正解は…2:えせもの です。

「似非(えせ)」は、漢文の「似て非なる」という言い回しからできた単語で、「似非」のほかに「似而非(えせ)」と3文字で記載することもあります。

「エセ文化人」などに使用する「似非(えせ)」です。
「エセ文化人」などに使用する「似非(えせ)」です。

「似ているが本物とは違うまやかしもの」という意味ですので、「似非者」は、「うさんくさい、まやかしもののような人物」という意味です。

文化人を気取ってメディアでコメントしていた人物が、実は大した知見を持たないまがいものである、と端的に表現する際に、「似非文化人」と言ったりしますね。

同じケースで「似非者」という表現を使うなら「A氏は文化人を気取っているけれど、実は似非者だから…」のように使用します。

ちなみに選択肢1の「にせ」を漢字で書く場合は、「偽」または「贋」です。偽者、贋者となります。

というわけで「似」という漢字について、さらにもう一問、クイズを出題します。

【問題2】

「ものまねをする」などに使う「まね」という言葉を、漢字にしてみてください。

…簡単なようで、改めて聞かれると戸惑いませんか? さて、正解は?

改めて聞かれると意外とわからなくなりませんか?
改めて聞かれると意外とわからなくなりませんか?
この問題は正解したいですね…!
この問題は正解したいですね…!

正解は… 真似 です。

難しい言葉ではありませんが、実はこちらも「似非」の例と同じように「真似」という組み合わせの時だけ、「似」の読み方が「ね」に変化する、特殊例なのです。

「真似」というと「猿真似」「真似っこ」など、力量の劣る者が上位の者に寄せようとする姿が滑稽である…というようなイメージで使用される事も多いですね。しかし、「真似」は「学ぶ」の語源「まねぶ」の「真似」である、という説が有力で、本来、とても美しい行いを指していたようです。

師匠など、手本となる上位の方の業や行動に「真に似せる」努力をすること=「真似」は、本来、スキルアップを真摯に目指す、努力家の尊い行いを指していたのです。

大人になっても、素敵な行いやセンスは素直に真似て取り入れられるような柔軟な心を持って、また、お若い方に「真似したい」と思って頂けるような、素敵な女性であり続けたいですね。

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小出 真朱