「億劫」ってなんと読む? どんなこと? 由来を知ると…ちょっと意外!
本日、6月29日は『ビートルズ記念日』…1966年のこの日に、ビートルズが初来日した日です。
日本武道館で3日間・5回の公演を行いましたが、日本滞在中の103時間にパニックや暴動を避けるために動員された警察官の人数が、延べ約8400名。補導された少年少女が約6500人、という大フィーバーだったようです。
ビートルズ人気はもちろん日本だけではなく、世界規模。彼らのレコードやCDの売り上げ枚数は、全世界で、少なくとも6億枚以上だと言われています。日本の人口の5倍以上の数になるので(笑)、壮大過ぎてイメージしにくいですね。
ということで本日は「億」という漢字のスポットを当てたクイズです。
【問題1】「億る」ってなんと読む?
「億る」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「見当をつける。臆測する」という意味の言葉です。
<使用例>「当たるかどうかはともかく、まずは億ってみること自体に意味があると思うわ!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 億(おしはか)る です。
「億」という字は、人偏(にんべん)と、「心」「考え」などの意味を持つ「意」という字が合わさってできています。もともと「人がいろいろと考え、思いをめぐらす=億(おしはか)る」という意味合いの成り立ちであり、数の単位である「億(おく)」という意味のほうが、後付けになります。
「億(おく)」は今では具体的な数の単位ですが、もとは「きわめて多い」という意味があり、漢字のなりたちから、もとは「人が考え付く限りの大きな数」というような意味だったのではないか?とも言われています。
というところで、2問目のクイズです。
【問題2】「億劫」ってなんと読む?
「億劫」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「面倒くさくて気が進まないようす」という意味の言葉です。
<使用例>「雨が降っていると、お買い物に出るのも億劫だわ」
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 億劫(おっくう) です。
おっくう」という発音から、方言や擬態語などとカン違いしている方もいらっしゃるようですが、「億劫(おっくう)」はもともと仏教用語です。
「億劫」の「劫」という漢字、「未来永劫(みらいえいごう)」という四字熟語にも出て来ますよね?
「永劫」は「永遠」の類似表現で「果てしなく長い年月」という意味で、「劫」という漢字にも「きわめて長い時間」という意味があるのです。
「億劫」は「劫=きわめて長い時間」が「億=きわめて大きな数」ほどある状態、つまり「果てしない、考えつかないほどの長い時間」を意味し、仏教用語では「時間が長すぎてやりきれない気持ち」を表現していました。
それが口語に転じて「(すごく時間がかるほど)面倒に感じるので、やる気が起きない」という意味に変化したのです。
もとは壮大なスケールの言葉であった「億劫」が、「やる気が起きない」という意味に変わってしまうとは!ちょっと笑ってしまいますね。
本日は『ビートルズ記念日』にちなんで、「億」という漢字の意外な読み方
・億(おしはか)る
・億劫(おっくう)
をおさらいしてみました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