周囲の人に認められたい、自分のことを理解してほしい、SNSの「いいね」の数が気になって仕方がない……そんな気持ちになることもありますよね。特にSNS上での評判や周りの反応を気にするあまり、日常的になんとなく息苦しさを感じている方は、案外多いのではないでしょうか?
『誰も君のことなんて気にしていない。』の著者である神田勘太朗さんは、「SNSを利用することでマイナスな影響を受けてしまうなら、無理にやらなくていい」と言います。自分自身としっかり向き合い、本当にSNSが必要なのかどうかを見極められれば、SNSのない生活に切り替えてもやっていけるはずです。
以下では、SNSに限らず、周囲の人々の目を気にせずに生きるための考え方を紹介していきます。あなたが思っているよりも、他人はあなたのことを気にしていません。だからこそ、あなたのことはあなた自身が気にして、きちんと自分でフォローをしながら、目標に向かって歩んでいきましょう。
自分の思いに正直に生きるために!他人の目を気にせずに済む考え方5選
■1:「こうならなければいけない」という形を見直す
大人になっても夢をもち、それに向かって努力している人を羨ましく思うことはありませんか? 神田さんによると、「自分には夢や目標がない」と感じてしまう原因は、他人の目が気になって好きなことができていないから。
「仕事として儲からないといけない、称賛されないといけない……というのは、世間で一般的にいわれている『成功すること=夢が叶った形』にすぎません。ところが、他人の目を気にして『こうならなければいけない』という形に執着し、自分に当てはめようとするから、みんな行き詰まってしまう。
例えば僕の場合、ダンサーになりたくて踊ったのではありません。ダンスが好きだから踊り、練習してうまくなる。すると『ダンサーになる』という夢が出てくる……。つまり、夢や目標よりも、自分の『好き』という気持ちが先なのです」(神田さん)
とはいえ、どんな職種でも「こうしなければならない」「こうしたほうがいい」という決まりごろや負荷があるものです。それは自分が成長するためにも必要なこと。ですが、それに囚われすぎてしまうと、なぜこの仕事をしているのかと疑問に思うこともあるでしょう。
そういう状態に陥らないために、人生の節目で「こうならなければならない」という形を見直してみましょう。見直すきっかけは、人との出会いや年齢的な節目、引っ越しなど、なんでも構いません。大切なのは、自分の好きな物事に素直になることです。
■2:苦しいときは「ドラマの山場」だと考える
仕事やプライベートで、苦しい状況に追い込まれたり、恥ずかしい大失敗をしてしまったり、という経験は誰にでもありますよね。特に人が見ているところでの失態なんて、思い出したくもないはず……。
「物事は前向きに考えよう」とよくいわれますが、不都合な出来事があるとネガティブに考えてしまうものです。そんなとき、物事をポジティブに捉えるコツは、自分を物語の主人公に置き換えて妄想すること。
「自分に不幸があると、ついつい『なんで自分ばっかり……』とネガティブに考えてしまいます。でも、好きなことをやってワクワクするには、ポジティブシンキングが大事。
そこで、ネガティブになりそうなときは、自分が主人公のポジティブなドラマを妄想してしまいましょう。結末はもちろんハッピー・エンドです。大抵のドラマには主人公が困難に陥る場面が必ずあり、ピンチになればなるほど、そのあとがおもしろくなります。これに倣って、苦しいときは『いまはドラマの山場なんだ』と思えばいい。物語の展開は、ありえないくらい荒唐無稽なものを想像したほうが、毎日が楽しくなるでしょう。
どんな困難もいずれは突破できるし、時間は過ぎ去ります。それなら、苦しい時間をむしろ楽しんでしまうに越したことはありません」(神田さん)
自分を物語の登場人物だと考えることは、自分自身を客観的に見ることでもあります。辛いときこそ、ポジティブで客観的な視点を忘れずにいたいですね。
■3:弱い自分も可愛がる
人間、誰にでも欠点はあります。例えば、人前でうまく話せない、ダイエットに何度も挫折した……そんな自分が嫌になってしまうこともあるかもしれません。それでも、他人の目を気にせず生きるためには、そんな自分の内面をしっかりと見つめ、受け入れてあげることが大切なのだとか。
「僕は、人の目をずっと気にしてきた人間です。だから他人の信頼を失ったり、誤解されたりすることがものすごく怖い。けれども、いまは大胆に夢を語るし、言いたいことを思い切って発言します。それは、弱い自分を認め、『それでも断固として発言する自分』を愛せるから。
なにも、特別ポジティブな人間になる必要も、他人の言動に鈍感になる必要もありません。なんとかしたいと思う自分を認めて、慰めながら前に進んでいくことが大切なのです」(神田さん)
近年、自己肯定感の低く、他人の言動に傷つきやすい人が多くなっているように感じます。それは、もしかすると自分に厳しすぎるのかもしれません。長い目で見ればチャンスは常にあると信じて、自分の弱い一面も優しく受け入れてみてはいかがでしょうか。
■4:「嫌われたくない」を捨てる
職場における人間関係や学生時代からの友人たちといったコミュニティーは、自分を押し殺してでも安定した状態を維持したいですよね。そこが自分にとって居心地のよい場所なら尚更です。しかし、それであなたは本当に幸せといえるでしょうか?
「他人に嫌われたくない、孤立したくないという考えに縛られて、やりたかったこと以外のことを必死にやるのは、自分の望みを叶えるうえで合理的ではありません。嫌われない、逆らわない、出る杭にならない……そんな安定している状況をキープしても、成長はないのです。
いまの安定した環境を変えるには、自分を客観視して、自身のキャラクターを知る必要があります。それが、自分を愛するための第一歩です」(神田さん)
周りの人間関係が壊れたり、自分が嫌われたりすることが怖いのは誰でも同じ。ですが、ワンランク上の自分を目指すなら、いまの安定した環境をぶち壊す勇気も必要なのだと心得ましょう。
■5:共感してくれる味方を大事にする
SNSをはじめ、不特定多数の人たちの意見や評価は、自分ひとりでは思いつかないような気付きをもたらしてくれることがあります。とはいえ、それらの情報に触れることで自分が傷つき、マイナスの影響を受けてしまうなら、SNSは利用しないほうがよいでしょう。
神田さんは「それよりも、あなたの意見に共感してくれる味方を探すべき」と言います。
「世のなかの常識や大多数の意見、会社のしきたりなどは、あなたの人生には何の影響も及ぼしていない存在であり、さほど意味がありません。そういった『どうでもいい人』のために自分の人生を犠牲にしてしまうのは、もったいないと思います。
むしろ、プライベートでも仕事でも、自分の意見を好きでいてくれる人を大事にしましょう。なぜなら、何百人もの人間にスルーされるクヨクヨより、仲間がひとりできることによって起こるワクワクのほうが、はるかに大きいからです」(神田さん)
自分が「気にしい」で、不特定多数の意見に振り回されてしまっていると感じるなら、いまの生活にSNSが必要なのか、あらためて考えてみるとよいかもしれませんね。
あなたが思っている以上に、誰もあなたのことを気にしていない。だからこそ、他人にあなたの夢を否定することはできません。たとえ弱くても自分自身を認めて、思い切って言いたいことを言ってみれば、きっと現状は変わります。生きている限り、夢を叶えるチャンスはなくならないのです。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 上原 純