インドネシアの無名な島のリゾートが、旅行誌の投票で1位に!
インドネシアのバリ島から南東へ、国内線で約50分。スンバ島は21世紀の今でも、昔ながらの伝統を頑なに守っている島です。とんがり帽子のような草葺きの屋根の家マラブ(精霊)の家に暮らし、道路脇には平均6トンもの巨大な石の墓が鎮座し、「パソーラ」という騎馬戦のような伝統儀式ではその激しさゆえに死者が出ることもあるそう。
そんなタイムトリップしたようなスンバ島の南西にある、ニヒ・スンバ(NIHI SUMBA)。リゾートの目は約2.5キロの白砂ビーチが広がり、遠くインド洋を渡ってきたうねりが打ち寄せる格好のサーフスポット(ゲストだけの貸し切りです)。手つかずの自然が残された567エーカーの敷地に、ヴィラはわずか33棟しかありません。
古木などを巧みに取り入れ、重厚感のある自然の建材を使ったヴィラは、広々とオープンな造り。ほとんどにプライベートプールをしつらえ、すべてが異なるデザインです。テラスからインド洋を望む、贅沢な海辺の邸宅という感じでしょうか。宿泊費には3食とアルコールを除くドリンクが含まれ、全室でバトラーサービスが受けられます。
けれど、ニヒ・スンバは単なるネイチャー系のラグジュアリー・リゾートではありません。2012年からリゾートを引き継いだトリー・バーチの前取締役、クリストファー・バーチいわく「“おもてなし中心の贅沢”はすでに終わった。21世紀のトラベラーはパーソナルな体験や、思いがけない出来事、好奇心を刺激する旅を求めている」。その言葉を体現しているのです。
「ラントロ」の広々としたテラスにはプライベートプールが。部屋に用意されたアルコールもどこかおしゃれに映ります。
海を見渡す渓谷のスパ施設&村訪問をセットで
たとえば、アクティビティのひとつ 「スパ・サファリ」。これはリゾートから90分間のトレッキングを経て、スンバ島の伝統的な集落に立ち寄りつつ、海に面した渓谷に広がる「ニヒオカ」というスパ施設に向かいます。ライステラスや2つの入り江が広がるニヒオカには、見晴のいいガゼボが4カ所点在。ビーチやライステラスを見晴らすどのガゼボでもOKで、しかもトリートメントは受け放題。(ガゼボ1棟につき半日US$495、1日US$695)。
貴重なスンバ馬に乗れる本格的な厩舎、サーフガイドが常駐しているビーチハウスなど、このリゾートでしか体験できないことが用意されているのです。
小柄で丈夫な、この島特有のスンバ馬。リゾート内には本格的な厩舎があり、乗馬も楽しめます。
収益はローカルの暮らしに役立てられる
しかも、リゾートの収益は前オーナーが設立したスンバ財団を通して地元の暮らしに還元されます。病院建設や100か所以上の井戸、小学校での給食のほか、マラリア予防センターによって罹患が85%も減少したそう。
『Travel + Leisure』誌の2016年ワールド・ベスト・リゾートに選ばれたニヒ・スンバ。バーチ氏の狙いどおり、ただ贅沢なだけではつまらない、思いがけない体験と気持ちを豊かにするエシカルなリゾートが今、求められているのかもしれませんね。
【こんな人にオススメ!】 エシカルな気持ちも満たしたい、アイランドリゾート好きな人
■ニヒ・スンバ(NIHI SUMBA)
Desa Hobawawi,Kecamatan Wanukaka,Sumba,87272 Indonesia
日本でのお問い合わせ先
ザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド
TEL:03-5551-0101
http://www.LHW.com/
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- TEXT :
- 古関千恵子さん ビーチライター
公式サイト:古関千恵子ホームぺージ
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