「蟹行」の読みは? 意味は? 「蟹(かに)」の入った意外な日本語にビックリ!

美味しそうな蟹を求めて、一路、北へ!…という意味ではありません(笑)。
美味しそうな蟹を求めて、一路、北へ!…という意味ではありません(笑)。

蟹の美味しい季節ですね。この時期、百貨店からスーパーマーケットまで、あちこちで蟹を見かけます。お正月が近づいてくると、新年の御馳走用に、蟹の売り場はますます拡大していきますね。

キノコの特性について言う「香り・松茸、味・しめじ」ということわざがありますが、北海道出身の友人が「姿・花咲、味・毛蟹」とつぶやいていました。いや、筆者は味は松葉蟹が最も好きです。いやいや、やはりタラバ蟹が一番!という方もいらっしゃるでしょう。

…と、ついつい夢中で談義してしまいそうなほど、魅惑的な冬のグルメ食材・蟹。そこで今回は、「蟹」という字の入った意外な日本語を紐解いてまいります。

…というわけで、クイズです。

【問題1】

「蟹行」という日本語の読み方をお答えください。

「○○○○」と読み仮名4文字です。
「○○○○」と読み仮名4文字です。

ヒント:音読みです。

※読み方よりも、実は、意味がとても面白い日本語なのです!

…さて、正解は? 下の画像をスクロールすると答えが!

蟹行
蟹行

正解は… 蟹行(かいこう) です。

単純な音読みです。しかし、言葉の意味が面白いのです!
単純な音読みです。しかし、言葉の意味が面白いのです!

「蟹(かに)」という漢字の音読みは「蟹(カイ)」なので、それさえ知っていれば、なんとなく読めてしまう熟語です。

面白いのは、言葉の意味です。

蟹行(かいこう)」という言葉には、ふたつの意味があります。

一つ目は「蟹のように横に歩くこと。横ばい」です。こちらは文字から容易に想像がつきますね?

面白いのは、もうひとつです。

…というところで、2問目のクイズです。

【問題2】

蟹行(かいこう)」という日本語は、「横ばいの歩き方」のほか、もうひとつ、まったく別のあるモノを意味します。そのモノとは、次のうちのどれでしょうか?

1:運動競技

:グラフ

3:文字

「横ばい」のものと言えば…?
「横ばい」のものと言えば…?

ヒント:明治初期に使われだした表現です。

さて、どれが正解でしょうか? 正解は、画像の下!

日本語、正しく読めますか?
日本語、正しく読めますか?

正解は… 3:文字 です。

「蟹行(かいこう)」の二つ目の意味は「蟹行文字(かいこうもんじ)の略」です。

「蟹行(かいこう)」という日本語は、「蟹行文字(かいこうもんじ)」という言葉の略語でもあるのです。
「蟹行(かいこう)」という日本語は、「蟹行文字(かいこうもんじ)」という言葉の略語でもあるのです。

「蟹行文字(かいこうもんじ)」とはなんでしょう?

「蟹行=蟹のように横に歩く」ですから、「横書きの文字」、つまり、「欧米の文字や文=横文字」を指すのです。

年配の方が、こうおっしゃるのを聞いたことがあります。

「今の人は『衣紋掛け』のことを、みんな『ハンガー』って蟹行(かいこう)で言うのねぇ。孫に『衣紋掛け』って言っても通じなくて、驚いちゃったわ」

「蟹行(かいこう)」と同じ意味で、「蟹文字(かにもじ)」という表現もあるそうです。ネーミング・センスが、なんとも可愛らしいですね。

今回は、「蟹」の入った意外な日本語

・蟹行(かいこう)

のトリビアを紐解きました。

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ILLUSTRATION :
小出 真朱