「経済白書」「消防白書」はなぜ「白書」? 何が「白」なの?

ホワイトデーは「白」を深掘り!
ホワイトデーは「白」を深掘り!

本日は3月14日、ホワイトデーですね。ホワイトデーといえば、日本では「バレンタインデーにチョコをもらった人から、お返しや返事をする日」という意識で長年親しまれてきました。この日に青春時代の甘酸っぱい思い出をお持ちの、大人の女性も多いのでは?

最近のバレンタインデーは「自分のためのご褒美チョコ」として、素敵なショコラティエの傑作を自ら購入する、という文化も流行っていますから、「ホワイトデーはあまり関係ない」という方も多そうですね?

いいえ、今年も、現在進行形でお返しをいただいたわ!という方、いらっしゃいますか?…うらやましい!

というわけで本日は、ホワイト=「白」に関係する日本語クイズと参りましょう。さっそく1問目です。

【問題1】「科白」ってなんと読む?

「科白」という日本語の読み方をお答えください。

<ヒント>同音異字に「台詞」があります。

<使用例>「あの映画は、ラストシーンで主人公が告白されるときの科白が、たまらなく素敵なのよね!」

「○○○」と読み仮名3文字です。
「○○○」と読み仮名3文字です。

さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 科白(せりふ) です。

素敵な科白の記憶は、ずっと残りますよね?
素敵な科白の記憶は、ずっと残りますよね?

「科白」という漢字を「せりふ」という音で読むのは当て字ではありますが、この読み方になった背景はとてもしっかりしています。

「白」という漢字は「告白」「独白」「自白」というように「話す・語る」ことも意味する漢字です。

「科」という漢字は、中国語では「芝居の動作」を意味しており、「科白」は中国語では「芝居中の役者の動きと語り」を意味します。

「せりふ」という言葉の語源は明確になっていませんが、「競り言ふ」が詰まった言葉である、とか、「世流布(せるふ)」が転化した言葉である、とか、能や狂言に関係する言葉ではないか?など諸説ありつつも、日本では江戸時代ごろから使われている言葉のようです。

「科白(せりふ)」の同音異字である「台詞(せりふ)」は、「舞台詞(ぶたいことば)」の下の二文字が当てられたもので、「せりふの言葉」を意味し、

「科白(せりふ)」は役者の動作と語りの双方を含む言葉、と解釈できるでしょう。

…さて2問目も「白」にまつわるクイズです。

【問題2】「白書」の「白」ってどんな意味?

日本の象徴の刊行物の一種を「白書」と言いますね。「経済白書」「消防白書」など。

「白書」の「白」は、もともと、何を意味しているでしょうか? 以下の選択肢の中から選んでください。

1:告白

2:色

3:人名

政府の刊行物「白書」の「白」はどこからきたでしょう?
政府の刊行物「白書」の「白」はどこからきたでしょう?

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は・・・ 2:色 です。

あまりにもストレートすぎる「白い色」!?なぜ?

統計や資料などの載った「白書」、「告白」など「語る・知らせる」に由来する名称かとおもいきや、なんと、もとになった公式報告書の「表紙の色」が白かったから「白書」なのです。

日本で最初に作成された「白書」は昭和22(1947)年の「経済白書(経済実相報告書)」。当時、英国で内閣が議会に提出する方式報告書を、表紙の色が白いことから「White Paper」と呼んでおり、日本がこれに倣って「白書」という名称を用いたことから、現在に至る…というわけです。

堅い公式文書の呼び名が、まさか「表紙の色」から来た、あまりにもその通りで単純な名称だったとは、ちょっと面白いですよね。

本日は「白」に関連する意外な日本語

・科白(せりふ)

・白書(はくしょ)

のトリビアをおさらいしました。

関連記事

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
ILLUSTRATION :
小出 真朱