気に入られた手土産は?スルーされた手土産は?手土産選びのプロに聞く「成功する手土産のコツ」2つ

ビジネスにおいて欠かせない「手土産」。接待と同様、先方との関係を良好にするために添えられるもので、どういった相手に何を渡すかのチョイスも、大切な仕事のひとつです。

その手土産選びのエキスパートの職業といえば、「秘書」。

そこで今回は、製造業の企業に勤める秘書歴10年のMさん(30代)に、手土産に関する業務で、実践していることを教えていただきました。

運よくフィードバックをもらい、気に入られた手土産。あまり反応がよくなかった手土産。どのように対処しているのでしょうか? プロの仕事をご紹介します。

■1:味見は当たり前。失敗を未然に防止!

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自分の舌で確かめてから!

ビジネスにおける手土産に関する業務といえば、先方に気に入られそうなものを選択し、お贈りすること。しかし、贈っただけでは終わらず、それが先方にとって本当にメリットのあるものかどうかも重要になります。

秘書のMさんは、手土産選びをするときに、こんな作業をしているそうです。

自分とボスで事前の味見をする

「秘書にとって、成功する手土産を選ぶことは当然のことですので、新しい商品を検討する際には、必ず自ら味見するのはもちろんのこと、ボスにも味見をしてもらいます」

この手土産を「選んだ理由」をしっかりボスに伝える

「そしてなぜ、その商品を選んだのか、理由やストーリー性などもボスへ伝え、ボスが納得したものをお贈りすることにしています」

手土産について、先方から感想などのフィードバックをもらうことはあるのでしょうか?

「会食のお店のフィードバックであれば、共に食事をしたボス自身に聞けばよいのですが、手土産はお渡しした方におうかがいしなければならないので、フィードバックを得るのはほとんど不可能なのが現状です。

まれに、お渡ししたあとに、その方の秘書の方からお電話やメールで『おいしかった』『貴重なものをありがとうございました』とお言葉を頂戴することがあります。もしくは奥様からお礼状が届くこともありますが、これも本当にまれです」

フィードバックをもらうことはほとんどないことから、より一層、失敗は許されない世界であるということですね。

■2:喜ばれた手土産は、ほかの方への手土産候補に!

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手土産リストは秘書の必須アイテム

運よくフィードバックをもらい、とても喜ばれた手土産については、どのようにしているのでしょうか?

「常日ごろから手土産のリストを作成しており、『いつ』『どなたに』『なにを』『どのような用途で』という情報を管理しています。喜ばれた手土産は、同じ方に同じものをお贈りしないよう留意しつつ、リピート商品としてリストにフラグを立て、ほかの方へ手土産を贈る際の候補としています。

また、手土産選びに悩んでいる同僚秘書や友人と、手土産の情報共有することが多いので、オススメの商品として紹介することも時々あります」

万が一、手土産が気に入られなくても、プロはこうして次に生かす

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気に入られなかったらNG理由をしっかり明記

フィードバックを受け、あまり気にいられなかったことが分かった手土産については、どのような対処をしているのでしょうか。

「まずはなぜ気に入られなかったのかを考えます。重さ、大きさ、味、形状、送付方法など。一度失敗したものをリピートすることはまずないので、同じような商品も選ばないよう、今後の参考にリストにNG理由をしっかり記載して残しておきます。

もしその商品が、今までひいきにしていた関係性の深いお店のものであれば、今後の参考にお店へも改善希望を共有することがあります」


手土産というと、華やかな仕事に見えますが、実は奥が深い、繊細な心遣いと管理が欠かせない業務のひとつのようです。

ビジネスの手土産はもちろんのこと、プライベートのお世話になった方や知人への手土産選びの際にも参考になりそうですね。

秘書 Mさん
秘書
製造業の企業に勤める30代秘書。秘書歴10年。ボスは60代男性で、週に1~2日ほど会食があるため、その度に手土産を用意している。食べることが好きなので、普段からおいしいお店や手土産の情報にはアンテナをはっている。

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この記事の執筆者
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WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子、榊原淳
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