贈答品として重宝される高品質な海苔。ギフトとして贈るなら、高級海苔が重宝される由来や、高級海苔の種類、美味しい海苔の選び方を知っておくとよいでしょう。そこで本記事では、高級海苔の種類や選び方を解説。また、東京の老舗海苔店「山本海苔」と「山本山」の違いも紐解いていきます。さらに、最高級佐賀海苔や、おしゃれな高級海苔ギフトのおすすめもセレクトしてご紹介します。
【目次】
- ■贈答品として「高級な海苔」が重宝される由来
- ■高級海苔の種類
- ■美味しい高級海苔の選び方
- ■東京の老舗海苔店「山本海苔店」と「山本山」の違い
- ■海苔ひとすじ!「山本海苔店」
- ■名CMでおなじみの海苔店「山本山」
- ■海苔の最高級品! 佐賀海苔のおすすめ
- ■おしゃれな高級海苔ギフトのおすすめ【2選】
■贈答品として「高級な海苔」が重宝される由来
高級海苔は贈答品として重宝されますが、その理由をご存じでしょうか。それは、かつて海苔が「運草」と呼ばれていたことによります。
海苔が「運草」と呼ばれていた理由は、海苔の収穫量が安定しておらず、「運がよければ穫れる」ものだったため。そのことから縁起物として扱われていたのです。 慶事やお祝いで海苔を贈る際には「この運草(海苔)で、運が訪れますように」と願いを込めるとよい、といわれています。
■高級海苔の種類
海苔の種類には、生海苔、焼き海苔、味付け海苔、青海苔の大きく分けて4つあります。それぞれの特徴を解説していきましょう。
生海苔
生海苔は、アサクサノリやスサビノリなどの海藻で、文字通り生の状態の海苔のこと。この生海苔が、乾燥海苔や焼き海苔、佃煮などの原料となります。
生海苔は、そのまま食べるとコリコリとした食感と、海苔の香り、風味が口いっぱい広がります。ただし、市場に出回ることはほとんどないため、一般の人が味わえることはごく稀です。
乾燥海苔
生海苔を板状にすいて乾燥させたものが乾燥海苔です。乾燥海苔は、「板海苔」とも呼ばれています。 乾燥海苔は赤紫色から黒色をしています。焼くと深い緑色に変化するのが特徴です。
そのまま食べることもできますが、食べる前に自分でさっと炙って食べるのがおすすめ。パリッとした食感と、海苔の風味がしっかり楽しめます。炙りすぎると形が変形したり、苦味が出たりするので注意してください。
焼き海苔
乾燥海苔を焼いたものが焼き海苔です。市販されている多くの海苔はこの焼き海苔で、パリッとした食感と磯の香り、甘みが感じられます。乾燥海苔とは異なり、焼く手間が省けるので便利に使えるのがポイントです。
味付け海苔
味付け海苔は、焼き海苔に味が付けられているものをいいます。多くの場合、砂糖や醤油のタレがついていていますが、最近では、ピリ辛の味付けや、しそ風味、ごま油と塩など、さまざまな味付けのものが販売されています。 味付け海苔はご飯のお供にぴったりですし、お酒の肴にするのにもおすすめです。
青海苔
青海苔は、アオノリ類の海藻を乾燥させたものです。料理にトッピングされる青海苔は、粉砕され、粉状のものが多く流通しています。 控えめな磯風味、香りが特徴的。料理に振りかけたり、天ぷらの衣に入れたりすると、香りがいっそう引き立ちます。
■美味しい高級海苔の選び方
美味しい海苔を選ぶときには、どのようなポイントに気をつければよいのでしょうか? 産地や旬、見た目などからの選び方を解説します。
海苔の名産地から選ぶ!
