9月になっていよいよ、秋の美術展シーズンが到来! 2017年はひときわ日本美術に関する大型美術展が目白押しで、今からワクワクの思いになってきます。

中でも大・大・大注目は、「国宝」に関わる美術展が2つもあることです。

国宝200点を一堂に集めた、41年ぶりの大展覧会!

まず最初に紹介したいのは、京都国立博物館で10月3日から開催される「特別展覧会『国宝』」(11月26日まで)。日本が世界に誇る宝物=国宝が約200点が一挙勢ぞろい(建造物を除いた全国宝のうち、実に約4分の1が集結)! あの教科書で見た、おなじみの国宝の数々を一度に見られるなんて、こんな貴重な機会は二度とないでしょう。

10月3日から京都国立博物館平成知新館で開催される「国宝」展。41年ぶりの大展覧会で、今から話題沸騰!

たとえば、いちばん小さい国宝でもある『金印』(福岡市博物館)、縄文のビーナスの異名をもつ『土偶』(茅野市尖石縄文考古館保管)、さらにはこれも日本史の教科書”常連”の『伝源頼朝像』(神護寺)。そして人気の雪舟の国宝指定された水墨画、全6点がすべて展示されるということで、大きな話題になっているのです。

人気の美術様式=琳派(りんぱ)の名作中の名作、尾形光琳の『燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)』が、関西地区で初めて公開されることにも注目です。そもそもこの尾形光琳の代表作は、18世紀に京都で描かれたものですが、大正時代に根津美術館の所蔵となってからはずっと東京にあり、関東でのみ公開されてきました。日本美術史上も、世界の美術史においても大変重要なこの作品が、100年ぶりに京都に里帰りするというわけですから、関西の皆さんにとって見逃せない展覧会となること、間違いなしです。

約100年ぶりに京都に里帰りする琳派の名作『燕子花図屏風』。関西初展示で、行列必至か!?(『和樂』2017年10・11月号より)

ま、何はともあれ、日本美術史を代表する作品がすべて登場する! そう思って間違いない、大・大・大・大・大展覧会なのです。

仏像ファン必見! 運慶のスーパーリアリズム彫刻

さて、もうひとつは9月26日から東京国立博物館平成館で開催される「興福寺中金堂再建記念特別展『運慶』」(11月26日まで)。平安末期から鎌倉期にかけて大活躍した天才仏師運慶と、運慶一門の仏師集団「慶派」の作品を一堂に集めた、初の大規模展覧会です。

運慶作の名作『毘沙門天立像(びしゃもんてんりゅうぞう)』(国宝 願成就院)も出展。(Precious2017年10月号より)

運慶といえば、一番有名なのは東大寺南大門の『金剛力士立像』(国宝 運慶、快慶他)。もちろんこれは持ち出すことができないほど超巨大ですが、そのほかにも代表作がいっぱい。

たとえば、最高の仏教彫刻といわれる興福寺の『無著菩薩立像(むじゃくぼさつりゅうぞう)』(国宝 運慶作)、力強い肉体美とひょうきんな表情で人気の『龍燈鬼立像(りゅうとうきりゅうぞう)』(国宝 康弁作 興福寺)、なんともあいらしい『八大童子立像(はちだいどうじりゅうぞう)』(国宝 運慶作 金剛峯寺)などなど、超スーパーリアリズムな仏教彫刻の数々は、見仏ファンでなくても、心をわしづかみにされるはずです。

話題の週刊誌『週刊ニッポンの国宝100』のすごい中味

ところで…なぜ、この秋「国宝」にこんなに注目が集まるのか? 実は、今年は「国宝」という言葉が誕生してから120年の記念の年なのです。

「国宝」という言葉は、明治30年(1897年)に制定された、「古社寺保存法」という法律の中で出てきた言葉です。

明治維新のころ、日本中を吹き荒れた廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の嵐によって、多くの貴重な文化財が破壊されました。その反省に立って、文化財の保護と調査を目的とした「古社寺保存法」が誕生したのがこの年。

つまり、文化財を大切に守り、国の宝と考えることの起源が、120年前にあったわけで、そのことをもう一度思い出し、意識し、国宝の大切さに着目しようという動きが今、日本中に起ころうとしているのです(ちなみに、現在の法律で、国宝指定に関わっているのは「文化財保護法」で、この第27条に「世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるもの」と国宝を定義しています。だから国宝は、私たち日本人全員のものだと思いたいですね)。

9月5日創刊の『小学館ウイークリーブック 週刊ニッポンの国宝100』。豪華付録もついて、なんと定価500円(税込)!

さて、手前味噌になりますが、弊社=小学館でもこの記念すべき国宝イヤーに、国宝をテーマにした大型の出版物を出します。

『週刊ニッポンの国宝100』は、斬新な切り口で、国宝の魅力を多角的にご紹介。これは阿修羅像のお顔をすべて原寸で見せたページ。なんだか新鮮!

9月5日創刊の『小学館ウイークリーブック 週刊ニッポンの国宝100』がそれです。毎週2つの国宝を、50週にわたって紹介していきます。1年間で100の国宝の素晴らしさを知ることで、今世界で注目されている日本美術のすべてが理解できるように編集されています。

同じく『週刊ニッポンの国宝100』創刊号から、世界の名宝と国宝を比較研究したページ。異文化とくらべることで、いっそう国宝のありがたみがわかるから不思議!

「国宝」というと、何か高尚な気がする人もいるかも知れませんが、「国宝をもっと身近に!」「国宝って面白い!」と思えるコンテンツがいっぱいの、楽しい週刊誌になっています。

創刊号は、豪華なトラベルケースも付いて、なんと500円! アンドリューが動画にてその中味をご紹介しましたので、是非とも書店にてお買い求めいただきますよう、よろしくお願いいたします。

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この記事の執筆者
自称大阪生まれ、イギリス育ち(2週間)。広島大学卒(たぶん本当)。元『和樂』公式キャラクター。好きなもの:二上山、北葛城郡、入江泰吉、Soho Squre、Kilkenney、Hay-on-Wye、Mackintosh、雨の日、Precious、Don’t think twice, it’s all right.