寒い季節はもちろん、暑い夏も1年中必要になるのがエアコンです。もし、掃除をしていないエアコンを使い続けると、いったいどうなると思いますか…?
そこで当記事では、自分でできるエアコンの簡単なお手入れや、掃除方法をご紹介します。さらに、自動掃除機能付きエアコンでも必要なお手入れや掃除方法、臭いやカビ対策などもまとめました。
■掃除をしていない、汚いエアコンを使い続けるとどうなる?
寒さが厳しい冬も、うだるような暑さの夏も、エアコンはなくてはならないもの。毎日フル稼働で、1年中使い続けている家庭も多いことでしょう。
しかし、エアコンを掃除しないままにしていると、どんなことが起きてしまうと思いますか?
エアコンが汚れる原因
使っているうちにエアコンが汚れてくるのは、ホコリとカビが原因。
エアコンを使っていると、ホコリを含んだ周囲の空気を吸い込み、エアコン内部にホコリが溜まってしまいます。
エアコンにはそのホコリを除去するフィルターが付いていますが、掃除しないままではフィルターの機能がないようなものです。
また夏場に冷房運転をしたときなど、室外と室内で温度差が大きいときは、エアコンの中で水分が発生しやすく、それによってカビが生じてしまいます。
汚いエアコンの弊害1:ハウスダストを部屋中に撒き散らすことに
ホコリやカビがいっぱいの汚いエアコンをそのまま使い続けていると、エアコンにたまったホコリやカビも冷風や温風に乗って運ばれていくことになります。
つまり、部屋中にホコリやカビが撒き散らされている状況になります。
これでは、ハウスダストアレルギーのような症状が誘発される可能性もあります。
汚いエアコンの弊害2:くしゃみ、目のかゆみなどの症状が現れることも
ホコリやカビが浮遊する部屋にいたら、さまざまな体の不調を引き起こすこともあります。
ホコリを吸い込んで風邪のような症状が出てしまったり、カビの菌を体内に吸い込んだことで、さまざまな症状を引き起こす可能性もあります。
「エアコンを使うと、くしゃみが出たり、目がかゆくなったりする…」。もしもそんな症状があるのなら、その原因のひとつはエアコンにある場合も考えらえれます。
汚いエアコンの弊害3:消費電力が上がる
エアコンの内部がホコリなどで汚れていくと、エアコンの中の空気を入れ替える効率が悪くなっていきます。
その分、エアコンを稼動していても、エアコンの効きが悪いと感じたりするかもしれません。
またエアコンの消費電力も上がれば、電気代が多くかかってしまいます。
さらに、そのような状態で稼働を続けていれば、エアコンの故障やエアコンの寿命を短くすることにもつながります。
■自分でできるエアコンの簡単なお手入れ・掃除方法
エアコンの内部の細かい部分まで掃除するのは、業者のようなプロに任せないと難しいですが、自分でできる簡単なお手入れ方法もあります。
一連のお手入れ方法は、10分ほどでできる簡単なステップ。
普段からこのお手入れを続けていくだけでも、エアコンをきれいに使うことができます。
フィルターのお手入れ・掃除方法
まず必要なのはフィルターの掃除。
エアコンのカバーを開けて、中についているフィルターを外す前に掃除機でホコリを吸い取ります。
こうしてからフィルターを外せば、外したときの衝撃でホコリが周囲に舞うことを防げます。
フィルターを外したら、再度掃除機をかけましょう。時間があれば、裏面からシャワーをかけて目にみえない汚れも落とすのがベター。
水洗いだけでは落ちない汚れがあるなら、水で薄めた中性洗剤を使って洗い流すようにしましょう。
洗い終わったフィルターはタオルで水分をしっかり取り除きます。
このとき、フィルターが濡れたままエアコンにつけてしまうと、カビを発生させる原因になるので注意が必要です。
吹き出し口とルーバーのお手入れ・掃除方法
エアコンの風が出てくる吹き出し口とルーバー(吹き出し部分の板)も簡単に掃除しておきましょう。
電源が入ったまま掃除すると故障やケガなどの原因になるので、まずはエアコンの電力を切り、コンセントを抜いてから掃除を始めます。
割り箸にキッチンペーパーや布を巻きつけて輪ゴムでとめて、簡単なお掃除棒を作りましょう。これを使って、吹き出し口についたホコリを除いていきます。
ルーバーを手でやさしく動かしながら、内部にも掃除棒を差し込んで拭いていきます。
室外機のお手入れ・掃除方法
エアコンの室外機の掃除は、表面についた汚れを雑巾などで拭きとります。
室外機の裏側や側面に、「フィン」と呼ばれる薄い金属版があります。このフィンに汚れがついているときは、古い歯ブラシなどで丁寧に掃除しておきましょう。
フィンは少し押しただけでも簡単に変形してしまうデリケートな部品です。多少の変形なら問題ありませんが、大きな変形によって動作不良を起こさないよう、丁寧に扱うようにしましょう。
■エアコンの臭いやカビは、業者にお手入れ・掃除を依頼しよう
普段からエアコンのお手入れをしていても、エアコンをつけると「カビ臭い」と感じたり、「なんだか臭う」と思ったりしたら、それはエアコン内部のクリーニングをするべきサイン。
分解して掃除しないと取り除けないような、奥の方までカビが蔓延している可能性があります。
こうなったら、専門業者にお手入れをお願いすることを考えましょう。
臭いの原因はカビ
エアコンの風に臭いを感じたら、その原因はカビであることがほとんど。
エアコンの内部はホコリがたまりやすく、さらに結露しやすい場所のため、カビにとっては絶好の生育環境です。
またカビ以外では、キッチンから油分を含んだ水蒸気が流れこだり、食べ物の臭いやタバコの煙などが流れこんだりしている可能性もあります。
来客時に臭いを消したい
臭いの素をしっかり落とすためには、業者によるエアコンクリーニングが必要になりますが、急な来客などの際に、一時的に臭いを消す方法をご紹介しましょう。
その方法は、エアコンをつけて、最初の10分間は部屋の窓を開けておくこと。
エアコンの運転をONにすると、エアコンの中のカビが一気に外に放出されますから、これを部屋の外に追い出すようにしましょう。
また窓を開けた状態で、エアコンを高温設定のまま送風運転を1時間以上行うと、エアコン内部が十分に乾き、内部のカビを軽減させることができると言われています。
取れない臭いを元から消す、掃除業者のエアコンクリーニングの相場は?
