会食やレセプションパーティー、結婚式やホームパーティーの手土産にいたるまで、プレシャスな女性のライフスタイルに欠かせないものとなっている、シャンパン(シャンパーニュ)。
本連載「ワイン入門」のシャンパン編では、シャンパンの楽しみを広げる基礎知識から、覚えておくと通なキーワードまで、シャンパンを通じてエレガントなふるまいが身につく心得を、ワインエキスパート・瀬川あずささんに教わります。さまざまなシーンで役立つシャンパンの知識を身につけて、「おいしい」だけではない、上質な時間を楽しみましょう。連載2回目では、シャンパーニュの「ヴィンテージ」について伺いました。
シャンパーニュのヴィンテージって何? シャンパーニュのグレードについて
シャンパンとは、フランスのシャンパーニュ地方でつくられる発泡性のワインのこと。そのトラディショナルな製法や、使用されるぶどう品種の特徴は【ワイン入門vol.1】でお話ししましたが、そのシャンパーニュというのはさらに2つのカテゴリーに分けられます。それがヴィンテージシャンパーニュと、ノンヴィンテージシャンパーニュ(NV)です。
「ヴィンテージ」というと「高級」「希少」などランクの高いものをイメージされる方も多いかと思いますが、そのイメージ通り、シャンパーニュにもランクがあって、普通のスタンダードなものは「ノンヴィンテージシャンパーニュ」と呼ばれます。「ヴィンテージシャンパーニュ」は値段の張るものが多いです。
ノンヴィンテージのシャンパンは簡単に説明すると、いろんな年のいくつかのぶどうをブレンドしてつくります。ボトルにも、ぶどうが収穫された年の表記がありません。ぶどうは農作物であるため、その年の天候などによって味の特徴も大きく変化します。毎年ぶどうの出来のよさに左右されることなく、各メゾンごとに特徴を表現し、味わいの安定したシャンパーニュをつくるために編み出された方法です。
一方で、ヴィンテージのシャンパーニュは、その年に収穫されたぶどうしか使っていないのが特徴。ぶどうのできのいい年だけつくられるため、その年のぶどうならではの個性も加わります。熟成期間も3年以上と長く、時間と手間暇をかけてつくられる特別なシャンパーニュなので、もちろん希少価値も高いです。
さらに大人の女性であれば知っておきたいのが、プレステージシャンパーニュの存在です。それぞれの会社がこだわりを持ってつくっているもので、『ルイ・ロデレール クリスタル』、『ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム』、『ドン ペリニヨン』など、誰しもが一度は聞いたことのある銘柄かと思います。
【参照記事:とっておきの時間を紡ぐ『ラ・グランダム』という優雅な選択】
その製造年によって味わいは多様に変化し、そのヴィンテージにしか表現できない「唯一無二の1本」になります。とっておきのシャンパーニュなので、特別な日に味わいたいですね。
ホームパーティの手土産など、幅広い場面でのギフトには「ノンヴィンテージシャンパーニュ」、ここぞという時や目上の方へのプレゼント、フォーマルなシーンでは「ヴィンテージシャンパーニュ」など、使い分けてみるといいですよ。
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- TEXT :
- 瀬川あずささん ワインエキスパート
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