「等閑(なおざり)」と書き、「なお=そのまま」と「せざり=しない」を合わせた言葉です。「なお、せざり=そのまま放置してなにもしない」という意味。

「おざなり」は手抜きでもやっつけ仕事でも、一応、対応はしてみせることを意味しますが、

「なおざり」のほうは、それすらぜずに放置…という意味なのです。

混同しそうなときは「おざなり」のほうは「お座敷」の「おざ」、と覚えると良さそうです。


・・・というところでもう一問、クイズです。

【問題2】

次の例文で、正しいのはどちらでしょうか?

※Aさんが、部下のBさんの出した企画書の出来の悪さを注意しているシーンでのこと。

1:A「Bさん、残念ながらこれでは、おざなりな企画書、と見られてしまいそうです。まとめ直し、がんばりましょう」

2:A「Bさん、残念ながらこれでは、なおざりな企画書、と見られてしまいそうです。まとめ直し、がんばりましょう」

あなたはRespect?Shame? …正解は?

混乱せずに答えられますか?
漢字がヒントになりますね。

もうおわかりですよね?

正解は…1です! 2の使い方は、間違い。

Bさんは、内容の出来はともかく、とりあえず「企画書をまとめて提出する」という行動はしているので、何もしないで放置することを指す「なおざり」とは言えません。うっかり2のような言い間違えをしてしまうと、怒られるべきなのがどちらなのか、わからなくなってしまいますね。

混乱しやすい二語なので、いま一度繰り返します。「おざなり」の「おざ」は「お座敷」、手抜き芸で適当にすませたことがルーツです。

小さな引っ掛かりでもなおざりにせずに、水面下で教養を磨いていく…努力の美しさを忘れない、聡明な大人の女性で参りましょう!

この記事の執筆者
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小出 真朱