海苔の名産地は、太平洋側が中心。場所によって味わいが異なります。それぞれの海苔の名産地の特徴をご紹介していきましょう。
有明
有明海は、佐賀県、福岡県、長崎県、熊本県にまたがる湾です。有明海に面する各県では、海苔がつくられています。有明の海苔は、濃厚な旨味、甘み、香りもよく、やわらかく食べやすいのが特徴です。品質に優れているため、贈答用海苔として重宝されます。
瀬戸内海
瀬戸内海に面する近畿地方、四国地方、中国地方でも海苔がつくられています。なかでも代表的な産地は、兵庫県や香川県、広島県です。瀬戸内海でつくられた海苔は、硬めでしっかりとしていて、ツヤがあり、時間が経過しても破れにくいという特徴があります。
東京湾
東京湾の海苔の養殖は、千葉県、神奈川県で行われています。かつては東京都でもつくられていたのですが、昭和37年に生産が終了してしまいました。 このエリアでつくられている海苔の特徴は、香りに優れていること。また、やや硬めのしっかりとした食感が楽しめます。
伊勢湾
伊勢湾でも海苔の養殖が行われています。産地は愛知県と三重県です。伊勢湾は、潮流の早く、木曽三川が流れ込むこともあり、海苔の養殖には最適な環境といわれています。そのため、パリッとした質感と、濃厚な味わいが特徴です。
「新海苔」と呼ばれる旬のものを
海苔にももちろん旬の時期があります。その時期は11月頃で、この頃から海苔の摘み取りがはじまります。ちなみに海苔の摘み取りは、3〜4月頃まで続きます。
この摘み取りはじめの11月頃の海苔は「新海苔」や「一番摘み」、「初摘み海苔」などと呼ばれます。限られた時期にしか穫れないため生産量が少なく、高級品です。やわらかく、風味が格別。そのため、贈り物としても選ばれることの多い海苔です。
色つやをチェック
海苔は、見た目でよさを判断することができます。よい海苔の見た目の特徴は、
・黒々とした色をしていること
・ツヤがあること
・ハリがあること
です。 色は濃いほど、うまみが凝縮されているといわれています。焼き海苔ならば、深い緑色のものを選ぶとよいでしょう。また、ツヤがあり、適度なハリがある海苔を選ぶと間違いがありません。
気になる小穴や酸処理とは
海苔に「小さな穴」が空いているのを見たことがありませんか? これは、虫食いなどではないので、心配する必要はありません。むしろ、美味しさの印なのです。
というのも、こういった小さな穴が空いている海苔は、やわらかい若い海苔を使ってつくられているため、乾燥させたときに縮みが大きくなり、穴が空いてしまうのです。商品には、「○(まる)等級」や「一番摘み」などとパッケージに表示され、販売されています。
また、海苔には酸処理が施されている場合もあります。酸処理とは、汚れの除去や病気予防のため、海苔を網のまま酸の水槽に漬けることです。こうすることで、海苔は汚れが落ち、色つやがよくなりますが、どうしても味や香りは損なわれます。
よって、酸処理をしていない海苔のほうが、味がずば抜けておいしいです。できれば「無酸処理」のものを選ぶとよいでしょう。
■東京の老舗海苔店「山本海苔店」と「山本山」の違い
東京の老舗海苔店には、「山本海苔店」と「山本山」という名店があります。名前は似ていますが、このふたつのお店はまったくの別物。それぞれのお店の違いを説明しましょう。
■海苔ひとすじ!「山本海苔店」
山本海苔店は、嘉永2年(1849年)創業した日本橋室町にあるお店です。特徴は、海苔だけに特化していることにあります。また、味付け海苔を生み出したのも、この山本海苔店です。 社長は山本德治郎氏で、本店は日本橋室町一丁目にあります。店舗はたくさんあり、全国各地のデパートや百貨店に展開しています。
山本海苔店といえば、創業当時から使われてきた「まるうめマーク」が印象的です。このマークの由来は、創業当時、江戸前の海では梅の咲く寒中に上質な海苔が採れたこと。そして海苔が梅の花と同じように香りを尊ぶことに因んでいるのだそうです。
このことから山本海苔店には、「梅」がついた商品が多くあり、それには「梅の花」「紅梅」「梅の友」などがあります。
もみ海苔「梅が香」とは
