正解は… 2: だれも成し得なかったことをすること です。

本当に「破天荒」な人物には「破天荒な人」より「破天荒な方」と言いたくなりそうです。
本当に「破天荒」な人物には「破天荒な人」より「破天荒な方」と言いたくなりそうです。

ちなみに選択肢1の「豪快で大胆な様子」は、文化庁の調査で6割以上の日本人が選んでしまった、浸透度の高すぎる誤解になります。

「破天荒」という言葉の語源は、中国の古書に記されたエピソードにあると言われています。

まず、「天荒」とは「未開の荒れ地」という意味の言葉です(天気に関わる「天候」ではないのでご注意ください)。

唐の時代、官吏登用試験は大変な難関であり、荊州(現在の湖北省)からは王朝成立後、100年以上経過しても合格者が一人も出ず「(優秀な人物が育たない)天荒のような地域」と言われていました。

この荊州から初めて官吏登用試験に合格した人物が出た際、人々は「天荒(と呼ばれる不名誉な現状)を破った」と称賛したのだとか。…これが「破天荒」です。

つまり「前人未到の、だれも成し得なかった偉業を成し遂げる」ことが「破天荒」なのです。

破+天+荒…という漢字の組み合わせが「型破り」「天衣無縫」「荒ぶる」というようなイメージを想起させ、「豪快」や「大胆」という間違ったイメージが広まってしまったのでしょうか?

「誰も成し得なかった偉業」の内容に関しても、文字だけ見ると武闘派的な偉業を連想しそうですが、語源となったエピソードでは「極めて知的な偉業」であった…というのも面白いですね。

ともかく、「破天荒な人」と言えば、正しくはかなりの誉め言葉であり、「荒々しい型破りな人」という意味ではありません。「あの人の破天荒ぶりには、呆れるわ」のように、型破りエピソードに使用すべき言葉ではありませんので、ご注意くださいね。

自分が間違いを正すのは良いとして、人様のカン違いを見て見ぬふりはできない、教えてさしあげたい!と言う時には…その方に恥をかかせないか、プライドを傷つけないか、重い空気にならないか、など、思案どころですよね。

…というところで、2問目です。

【問題2】 

「破天荒」と同じように中国を起源とする言葉で、「数ある中でも、最も優秀な人や物」を意味する「白眉(はくび)」という言葉の語源は、次のどれでしょうか?

1:「白眉」という名の先生の教え子は、どこに行っても出世したから

2:劇団の一人の演技が秀逸すぎて、見た人の眉が一晩で白くなったことから

3:なぜか眉毛に白い毛が混ざっていた人物が、優秀な兄弟の中でも一番秀でていたから

さて、正解は…?

数ある中でも最も優秀な人やモノ=「白眉」の語源はどれ?
数ある中でも最も優秀な人やモノ=「白眉」の語源はどれ?
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小出 真朱