【目次】

【「山の日」とは? 「意味」や「祝日の趣旨」をわかりやすく解説】

■「山の日」の「意味」「趣旨」は?

「山の日」は、毎年8月11日に定められている「国民の祝日」です。

日本では「国民の祝日に関する法律」(昭和23年法律第178号、以下「祝日法」)により、年間16日の「国民の祝日」が設けられ、祝日は休日とされています。

では、「山の日」にはどのような意味があるのでしょうか。祝日法では、その趣旨を「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」と定めています。

国土の大半を山が占める日本では、水や森林資源、美しい景観など、私たちの暮らしはさまざまなかたちで山の恵みに支えられています。「山の日」は、登山やレジャーを楽しむだけの日ではなく、身近な山や自然に目を向け、その恩恵について改めて考える日でもあるのです。

■「山の日」が誕生した理由は?

「山の日」は、2014(平成26)年の祝日法改正によって新設が決まり、2016(平成28)年から設けられた、現在最も新しい「国民の祝日」です。

制定の背景には、「山と共存してきた日本で、改めて山に親しみ、その恩恵に感謝する機会を設けよう」という考えがありました。内閣府も、「日本の国土の大半が山であり、私たちが日々多くの山の恩恵を受けて暮らしていること」を、制定の背景として説明しています。

また、8月11日は多くの人にとって夏休みやお盆休みに近い時期。大人も子どもも山に親しみ、自然について考える機会になることも期待されていました。


【2026年の「山の日」はいつ? 8月11日(火)は祝日 】

2026年の「山の日」は、8月11日(火)です。「山の日」は「国民の祝日」のひとつ。なので、官公庁などは休日となります。

では、「山の日」は毎年8月11日なのでしょうか? 「成人の日」や「海の日」のように、年によって日付が変わる祝日との違いも確認しておきましょう。

■「山の日」は毎年8月11日

国民の祝日は、それぞれ日付の決まり方が異なります。

たとえば、

  • 「元日」は1月1日、「こどもの日」は5月5日と、日付が固定されている祝日

  • 「成人の日」は1月の第2月曜日、「海の日」は7月の第3月曜日と、特定の月曜日に定められている祝日

  • 「春分の日」「秋分の日」のように、法律では具体的な月日が固定されていない祝日

などがあります。

「山の日」は、このうち日付が固定されている祝日。祝日法で「8月11日」と定められているため、曜日は変わっても、原則として毎年8月11日が「山の日」となります。

ちなみに2026年は火曜日。日曜日と重ならないため、振替休日はありません。

■なぜ夏休みやお盆に近い8月11日なの?

「山の日」が設けられる際には、多くの人がお盆休みや夏休みを過ごす時期であることも考慮されました。上述のとおり、内閣府によれば、「大人も子どもも、こぞって山に親しみ、山を考える日」になることが期待されていたのです。

確かに8月11日といえば、子どもたちは一般的なお盆の時期を目前にした夏休み真っただ中。登山やハイキング、キャンプなど、家族で自然に触れる機会をつくりやすい時期といえるかもしれません。

■2026年はお盆休みとつなげられる?

2026年の「山の日」は8月11日(火)。そのため、8月10日(月)に休暇を取っていれば、8月8日(土)から4連休にすることもできます。

さらに、お盆休みの日程は企業によって異なりますが、8月13日(木)以降がお休みになる場合には、8月12日(水)にも休暇を取ることで、山の日からお盆休みまでつなげやすいカレンダーです。


【「山の日」はいつから始まった? 国民の祝日になった理由】

上述のとおり「山の日」が国民の祝日として始まったのは、2016(平成28)年です。ただし、「山の日」を新設する法律が成立したのは、その2年前の2014(平成26)年。つまり、2014年に制定され、2016年から施行された祝日です。

■「山の日」ができるまで

「山の日」制定に向けた動きが本格化したのは2010(平成22)年。山岳関係者らによって「『山の日』制定協議会」が設立され、「山の日」を国民の祝日にしようという活動が進められました。

その後、地方自治体や民間企業、学術団体などにも賛同の輪が広がり、2013(平成25)年には「全国『山の日』制定協議会」へと発展。同じ年には、超党派の国会議員による「山の日」制定議員連盟も発足しました。

そして2014(平成26)年5月、「国民の祝日に関する法律」が改正され、8月11日を「山の日」とすることが正式に決定。法律は2016(平成28)年1月1日に施行され、その年の8月11日に初めて「山の日」を迎えました。

■なぜ「山」のための祝日がつくられた?