日本橋にある本店では、毎年「梅が香」を数量限定で販売しています。この「梅が香」は、工場で海苔がつくられる際に、切り落とされた部分を小さな缶に詰めたもの。良質な海苔の切り落としなので、味がよく、お買い得です。
詳細は、山本海苔店のオフィシャルサイトや店頭でチェックしてみてくださいね。
山本海苔店「一番摘み焼海苔 30枚 アルミパック入」
有明海で獲れた海苔でつくられた板のり。口どけが良く、ご飯はもちろんおもちに巻いていただくと、風味がいっそう引き立ちます。
山本海苔店「『梅の花』1号缶焼海苔・味附海苔詰合せ」
焼海苔、味附海苔のセット商品。厳選した上質の海苔を丹念に焼き上げ、一人前ずつパックになっています。「梅の花」は、山本海苔店を代表するのれんの味です。
■名CMでおなじみの海苔店「山本山」
山本山は元禄三年(1690年)に、煎茶商として日本橋の地に創業。戦後から海苔も扱うようになりました。「上から読んでも山本山。下から読んでも山本山」のCMはあまりにも有名です。
本店は、日本橋にあり、店舗は全国のデパート、百貨店に展開されています。現在の社長は、山本嘉兵衛氏です。
山本山「あさくさ 焼海苔・味付海苔 詰合せ S-100」
伝統の技と心に磨き上げられた海苔「あさくさ」は、焼海苔と味付海苔の詰め合わせです。 有明海産の厳選された原料を上品な風味に焼き上げた逸品で、柔らかな口溶けと海苔本来の味わい、そして新鮮な香りが楽しめます。
山本山「山本山 特選 やきのり」
有明海産の海苔を風味豊かに焼き上げています。色・艶・香りの三拍子揃った板のり海苔はどんな料理にも使いやすいのがポイントです。
山本山「バラエティー海苔詰合せ」
焼海苔、味付海苔に、あおじそ・わさび・うめ・ゆずの風味の海苔がセットになっています。色々な味が入っているので大人から子供まで楽しめ、毎日の食卓が楽しくなります。
■海苔の最高級品! 佐賀海苔のおすすめ
生産量、販売額ともに日本一の佐賀海苔。その佐賀海苔のおすすめをピックアップしました。
佐賀海苔とは
海苔の最高級品として知られる佐賀海苔。佐賀海苔がつくられているのは有明海は、多くの河川からのミネラル豊富な栄養塩が流れ込むため、海苔にとって最高の環境。そのため、旨味、栄養が凝縮され、おいしさはもちろんのこと、艶やかな見た目の美しさも併せ持つ海苔ができるのです。
【1】JAさが「佐賀海苔 有明海一番」
「有明海一番」は佐賀のりの中で、厳しい「おいしい海苔の評価基準」をクリアした商品だけにつけられます。評価基準は、うま味のもととなるタンパク質含有量が50%以上、香りレベルが「優」以上、口どけが食感測定値45回以内のやわらかさで、おいしいものであること。
さらには色・ツヤ・形の美しいもの、一番摘みの初物など、それはそれは厳しいもの。数ある佐賀海苔の中でも「有明海一番」を名乗ることが許されるのは、なんと10,000枚に3枚しかありません。文句なしの最高級海苔と言えそうです。
■おしゃれな高級海苔ギフトのおすすめ【2選】
ギフトとして最適な高級海苔は、どなたにも喜ばれます。ここでは、おしゃれな高級海苔ギフトを3つ厳選し、ご紹介します。
【1】江の浦海苔本舗「海苔三昧ダブル」
焼きのり、塩のり、味のりの3種類の板海苔のセット。採れたての海苔をすぐに乾燥し、焼き上げた海苔は、折るとパリンと気持ちよく割れ、艶やかさと張りが特長です。
【2】海産物松村「十六島海苔100%佃煮木箱入り 十六島岩のり」
島根県にある十六島(うっぷるい)で獲れた岩のりの佃煮です。煮込んでもなお残る、海苔のぷりぷりした食感と香りが、美味しさを際立たせています。
高級海苔の条件を満たしたものをギフトに
本記事では、生海苔、焼き海苔、味付け海苔、青海苔といった海苔の種類、高級海苔の選び方をご紹介しました。 また、山本海苔店、山本山、佐賀有明海苔、おしゃれな高級海苔ギフトなど、高級海苔のアイテムもセレクトして掲載しています。
白いご飯に欠かせない海苔は、高級品を味わいたいもの。自分で味わうときにも、ギフトとして贈る際にも、高級海苔の条件である、黒々とした色・ツヤ・ハリや、名産地などをポイントにセレクトしてみてください。
*紹介した商品の価格はすべて税込みです。
- TEXT :
- Precious.jp編集部