時計は、男にとって数少ないアクセサリー。スマートフォンなどで瞬時に時間がわかるようになっても身に着けていたいと思うし、そういう意味では数あるファッションアイテムのなかで、もっともラグジュアリーな部類に入る。だから、服や靴と同様、しっかりケアすることも忘れないでおこう。

機械式時計なら、数年に一度のオーバーホールは必須だ。使っているうちに付いた外装の小傷は研磨処理で目立たなくすることもできるが、機能に影響がなければそのままでもいいだろうし、研磨を好まない方も少なくないはず。特にスポーツウォッチでは、経年変化で無二の個性を宿したもののほうが人気だったりもする。

好みの問題ではあるけれど、美しく堅牢なケースに収まった、精緻な機械の象徴が光り輝いている様を眺めていると、針が動いていても時を忘れてしまう。少しでも長くそうありたいと願うなら、時計全体をコーティングしてはいかがだろう。今春登場した「クリスタルガード・クロノアーマー」は、安心して使え、確実に効果が得られる逸品だ。

掃除とコーティングがひと手間で完了

「クリスタルガード・クロノアーマー」(30ml・¥3,000・税抜)は、アメリカのコズメズ社が開発した自動車用コーティング剤を日本で取り扱う、大阪のコズメズ社が製造元。販売元は海外の時計等を扱うオールージュ。
「クリスタルガード・クロノアーマー」(30ml・¥3,000・税抜)は、アメリカのコズメズ社が開発した自動車用コーティング剤を日本で取り扱う、大阪のコズメズ社が製造元。販売元は海外の時計等を扱うオールージュ。

最近は、専門店などでスマートフォンなどのガジェットに、傷から守るコーティングを施すメニューがあるのはご存じのことと思う。だが、時計の場合は内部に複雑な部品を内蔵していることや、技術の進化で様々な素材をメーカーが独自に加工処理しているため、樹脂やオイルなどを含むコーティング剤を使用すると、錆つきや酸化の恐れがある。

その点、「クリスタルガード・クロノアーマー」はそうした成分をいっさい含んでおらず、安心して使える。しかも洗剤(界面活性剤)を含まないクリーナー成分を採用し、掃除とコーティングが自分の手で同時にできるのだ。

使い方は写真とキャプションをご覧いただきたいが、

「とにかく簡単!」

そのひとことに尽きる。液剤をクロスに吹き付け、時計全体にまんべんなく塗り伸ばす。そのあとクロスの乾いた部分で汚れとともにコーティング剤をふき取ると、もうそれだけで深みのある艶が出てくる。

繰り返し塗布することで被膜が強固に!

「クリスタルガード・クロノアーマー」の効果を試すために、小誌スタッフが私物の時計で実験。時計好きならご存じの、セイコー・ジウジアーロモデルだ。ただし2018年に再復刻されたものではなく、一度目の復刻版。つまり20年使用しており、塗装のはがれや擦り傷は多い。特に目立つのが、盛り上がったドーム風防の深い傷だ。果たして少しはマシになるのか?

傷が目立たなくなり艶を増すのは、「クリスタルガード・クロノアーマー」の塗布によって、時計の表面に鉛筆高度9Hもの、ミクロのガラス被膜が形成されるためだ。しかも、定期的に塗布ことで被膜がより平滑に、強くなるという。新品の時計を購入してすぐに塗布し、それを継続していけば、擦り傷がつきにくくなる。

もちろん使用感のある時計でも十分な効果が得られる。すでに付いた細かな傷は被膜の形成で平滑になり、上品な輝きを放つ。効果が得られないのは、水分を吸う布や皮革などで、金属、ガラス、カーボンファイバー、プラスチックはOK。金属素材のなかでは、表面硬度が低い(やわらかい)ゴールドやプラチナで大きな保護能力を発揮する。

編集スタッフが自前の時計やアクセサリーでテスト!

時計表面の油分を取り除いたうえで、「クリスタルガード・クロノアーマー」をマイクロファイバークロスに4~5プッシュ吹き付ける。
時計表面の油分を取り除いたうえで、「クリスタルガード・クロノアーマー」をマイクロファイバークロスに4~5プッシュ吹き付ける。
時計全体に塗り伸ばす。このとき、強くこすらないように注意。研磨剤ではなくコーティング剤だという意識を忘れずに。
時計全体に塗り伸ばす。このとき、強くこすらないように注意。研磨剤ではなくコーティング剤だという意識を忘れずに。
塗布に使ったのとは別の乾いたクロスでコーティング剤をふき取る。このときも、強くこすらないように。
塗布に使ったのとは別の乾いたクロスでコーティング剤をふき取る。このときも、強くこすらないように。
写真ではわかりにくいが、ケースが明らかに黒光りしている。プラ風防の深い傷を目立たなくすることは叶わなかったが、全体に透明度が増加。照明の反射がまぶしい! 
写真ではわかりにくいが、ケースが明らかに黒光りしている。プラ風防の深い傷を目立たなくすることは叶わなかったが、全体に透明度が増加。照明の反射がまぶしい! 
ブレスも黒がね色に輝いている。撮影後、日をおいて3回繰り返したが、ケースとブレスの輝きは増す一方。これなら、まだしばらく愛用できそうだ。
ブレスも黒がね色に輝いている。撮影後、日をおいて3回繰り返したが、ケースとブレスの輝きは増す一方。これなら、まだしばらく愛用できそうだ。

写真のスポーツウォッチ(ステンレスとプラスチック素材)のほか、小誌スタッフは1960年代のゴールドプレート(厚めのゴールドメッキ)が施された時計にも試した。結果、小傷がやや目立たなくなり、鈍い輝きが驚くほどまばゆくなった。また、プラ風防は透明度が増し、みずみずしい印象に。

一番年代の新しい時計(といっても1990年代後半製造の、ステンレス&ホワイトゴールド素材)は、ブレスの下側の、テーブルなどに接触する頻度の高いバックルのみ、傷を目立たなくすることはできなかった。それを除けばショウケースに陳列してもおかしくないほどの輝きを得ることができた。ガラス風貌は透明度が明らかに増し、手触りもより滑らかに。また、ホワイトゴールド製のケースならびにべゼルのピラミッドカット、ジュビリーブレスの中列は光の反射が強烈で、ジュエリーを身に着けているような気分だ。

調子に乗って手持ちのジュエリーにも塗布してみたが、ピンクゴールド素材のブレスレットは銅成分の赤みが増し、ますます艶やかに。ホワイトゴールド素材のリングは、シルバーとは明らかに異なるリッチな輝きを得た。また、使っているうちに硫化銀によって黒ずみが発生するシルバー素材については、現在ブレスレットに繰り返し塗布し、被膜形成による硫化防止が得られるか確認中だ。

自宅にいる時間が長いいまこそ、愛用の時計をしっかり手入れするチャンス。「クリスタルガード・クロノアーマー」を重ね塗りして、外出が楽しめる日を待とう!

問い合わせ先

オールージュ

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