世界中のセレブリティーたちが愛用するオークションハウスSotheby’s (サザビーズ)が運営するオリジナルのジュエリーブランド「サザビーズ・ダイアモンド」をご存知ですか?

2005年に設立後、ビスポークジュエリーを中心に、顧客の求めるジュエリーを提供してきた同ブランドですが、ダイヤモンドの目利きが選ぶダイヤモンドのクオリティーの高さが話題を呼び、世界的に新規の顧客を増やしているといいます。

数あるブランドのなかで、なぜ「サザビーズ・ダイアモンド」に信頼を寄せる人が多いのでしょうか? その真相に迫るべく、「サザビーズ・ダイアモンド」の会長であるパティ・ウォンさんにインタビューしました。

歴史あるオークションハウスが手がけるジュエリーブランド「サザビーズ・ダイアモンド」が支持される理由

パティ・ウォンさん
パティ・ウォンさん
サザビーズ・アジア会長
世界中のサザビーズの重要なオークションにて、20年にわたりアジアの主要なコレクターの代理人を務める。ロンドン、香港を拠点に活躍し、2004年「サザビーズ・アジア会長」に就任。2005年12月に設立された、世界的小売りベンチャー「サザビーズ・ダイアモンド」の会長も務める。
ダイアモンドイヤリングの女性
「サザビーズ・ダイアモンド」ブランドビジュアル

Q. 「サザビーズ・ダイアモンド」のコンセプトを教えてください。

A. ご存知の通り、サザビーズは歴史あるオークションハウスでして、世界40か国に80の事業所があり、ジュネーブ、NY、ロンドン、パリ、香港など9箇所のセールスルームを拠点に活動しています。

ジュエリーオークションの回数は限られており、「来月の記念日に奥さまに何かプレゼントしたい」など、オークションの会期まで待てない、急を要する問い合わせもありますので、年間を通してクライアントに提案できるジュエリーが必要になってきた、というのが「サザビーズ・ダイアモンド」が誕生したきっかけでした。

Q. 「オークションハウスがつくるオリジナルブランド」に対する、お客さんの反応はいかがですか?

A. コレクションのすべてがビスポークということではありませんが、お客さまが希望される「石」を弊社のネットワークで探し、デザインすることも可能です。

「オークションに欲しいダイヤモンドが出品されるか、わからない」「リアルに手に入れたいダイヤモンドを探している」というようなお客さまの悩みに寄り添った提案ができるようになり、とても喜んでいただいております。

オークションはどんなお宝が出てくるか、わからないというスリルも楽しめますが、「来週のパーティーに着けていきたい」「来月の奥さまのバースデーに贈りたい」など、探しているものが明確な時期には、とてもお使いいただきやすいと思いますよ。

ダイヤモンドと女性
「サザビーズ・ダイアモンド」102.34カラットのダイヤモンドのビジュアル

Q. ブランドの特徴を教えてください。

A. 通常のブランドと異なり、「サザビーズ・ダイアモンド」はダイヤモンドの調達・カット・研磨技術で世界をリードしてきた「Diacore(ダイアコア)」とパートナーシップを組んでいるので、原価に近い売値で提供することができるのが特徴です。

お客さまとの関係性も近く、皆さんが探されているダイヤモンドの条件も熟知しておりますので、それに近いものが出るとすぐに確認し、提供することができます。クオリティーの高いジュエリーをよりお手頃な価格で購入したいと考える方には、効率的にご利用いただけると思います。

Q. 制作過程でこだわっていることがあれば、教えてください。

A. とにかく、石のクオリティーにこだわっています。デザインに合わせて石を探すブランドが多いなか、私たちは石に合わせてデザインする、逆の道筋で動いているのです。

「イメージの石が見つからない」などという心配もありませんし、石のサイズや特徴によってその石の魅力を最も引き出すデザインを考えることもできますので、より良い状態で提供できるのでは、と思っています。

