「かもめブックス」で見つけた、「ひとり」の時間について改めて考え直す本
書籍の校閲をする会社『鷗来堂(おうらいどう)』が手がける書店として、’14年に神楽坂にオープン。独自のセンスが光る「レコメンド本」が好評で、訪れる人の感性を刺激する。
ここ数年、「ひとり」の時間の過ごし方を見直す本が増えています。『孤独は贅沢』は2017年の発売時からコンスタントに売れ続けている本」と書店員の宮崎さん。「ひとり」でパリ市内の広場のベンチに座り、3日間実況中継するだけ(?)の奇妙な小説なども話題になっているそう。
「ひとりというコンセプトからか、最近では、おつまみレシピ本も人気です。仕事終わりにみんなで外食というよりも、軽いおつまみで1杯がいい…と、『ひとりで家飲み』を楽しむ人が増えているのでは」と宮崎さんは分析。
だれともつながらない「贅沢なひとりの時間」は、成熟した大人にふさわしい、プレシャスな時間なのかもしれない。
■1:ひとりの夕食も贅沢になる、簡単なワインおつまみが満載!
『ソムリエ料理家のワインを飲む日のレシピ帖』
旬の食材を用意したら、あとは切って和えたり混ぜたりするだけのレシピも多く、気軽につくろうと思える。おすすめワインの案内があるのもうれしい。食欲をそそる写真は、ワイン&フランス通の料理カメラマンの日置武晴氏。
■2:本当の豊かさは「ロンリネス」ではなく「ソリチュード」にあり!
『孤独は贅沢―ひとりの時間を愉しむ極意』
大学卒業後、小学校の教師などを経て、アメリカのウォールデン湖畔で自給自足の生活を始めた著者。「静かでひとりの時間が自分を成長させる」というソローの提言は、自ら選び取って自由を謳歌する孤独(=ソリチュード)賛歌である!
■3:いつもの風景も「ひとり」で観察することで違ったものに見えてくる!?
『パリの片隅を実況中継する試み―ありふれた物事をめぐる人類学』
パリのありふれた広場を3日間、ひたすら定点観測し続けてみた実験の記録。ひとりで広場のベンチに座り、目に映ったものを観察し続ける疑似体験をさせるコンセプチュアルなアート小説のよう。いつもなら見逃してしまうコトやモノが見えてくるかも!?
問い合わせ先
- かもめブックス
- 営業時間/11:00~21:00 水曜休み(祝日の場合は営業)
- TEL:03-5228-5490
- 住所/東京都新宿区矢来町123 第一矢来ビル1F
※本記事は2019年9月7日時点での情報です。
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- PHOTO :
- よねくらりょう
- EDIT :
- 本庄真穂