スーパーなどで買える、好きな市販のビスケットやクッキーをひとつ挙げてと言われたら、「ルマンド」と答える人は多いのではないでしょうか?
今やどこにでも売っている、昔からある懐かしのお菓子であり、高級感もあるので、ちょっとしたお茶うけにもぴったり。幼いころは、特別な日にだけ食べさせてもらった高級お菓子だった、なんていう人もいるかもしれません。
そんな「ルマンド」は、近年「ルマンドアイス」が発売されて話題になり、人気が殺到。またテレビCMでもおなじみの「ルマンド男子」は、新しい流行キーワードのひとつにもなっています。
また手軽にひと口で食べられる「ひとくちルマンド」や、ミニサイズの「ミニルマンドFSキャラメル&ココア」、期間限定の「ルマンドホワイト」など商品展開も増えています。
そんな「ルマンド」の発売当初のお話や、そのほかのブルボンの袋入りビスケットシリーズの命名理由や発売順など、ちょっとしたトリビアをご紹介します。
「ルマンド」は発売当初からすごい人気だった!
まずはブルボンの担当者に、「ルマンド」の発売当初のお話をうかがいました。
「袋入りビスケットシリーズは、高級感のある洋風菓子として開発しました。特に『ルマンド』は、弊社の創立50周年を記念して、1974年(昭和49年)に発売した商品で、幾重にも重ねたクレープ生地を、甘さを抑えたココアクリームで包んだクッキーです」
ブルボンにとって超大型商品となった「ルマンド」。贈答用の高級クッキーとして量産化することにより、最高月商20億円を売り上げる大ヒットとなったそうです。
「ルマンドは発売以後、生産が追い付かず、増産に次ぐ増産の連続でした。生産設備も昼夜兼行で設置するなどし、その後の新工場の建設へつながりました。また、ピーク時には『ルマンド』を求めて問屋さんがトラックを仕立て、工場まで買い付けに来られた…などのエピソードもあります」
ルマンドは未だに人気ですが、発売当初は想像を超える人気度だったようですね!
ルマンドが大ヒットした理由とは?
ところで、なぜ「ルマンド」はここまで大ヒットしたのでしょうか? 担当者にうかがいました。
「他社商品では類を見ない個性的な形状、そして当社が独自に開発した製造技術による繊細なクレープ生地の食感と、甘さを抑えたココアクリームとの調和による高級感のある味わい。その実質価値の高さに加えて、人気のプラスチックフィルム包装のパッケージ形態としたことも、当時は新鮮であったことが、お客様に受け入れられた点ではないかと思います」
ルマンドはさまざまな技術と工夫の結晶により人気を博したようですね。
袋入りビスケットシリーズの命名理由は?
ところで、「ルマンド」をはじめとして、「エリーゼ」「ホワイトロリータ」「ルーベラ」など、袋入りビスケットシリーズの名前はどれも優雅で魅力的。どのように命名されているのでしょうか?
「特定のモチーフはなく、すべて商品イメージによる造語になっています。例えば、『ルマンド』は上質感・高級感のある商品イメージから、スティックウエハース商品の『エリーゼ』は、可憐な少女を連想させるやさしいイメージのネーミングにしました」
最も古い商品は「ホワイトロリータ」だった!
また、ブルボンの袋入りビスケットシリーズのうち、最も古い商品はどれなのでしょうか?
ブルボン担当者によれば、「袋入りのビスケットシリーズで発売年の最も古い商品は、1965年(昭和40年)に発売した、ミルク風味のホワイトクリームクッキー『ホワイトロリータ』です」とのこと!
意外にも、「ルマンド」より古いものがあったようです。それぞれの発売年はこちら。
「ホワイトロリータ」…1965年(昭和40年)発売
「レーズンサンド」…1970年(昭和45年)発売
「ルーベラ」…1972年(昭和47年)発売
「ルマンド」…1974年(昭和49年)発売
「チョコリエール」…1977年(昭和52年)発売
「バームロール」…1978(昭和53年)発売
「エリーゼ(箱入り)」…1979年(昭和54年)発売
「エリーゼ北海道ミルク(袋入り)」…2008年(平成20年)発売
「ホワイトロリータ」をはじめ、「エリーゼ(箱入り)」まで40~55年もの間、ヒットし続けているということになります。
最近のルマンドブームで「ルマンド」が注目を集めていますが、そのほかの袋入りビスケットシリーズの商品も改めて食べたくなりますね。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利
- EDIT :
- 安念美和子、榊原淳