また、若いジュエリーデザイナーとコラボレーションしてリクリエーション(再構築)したジュエリーも、多数扱っています。

Q. 代表的なジュエリーを見せていただけますか?

ネックレス
ネックレス「BUTTERFLIES(バタフライ)」【ダイヤモンド×ディマントイドガーネット】

A. 例えばこちらの「BUTTERFLIES’ NECKLACE(バタフライ・ネックレス)」は、150年もの歴史を誇るアンティークショップ、S.J.Phillips(S.J.フィリップス)からアンティークのジュエリーを買い取り、若きジュエリーデザイナーのEliane Fattal(イリアーヌ・ファタール)が再構築した作品です。

アンティークの蝶モチーフの先端に、サザビーズとダイアコアが選んだ大粒のストーンがしなやかに揺れる、他では手に入らない一品です。若い才能が手がけ、新旧の美しさをともに引き出し共鳴させた、現代らしいモダンジュエリーと言えます。

リング
リング「WILD AT HEART(ワイルド・アット・ハート)」【ダイヤモンド×イエローダイヤモンド】

また、19世紀のワイルド・ローズをモダンに再解釈したこちらのリングも、素晴らしく美しいですよ。ローズは愛や崇拝の象徴としてエリザベス女王一世の時代から愛されてきた、特別な紋章でもあり、イギリスのジュエラーや詩人にインスピレーションを与えてきた特別な存在でもあります。

今回は、ベースの花をさらに輝かせるべく、サザビーズのダイヤモンドを、それぞれの花びらの上に配しました。ストーン同士が輝きを放つことで、その魅力を最大限に引き出しています。

Q. 2005年にスタートされて15年ほど経ちますが、変化はありますか?

A. 当初はオークション利用者にフォーカスしていたのですが、弊社はさまざまなカテゴリーを取り扱っているオークションハウスでもありますので、他の美術品を目的に訪れる方をはじめ、徐々に認知度を高めることができました。次第に、ウオークインで立ち寄られる新規のお客さまも増えておりましたが、ターニングポイントは2018年でした。

この年、史上最高級のクオリティーと大きさを誇る102.34カラットのホワイトダイヤモンドが「サザビーズ・ダイアモンド」に登場し、GIA(米国宝石学会)がそれまで鑑定したなかで、最上級のグレードのダイヤモンドを販売したというビッグニュースが、世の中に出回ったのです。

想像を絶するほど高額なダイヤモンドがリアルに売れるという事実が、希少なダイヤモンドをもつことの重要性や価値を改めて確立し、より良いジュエリーを手にすることへの意欲を掻き立てるきっかけ、そして、サザビーズに対する信頼を高めてくれたのです。そのおかげもあって、さらに利用者が増えています。

Q. 利用者の男女比や、購入される上で大事にしているポイントを教えてください。

A. まず、男女比は半々です。女性のお客さまはデザインに惹かれて購入される方が多く、それとは対照的に、男性のお客さまは、すでに他の美術品でお取引されている方々が、多く利用してくださっているという流れもありますので、サザビーズへの信頼から利用してくださっている、という印象です。

日本人のお客さまは、特に購入したいスペックのビジョンを明確にお持ちの方が多く、より上質なジュエリーを求められる傾向にあります。海外へ頻繁にいらっしゃる方ばかりではありませんので、私たちもなるべく日本でのお披露目の機会を設けられたら…と思っています。

Q. 日本からの購入方法を教えてください。

A. 現在、香港、ロンドン、NYの3店舗での展開となりますので、もちろん現地で購入いただくことも可能ですが、オフィシャルのWEBサイト(www.sothebysdiamonds.com/  )からもご相談いただけます。

GIA(米国宝石学会)が付いているので、億単位でも、WEBのイメージを見ただけで購入を決断される方も多数いらっしゃいますよ。不安な方は、サザビーズ帝国ホテル店にお問い合わせください。


今回は、「サザビーズ・ダイアモンド」の会長であるパティ・ウォンさんに、なぜ今オークションハウスが手がけるジュエリーブランドが注目されているのか?をお聞きしました。

素晴らしいクオリティーのダイヤモンドは、コレクターのみならず、世界のキャリア女性からも支持される存在。自分だけの特別なジュエリーに出会いたい…と思ったら、一度ウェブサイトか、帝国ホテル店を訪れてみてはいかがでしょうか?

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PHOTO :
©Courtesy of Sotheby's
EDIT&WRITING :
石原あや乃