一時的に臭いを消す方法はあくまでも簡易的な方法であって、臭いの素をしっかり除去するためには、エアコン内部の清掃が必要になります。
一般的な壁かけタイプのエアコンの、専門業者によるクリーニングの相場は、1台あたり1万円前後です。
室外機のクリーニングと室内機のセットは、1台あたり15,000円前後。
どの業者も、2台以上まとめてクリーニングを依頼すると割安になるので、複数台のエアコンがあるなら一緒に掃除をお願いしましょう。
臭いやカビを再発させないお手入れ法
クリーニング後に臭いやカビを再発させないためには、フィルターなどの自分でできる簡単なお掃除を続けることが大切です。
また、冷房運転しているときは、内部に結露が発生してカビが生えやすくなっているため、電源を切るときは送風運転を約1時間して、エアコンの内部をしっかり乾燥させておくと、カビ予防になります。
■自動掃除機能付きエアコンでもお手入れ・掃除は必要
エアコンの中には「自動掃除機能」が付いたタイプのものもあります。
この自動掃除機能付きのエアコンは、名前のせいか「掃除は一切しなくてもOK」と勘違いしやすいのですが、自動掃除機能とはフィルターを掃除する機能のみの場合がほとんどですので、放置するのはNGです。
吹き出し口にホコリがたまっていたら、さっと布で拭いたり、内部のカビをクリーニングしたりといったお手入れはやっぱり大切です。
自動掃除機能付きエアコンのメリット
エアコンのフィルター掃除は、こまめに行えば短時間で終わる作業ですが、高い場所にあるエアコンの掃除はやっぱり手間で面倒と感じる方も多いもの。
エアコンに自動掃除機能がついていれば、普段の手間が省けて家事が楽になります。
自動掃除機能付きエアコンのデメリット
自動掃除機能付きのエアコンは、一般的なエアコンに比べると購入値段が高くなり、掃除するときにかかる電気代も余分にかかります。
また清掃業者によっては、「自動掃除機能付きのタイプは不可」という場合もあるため、依頼できる業者の数が限られるというデメリットもあります。
自動掃除機能付きエアコン「2020年 うるさらX」(ダイキン)
ダイキン独自の無給水加湿技術を応用した「水内部クリーン」を搭載。
結露水を発生させ、ホコリを洗い流し、室内機内部のカビの成長を抑制する機能があります。
睡眠中の眠りの深さや体温変化に合わせて室温をコントロールする「新・おやすみ運転」も搭載。
自動掃除機能付きエアコン「白くまくん Xシリーズ」(日立)
今までお手入れできなかった、熱交換器の奥にあるファンも掃除する機能付き。
通風路やフラップ、フィルター、水受け皿などには、除菌効果があるステンレスを採用しています。
自動掃除機能付きエアコン「AY-L80X2-W エアコン 2020年 L-Xシリーズ」(シャープ )
エアコン本体に無線LANが内蔵され、気象予報と連携した業界初クラウドAIを活用して、使うほどかしこく成長するエアコンです。
高い空気浄化力を発揮する「プラズマクラスターNEXT」も搭載。
自動掃除機能付きエアコン「Eolia(エオリア)Xシリーズ」(パナソニック)
カビ菌や花粉など空気中のさまざまな汚染物質を抑制する、水から生まれた次世代健康イオン「ナノイーX」が高濃度になってパワーアップ。
気象予報と連携して、AIが空気が汚れる前に自動で洗浄します。
自動掃除機能付きエアコン「nocria(ノクリア)Xシリーズ」(富士通)
熱交換器を55℃に加熱して、カビ菌を99%分解・除去、細菌を99%除菌。
PM2.5対応の電気集塵式空気清浄機能「プラズマ空清」も搭載し、お部屋の空気をきれいに保ちます。
エアコンはお手入れしてこそ気持ちよく使えるもの
今回は、掃除をしていない、汚いエアコンを使い続ける弊害や、フィルターや吹き出し口・ルーバー、室外機など、自分でできるエアコンの簡単なお手入れ・掃除方法、業者に依頼すべきカビやニオイ対策やエアコンクリーニングの相場、来客時に一時的にニオイを消す方法、自動の掃除機能付きエアコンのメリット・デメリット、ダイキン・日立・シャープ・パナソニック・富士通の自動掃除機能付きエアコンのおすすめをご紹介しました。
お家で健康・快適に過ごすためには、エアコンの定期的なお手入れはやっぱり大切。
フィルターの掃除は月に1回、業者による内部のクリーニングは年に1回を目安に行うようにするのがおすすめです。
自動掃除機能付きでも、そうでなくても、きれいにお手入れして気持ちよく使いましょう。
- TEXT :
- Precious.jp編集部