ビスケー湾に面し、フランスとの国境に近いスペインのサンセバスチャン。

ここ数年、注目を集めるバスク地方料理と美食で知られる、海辺の街です。徒歩や自転車で動くのがちょうどいいサイズの街ながら、ミシュランスターのレストランが16軒も。「1平方メートルあたりにつき、ミシュランスター・レストランが世界で一番多いエリア」とも呼ばれています。

そんなサンセバスチャンの歴史と、華やかな食文化を100年あまりにわたって見守り続けているのが、ウルメア川の河畔にたたずむ、「ホテルマリアクリスティーナ, ラグジュアリーコレクションホテル, サンセバスチャン」です。

100年の歴史の面影を残し、コンテンポラリーな魅力を添えたラグジュアリーホテル

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レセプションではレ・クレドールのコンシェルジュもスタンバイ

このホテルが開業したのは、1912年のこと。

医師に海水療法をすすめられたイザベラ2世がこの地に訪れ、以来サンセバスチャンはスペイン王室御用達に。その後、摂政女王のマリア・クリスティーナも、この地を気に入って訪れるようになり、当時のインフルエンサーだった彼女にならって、上流階級の人々休暇の地に。

そしてこのホテルが開業する1912年7月9日、最初に足を踏み入れたのもマリア・クリスティーナでした。6年ほど前に改装されましたが、吹き抜けの階段のステンドグラスの天井は、当時のものが残されているそうです。

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この階段を見上げると、1912年開業時のオリジナルのステンドグラスの天井が。オフィス内には当時の「MC」の刻印も残されています

映画の黄金時代のスター、女優ベティ・デイビスが愛用していた証があちこちに

もうひとり、このホテルにまつわるキーパーソンとなる女性がいます。映画界のファーストレディ、往年の大女優ベティ・デイビスがその人。サンセバスチャンで開催される映画祭で訪れる際の、定宿でした。

ベティ・デイビスの名前を冠したスイートには、パーソナルコレクションの写真が飾られ、フランスの影響を受けたベルエポック様式のデザインが、華やかなりし映画の黄金時代を彷彿させます。彼女が滞在していた時、この部屋に入ることができたのはマイケルというウェイターのみ、絶大な信頼をおいていたそうです。

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ベティ・デイビス・スイートのベッドルーム。亡くなる間際の1989年9月にも滞在していたそうです
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ベティ・デイビス・スイートの扉を開くと、まずこの円形のリビングが

136のゲストルームとスイートは、グレイやベージュの抑え目な色調にグリーンやパープルがアクセントになったエレガントな雰囲気。広さは25平方メートル以上あり、このホテルブランドのシグネチャーベッドや大理石のバスルームが、ゆったりと配置されています。

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海を望む、テラス・スイートのベランダ
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ピレネー山脈の大理石を使った、コンテンポラリーな印象のバスルーム

フレッテのバスローブに、アクア ディ パルマのバスアメニティなども、心地よい滞在の一助に。

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バスアメニティはアクア ディ パルマ

「デイ・バー」にはベティ・デイビスの写真が中央に飾られ、彼女にちなんだカクテルもラインナップしています。こちらの名物バーテンダー、ハビエル・デ・ラス・ムエラス氏のドライマティーニも有名で、何杯サーブされたかを示すカウンターも入り口に置かれています。

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ベティ・デイビスの写真が見守る「デイ・バー」。メニューの表紙も彼女

欲張らずにはいられない! 「ベスト・ブレックファスト」と称される朝食

この美食の街にあって、「ベスト・ブレックファスト」と称される朝食は、早起きしてでもじっくり時間をかけて、味わいたいもの。ビュッフェテーブルにはフレッシュフルーツにチーズ、ソーセージ、燻製肉など幅広いセレクションがずらりと並び、パンの近くにはハニーコムやブルスケッタ用のトマト、サラダの脇にはキャビアなどが添えられています。

エッグベネディクトなど、メニューからオーダーするホットディッシュも充実。そして朝のシャンパンも、きっちり冷えています。

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たとえ前夜にバーめぐりで食い倒れていても、朝食からフルスロットルでいただいてしまいます
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しぼりたてのフレッシュジュースにシャンパン。ごきげんです

ホテル内には、地元の料理家集団「MIMO」のクッキングスタジオやグルメショップも併設されています。

クッキング教室では日替わりでミシュラン・スターシェフによる秘密のレシピや、ローカルシェフによるバスク料理、ピンチョスなどを習うことができます。自分の家で再現して、味覚から旅の記憶を呼び覚ますのはいかがでしょう?

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地下にあるMIMOのキッチンスタジオ。午前10時からスタートし、作った料理&スペインワインでランチを楽しみます

ところで、人気レストランへの予約はえてしてハードルが高いもの。それが、このホテルにはこの地方で唯一、レ・クレドール(コンシェルジュの国際的ネットワーク)に所属するコンシェルジュが任に当たり、レストランの予約も行ってくれます。また、ホテルで配布している旧市街のバー・マップも便利です。

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ウルメア川沿いにたたずむ堅牢な石造りのホテル。100年以上にわたり、サンセバスチャンの食文化を見守ってきた証人です

朝から晩まで、幸福な気持ちで満たされるサンセバスチャンの口福な旅。体重計のことは帰国まで、忘れておきましょう。

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この記事の執筆者
ダイビング雑誌の編集者を経てフリーに。海外旅行専門誌でもビーチを担当。月に1~2回、海外を中心に国内外のビーチリゾートへ通うこと、かれこれ四半世紀以上になる。女性誌の旅記事、ライフスタイル誌の連載、ウェブの連載ほか、共著に『奇跡のリゾート 星のや竹富島』など。世界のビーチガイド「World Beach Guide(http://www.world-beach-guide.com ) 」主催 好きなもの:海でボーッとすること、ボディボード、ダイビング、ビーチパーティー、Jazztronik、H Zettrio、渋谷Room
公式サイト:古関千恵子ホームぺージ
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WRITING :
古関千恵子
EDIT :
安念美和子、大西ひとみ(イクシアネクスト)