日本は国土の大部分を山が占める「山の国」です。森林は水を蓄え、土砂災害を防ぎ、多様な生き物を育むなど、私たちの暮らしをさまざまな面から支えています。

こうした山の恵みを改めて見つめ、山と共存・共生していくことの大切さを考える機会をつくろうというのが、「山の日」が国民の祝日になった大きな理由です。

祝日法に定められた趣旨は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」こと。必ずしも登山をする日というわけではありません。山の景色を眺めたり、森林や水の恵みに思いを馳せたりすることも、「山の日」らしい過ごし方といえそうです。


「山の日」はなぜ8月11日? 「日付の由来」と決まった経緯

「山の日」は毎年8月11日ですが、実はこの日付に、山にまつわる歴史的な出来事があったわけではありません。現在の8月11日に決まるまでには、いくつかの検討と変更がありました。

■当初の候補日は「8月12日」だった

「山の日」の制定を進めた超党派の「山の日」制定議員連盟は、2013(平成25)年10月、まず8月12日を候補日とする案を発表しました。

制定法案が審議された国会では、8月13日から15日ごろのお盆休みにつなげやすいことが、8月という時期を選んだ背景のひとつとして説明されています。また、「多くの国民がお盆休み、夏休みでもあるこの期間に、大人も子どもも、こぞって山に親しみ、山を考える日」とする狙いもありました。

■8月12日から「8月11日」へ変更された理由

ところが、8月12日は、1985(昭和60)年に日本航空123便墜落事故が起きた日です。事故現場となった「御巣鷹の尾根」がある群馬県上野村などから異論が出たことを受け、日付は再検討されることになりました。

環境省の「山の日制定の背景」によると、2013年11月7日に8月12日案の再検討が行われ、同月22日の議員連盟総会で「8月11日」を候補日とすることが了承されています。その後、2014年に祝日法改正案が成立し、正式に8月11日が「山の日」となりました。

■「8」と「11」の形が山や木に見えるから、は本当?

「8を山の形に見立て、11を木が並ぶ姿に見立てた」といった説を目にすることもあります。しかし、祝日法や制定時の国会審議、公的な制定経緯には、こうした数字の形を8月11日の由来とする説明はありません


「山の日」が生まれたのは「海の日」がきっかけ? 制定までの歴史

「海の日があるなら、山の日もあっていいのでは?」――実は、そんな発想も「山の日」誕生を後押しした大きなきっかけのひとつでした。

ただし、「山の日」をつくろうという動きそのものは、「海の日」が誕生するよりずっと前から始まっています。

■「山の日をつくろう」という声は1960年代から

全国山の日協議会によれば、1961(昭和36)年、富山県の立山で開かれた登山大集会で「山の日をつくろう宣言」が行われたという記録があります。

その後も各地で独自の「山の日」を設ける動きが広がり、山梨県をはじめ、広島県や大阪府、岐阜県、群馬県などでも「山の日」にちなんだ取り組みが行われるようになりました。

■「海の日」の祝日化が「山の日」を後押し

大きな転機のひとつとなったのが「海の日」の誕生です。「海の日」は1995(平成7)年の祝日法改正によって新設され、1996(平成8)年から国民の祝日となりました。

そして2008(平成20)年には、作曲家の船村徹氏が新聞に「山の日をつくろう」と題するメッセージを寄稿。「山と川と海はつながっている」という考えのもと、「海の日」があるのに「山の日」がないのはおかしいと祝日制定を訴えました。全国山の日協議会によれば、この呼びかけは、日本山岳会がその後、制定運動に取り組むきっかけのひとつになったとされています。

■山岳5団体から国会へ。祝日制定の動きが本格化

2010(平成22)年には、日本山岳会など山岳5団体による「山の日」制定協議会が発足。全国への啓発活動や国会議員、自治体への働きかけが本格化します。

さらに2013(平成25)年には、超党派の国会議員による「山の日」制定議員連盟が発足。100名を超える衆参両院の議員が参加し、祝日化に向けた検討が進められました。

こうした長年の活動を経て、2014(平成26)年5月に祝日法が改正。8月11日を「山の日」とすることが決まり、2016(平成28)年から国民の祝日としてスタートしました。


「山の日」が日曜日なら振替休日になる? 祝日のルールを解説

毎年8月11日の「山の日」。「日曜日と重なったらどうなるの?」と気になる人もいるでしょう。結論から言えば、「山の日」が日曜日にあたった場合は、振替休日が設けられます。

■「山の日」が日曜日なら振替休日に

「国民の祝日に関する法律(祝日法)」では、「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日よりあとで最も近い「国民の祝日」ではない日を休日とすると定められています。これが、一般に「振替休日」と呼ばれるものです。

たとえば、8月11日の「山の日」が日曜日で、その翌日の12日(月)がほかの祝日ではない場合、12日が振替休日となります。

実際、2024年は8月11日の「山の日」が日曜日だったため、翌日の8月12日(月)が振替休日となりました。

■振替休日は必ず「翌日の月曜日」とは限らない

ここで覚えておきたいのが、振替休日は単純に「翌日の月曜日」と決められているわけではないこと。

祝日法では、日曜日に当たった祝日のあとにある、最も近い「国民の祝日」ではない日を休日とするとされています。そのため、翌日も国民の祝日であれば、さらにその次の日が休日になるケースもあります。

「日曜日の祝日=翌月曜日が振替休日」と考えがちですが、正確には「その祝日よりあとの、最も近い祝日ではない日」と覚えておくとよいでしょう。

■2026年の「山の日」に振替休日はある?

