正解は・・・ 1:肝入り 2:肝煎り のふたつです。
現代では「入り」「煎り」のふたつとも採用している辞書がありますので、両方が正解と言う事になりますが、本来の正解は「肝煎り」のみでした。
なぜ、正解がふたつできたかといえば、「カン違いして表記する方が増え過ぎたから」です。ここまで間違われるなら、「肝入り」でもまぁ、言葉の表現するイメージと遠すぎはしないし、良しとしておきましょうか? という形です。
しかし、「肝煎り」という言葉の語源を紐解くと、「煎り」と書けたほうが、日本語への理解がより深い人、と言えるかと思います。
「肝」は体内の重要な臓腑のことですので、日本語の比喩表現上、「精神の宿るところ」を意味する言葉になります。
『煎る』は、「焙煎する、気を配ってちょうどよく焦がす」という意味ですので、『肝煎り』という表現は「心を入れて熱心に世話をする、手をかける」を意味しています。
江戸時代には、人々の間を取り持つ村役人の役職名として「肝煎(きもいり)」という名称が正式に存在していました。
「肝を、煎る」。日本語の妙や粋が感じられる表現ですよね。というところでもう一問、クイズです。
【問題2】
「肝にめいじる」を漢字表記に直した場合、正しい表記は以下のどちらでしょうか?
1:肝に命じる
2:肝に銘じる
こちら、キーボードやスマートフォンで電子変換する際には「きもにめいじる」とひとつつなぎで変換できることはほとんどなく、「きもに」と「めいじる」を、それぞれ自分でセレクトすることになるため、間違えると赤っ恥をかいてしまいます。
シンプルなクイズですが、あなたは正解できますか?
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