年に1度、特別公開される幽霊画をお寺で鑑賞

東京・谷中にある全生庵は、幕臣だった山岡鉄舟が明治維新の際に国事に殉じた人々の菩提を弔うため、明治十六年に建立した臨済宗国泰寺派のお寺です。こちらには山岡鉄舟との縁で落語家・初代三遊亭圓朝のお墓があり、圓朝遣愛の幽霊画五十幅が所蔵されています。

三遊亭圓朝は江⼾末期から明治にかけて活躍し、落語中興の祖ともいわれる人物で、「牡丹燈籠」「真景累ケ淵」「死神」など、多くの名作落語を創作しました。

その怪談創作の参考にと、数多くの幽霊画を収集。伝・円⼭応挙というものから、柴⽥是真、伊藤晴⾬、河鍋暁斎など、著名な画家たちが描いたさまざまな幽霊たちの絵を全⽣庵で所蔵しています。

例年8月の1か月限定で一般公開しており、今年は2019年8⽉1⽇(⽊)より31⽇(⼟)まで、⾕中圓朝まつり「幽霊画展」として開催されます。

全生庵
全生庵
展示室内
展示室内
伝・円山応挙「幽霊図」
伝・円山応挙「幽霊図」
伊藤晴雨「怪談乳房榎図」
伊藤晴雨「怪談乳房榎図」
池田綾岡「皿屋敷」
池田綾岡「皿屋敷」

落語との関係から、人々が「幽霊」に見た意味を問う記念トークショーも開催

2019年は、8月3日(土)に2018年にNHKで岡田将生さん主演でドラマ化された⼤⼈気漫画『昭和元禄落語心中』の作者・雲⽥はるこさん、落語家・⾦原亭⾺⽟さんをゲストに迎え、「幽霊の怨返し―落語にみる情愛」と題した記念イベントも開催。

三遊亭圓朝がこれほどまでの幽霊画をコレクションしていた理由や、なぜ落語には幽霊がよく登場するのか、といったことを通して、⼈々が「幽霊」に⾒た意味と、そこから受け取ることができる「⽣」への学びを考えます。また、⾦原亭⾺⽟さんによる怪談落語「死神」、全生庵の平井正修住職による幽霊画解説も⾏われます。 

雲田はるこ作「昭和元禄落語⼼中」
雲田はるこ作「昭和元禄落語⼼中」
全生庵の平井住職
全生庵の平井住職

開催記念イベント「幽霊の怨返し―落語にみる情愛 」詳細

開催日時/2019年8月3日(土)16:00~18:00(開場15:30)
※イベント参加者はトークセッション後にも幽霊画展を拝観できます。
定員/100名(事前申込み制・申し込み締め切り7月19日)
参加費/¥3,000(幽霊画展拝観料込)

<プログラム>
・住職による幽霊画展解説
・第一部 ゲストと全生庵住職によるトークセッション
・第二部 金原亭馬玉による怪談落語「死神」
・『昭和元禄落語心中』の雲田はるこサイン会も開催予定

問い合わせ先

  • ⾕中圓朝まつり「幽霊画展」
  • 会期/2019年8月1日(木)〜8月31日(土)※土日祝祭日も開催
    開館時間/10:00~17:00(最終入場16:30)
    拝観料/¥500
  • 住所/東京都台東区谷中5-4-7 全生庵

 

この記事の執筆者
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WRITING :
北本祐子