リモートワークが増えている今だからこそ、おすすめしたいリラックスチェア
在宅勤務やリモートワークが増え、外出を自粛せざるをえないなか、さまざまな要因で睡眠障害をもつ人が増えています。また、生活と仕事の場所が同じ為、ダラダラと休憩も取らずに働き続けてしまうということも。
これからの新しい生活様式を整えるために、ご自宅のワークスペースを見直している方も多いのではないでしょうか? 私がおすすめしたいのは、仕事の合間にちょっとした休憩がとれる椅子をリビングに置いてみることです。
横にならずに20分程度の仮眠をとることは、仕事の効率を上げる効果があると厚生労働省も推奨しています。さらに、ひとりで動かせる大きさや重さの椅子であれば、その日の気分で模様替えもでき、座ってくつろいだときに見える景色が変わります。
見慣れた自宅の風景を、新鮮な気持ちで何度も楽しめたら素敵ですよね。もちろん、座っている姿が美しいことも重要です。
メリハリをつけて働くためにも、お家時間を楽しむためにもピッタリの椅子として、本記事では、スウェーデンの老舗ベッドメーカー、DUXIANA(デュクシアーナ)の回転椅子「ジェットソン」の魅力をご紹介します。
身長156cmの私が実際に見て・触って・座った体験レポートとともに、「ジェットソン」にまつわるバックストーリーもご覧ください。
浮遊感のあるソフトな座り心地を楽しめる「ジェットソン」
「ジェットソン」のフレームは不純物が少なく高品質で有名なスウェーデン鋼(※)からつくられていて、特有の弾力性があります。座るとフレームから吊り下げられたシート部分が、お尻から腰と背中にかけて優しく包み込んでくれます。
座った人の動きに敏感に反応してフレームがしなるので、はじめのうちは通常の椅子と異なる「動きのある感覚」に、正直違和感が……。ところがその感覚に慣れてくると、まるで空中に浮いているかのように感じ、そのソフトな座り心地に魅了されました。ハンモックに座っているような感覚と似ています。
軽やかに回転するシートは360度回ります。どの向きで立ち上がっても元の位置へゆっくりと戻るオートリターン機能を備えているのが便利。小さな床面積に設置できるコンパクトな脚の形状が機能的です。
キャンバス地でできたシート本体の上には、ボタン留めが印象的なベッドパッドのようなシートが、巻き込むように留められているのも特徴。膝裏や肘の当たりもソフトで、よりリラックスできるのです。
シートの色は、キャメルのほか、ブラックと50周年記念のパールカラーの3色展開。ブラックのみ、キャンバス地部分がナチュラルカラーと黒の2タイプがそろいます。
ぜひ知っておきたい!「ジェットソン」にまつわる3つのバックストーリー
■1:1960年代に想像した「100年後の未来的生活」にインスパイアされたデザイン
どことなく未来的なたたずまいが独特の「ジェットソン」は、1962~63年に放映されたアメリカの人気テレビアニメ「The Jetsons」から名前をとったものです。
日本でも「宇宙家族ジェットソン」と放映され、人気を博した同アニメは、当時の100年後の未来、2062年のジェットソン家の普段の暮らしを描いたものでした。
電話の代わりにホログラム、宇宙を飛び回る車、ロボットのお手伝いさんが登場するなかに、宙に浮いているような椅子も出てきます。その椅子に直接インスパイアされたかどうかは不明ですが、肘の反り返り具合や角度やプロポーションが、よく似ています。
デザイナーのブルーノ・マットソンがスウェーデン鋼に魅せられ、「ジェットソン」の無駄のない構造の美しい彫刻的な椅子を開発するには、3年もの月日がかかったといわれています。1969年にストックホルムの展示会で発表されて以来、現在も世界中で愛されている普遍的なデザインです。
■2:ノーベル賞受賞者に至高の寝心地を提供する、老舗ベッドメーカー「デュクシアーナ」
「ジェットソン」を製造しているデュクシアーナは、1926年創業のスウェーデンの老舗ベッドメーカーです。
同社は、ノーベル賞受賞者とその家族が宿泊することで知られるストックホルムの「グランドホテル」や、ドバイの通称「7つ星」ホテル「ブルジュ・アル・アラブ」といった高級ホテルで採用されるなど、90年以上にわたり世界的に高い評価を得ています。
デュクシアーナは、自国スウェーデンで採取されるスウェーデン鋼をばねに用いた連続ワイヤー相互接続スプリングシステムを発明。ショールームでぜひ体験してほしいのですが、やわらかいのに沈まないという独自の浮遊感は、唯一無二の寝心地でした。
三層で構成される最上部のスプリングは「肩部」「腰部」「脚部」ごとに、異なる硬さのカセットを組み合わせ可能。これによって、寝心地の好みや加齢による体の変化に応じてカスタマイズできる「パスカルシステム」を独自開発しました。創業当時から現在も研究が続き、日々進化しているというから驚きです。
スウェーデンは世界トップ20に入る鉄鉱石の生産国。医療器具をはじめ、過酷な耐久性を求められるさまざまなシーンで活用されるスウェーデン鋼によるばねは、堅牢で衰えないため、20年保証をつけるというのも品質への自信と誇りがうかがえます。
■3:日本にも馴染みのあるスウェディッシュデザインの巨匠、ブルーノ・マットソン
「ジェットソン」を生み出したブルーノ・マットソンは、北欧家具の巨匠デザイナーのひとり。1907年、スウェーデン南部のベーナムーで、キャビネットメーカーの家に6代目として生まれました。
幼いころから家業を通じて木材の特性と技術的知識を身につけ、大学では建築を学びました。親から受け継いだ自らの家具工場で、自分でデザインしたものを自分でつくって販売した企業家でもあります。
1960年代から70年代にかけて、ブルーノ・マットソンとデュクシアーナは、スウェーデン鋼を用いて、創造的なコラボレーションを行いました。「ジェットソン」もそのひとつなのです。
また、マットソンは1974年に日本を訪れ、畳と日本人の体形に合う椅子をデザインするために、山形の天童木工で制作に取り組みます。そのときにデザインしたものが「Mシリーズ」と呼ばれる連結してソファにできるイージーチェアです。
【記事はこちら】和テイストの北欧デザインでリラックス「天童木工のマットソンソファふたりがけ」
同じく1974年には「スカンジナビアデザイン賞」を受賞しており、1981年にはスウェーデン政府より「プロフェッサー」の称号を授与されます。
マットソンのデザインは、素材の特性を生かしきり、機能的で軽く美しいのが特徴です。住む人にライフスタイルの変化に合わせた、模様替えの自由を与えてくれているとも考えられますよね。冬が長くお家で過ごす時間が長いスウェーデンの住宅で長年愛されている理由がわかります。
今回は、スウェーデンの名品「ジェットソン」をご紹介しました。ぜひ一度、この至福の浮遊感を味わってみませんか?
問い合わせ先
- DUXIANA (デュクシアーナ)銀座ショールーム
- 営業時間/12:00~19:00
- 定休日/水曜
- TEL:03-3535-3235
- 住所/東京都中央区銀座1-9-6 1F
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- TEXT :
- 土橋陽子さん インテリアエディター
公式サイト:YOKODOBASHI.COM