2026年の「山の日」、8月11日は火曜日です。そのため、2026年は「山の日」に伴う振替休日はありません。

ちなみに、内閣府が公表している2026年の祝日・休日一覧でも、8月11日(火)が「山の日」とされ、その翌日の8月12日(水)は休日とはされていません。

お盆休み直前の祝日だけに、旅行や帰省の予定を立てる際には、その年の曜日とあわせてチェックしておきたいですね。


「山の日」を英語で言うと? 「Mountain Day」の意味

日本の「山の日」は、英語では「Mountain Day(マウンテン・デー)」と表現します。日本政府の在外公館などでも、「山の日」の英語表記として「Mountain Day」が使われています。

■「山の日」は英語で「Mountain Day」

「mountain」は「山」、「day」は「日」という意味なので、「Mountain Day」は文字どおり「山の日」。祝日の名称として使う場合は、「Mountain Day」とそれぞれの単語の頭文字を大文字にするのが一般的です。

たとえば、「8月11日は日本の山の日です」と英語で説明するなら、

August 11 is Mountain Day in Japan.
(8月11日は日本の「山の日」です)

と表現できます。

「山の日」は日本独自の国民の祝日なので、外国の人に説明する場合には、単に「Mountain Day」と伝えるだけでなく、その意味をひと言添えるとわかりやすいでしょう。

■「山の恩恵に感謝する」は英語でどう説明する?

祝日法で定められた「山の日」の趣旨は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」こと。

英語で簡単に説明するなら、たとえば、

Mountain Day is a Japanese national holiday for appreciating mountains and the benefits they bring.
(山の日は、山と山がもたらす恩恵に感謝する日本の国民の祝日です)

と表現できます。

「山の日」は、単に登山を楽しむための休日というわけではありません。山や森林、水など自然から受けている恵みに改めて目を向ける日――そんな日本ならではの祝日として紹介すると、その意味まで伝わりやすいですね。

■なぜ「Mountains Day」ではなく「Mountain Day」?

日本にはたくさんの山があるので、「Mountains Day」では? と思う人もいるかもしれません。しかし、祝日の名称として一般的に使われているのは「Mountain Day」です。

英語では、名詞を別の名詞の前に置いて「○○の~」という意味をもたせる場合、前の名詞を単数形にすることがよくあります。「Mountain Day」も、「特定のひとつの山の日」というより、山という存在や文化全体をテーマにした日と考えるとわかりやすいでしょう。

ちなみに「海の日」は「Marine Day」。日本の祝日について英語で話す機会があったら、あわせて覚えておくと会話のちょっとした話題になりそうです。


「山の日」に知っておきたい豆知識|富士山の日や登山の日も紹介

8月11日の「山の日」のほかにも、日本には山にまつわるさまざまな記念日があります。「富士山の日」や「登山の日」など、知っているとちょっと誰かに話したくなる豆知識をご紹介しましょう。

■2月23日は「富士山の日」

「富士山の日」は、2月23日。「2(ふ)・2(じ)・3(さん)」の語呂合わせで覚えやすいですね。

富士山を擁する静岡県では2009(平成21)年、山梨県では2011(平成23)年に、それぞれ条例によって2月23日を「富士山の日」と定めました。富士山について理解と関心を深め、その自然や景観、歴史、文化を後世へ引き継いでいくことなどを目的としています。

「富士山の日」は国民の祝日ではありません。ただし現在、2月23日は「天皇誕生日」という国民の祝日にあたるため、休日です。

■10月3日は「登山の日」

秋にも山にちなんだ記念日があります。10月3日は「登山の日」です。

日付の由来は、10を「と」、3を「ざん」と読んだ「と(10)ざん(3)」の語呂合わせ。日本山岳ガイド協会の前身である日本アルパイン・ガイド協会によって提唱されました。

8月11日の「山の日」が、山に親しみ、その恩恵に感謝する「国民の祝日」であるのに対し、「登山の日」は登山そのものに親しみ、安全な登山について考えるきっかけとなる記念日です。

■「山の日」が8月11日でなかった年もある!

「山の日」は毎年8月11日と定められていますが、実は過去には例外もありました。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に伴う特例措置によって、2020年は8月10日、2021年は8月8日に「山の日」が移動しました。2021年は8月8日が日曜日だったため、翌9日は振替休日となりました。

***

「山の日」は2016年にスタートした、まだ比較的新しい国民の祝日です。8月11日になった背景には、お盆休みとの関係や、当初候補だった8月12日から変更された経緯がありました。2026年の「山の日」は8月11日(火)。祝日の由来まで知っておけば、夏のちょっとした会話のネタにもなりそうですね。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /内閣府「『国民の祝日』について」 /衆議院「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律第43号) /環境省「第1回『山の日』記念全国大会」関連資料「山の日制定の背景」 /公益財団法人 全国山の日協議会「趣意書・沿革」 /静岡県「『富士山の日』制定趣旨、条例 /文化庁「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」 / 在スイス日本国大使館「2026年休館日」 :
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