ベーシックカラーである「グレー」と「ベージュ」、その2色の「いいところ」を受け継いで命名された色「グレージュ」の服やバッグ、靴、ファーアイテムは、身につけるだけで知的で気品のあるオーラで包んでくれるため、40代、50代の大人の女性にぴったりな色です。ラグジュアリーマガジン『Precious』は創刊して14年になりますが、この色を使ったコーディネートはその間ずっと、読者からの人気コーディネートアンケートで、上位の地位を占めてきました。グレーでもない、ベージュでもないあいまいさが、大人の女性の気品や品格を感じさせてくれる「グレージュ」。Preicious.jpでは、過去のPrecious掲載記事も振り返りながら、このグレージュという色がもっている力、大人の女性に授けてくれる品格を、シリーズでお届けしていきます。まずは「グレージュのもつ4つの魅力」を紐解くところから。

■1:グレージュとは…大人が着こなしに求めていた「媚びない女らしさ」が表現できる色

写真左上から時計回りに/2008年12月号(撮影:浅井佳代子)、2009年11月号(撮影:中込一賀)、2009年11月号(撮影:中込一賀)、2006年11月号(撮影:熊澤 透)
写真左上から時計回りに/2008年12月号(撮影:浅井佳代子)、2009年11月号(撮影:中込一賀)、2009年11月号(撮影:中込一賀)、2006年11月号(撮影:熊澤 透)

『Precious』創刊当初、「グレー」と「ベージュ」はそれぞれ、魅力的な定番色として登場していました。なかでも、2006年11月号「秋の配色美人化計画」特集では、グレーとベージュのアイテムを合わせたときの魅力を「ソフトな女らしさが漂う大人配色」と語っています。

その後、2008年12月号での「グレーを重ねる」特集では、色調の違うグレー同士をつなぐ色としてグレージュが使用され、まろやかグラデーションが誕生。そして、2011年10月号「おしゃれの新色”グレージュ”」特集から、単独での企画が始まりました。グレージュは、日本人の黄み肌になじみ、知性と優しさが漂う理想の色として、確立していったのです。

■2:グレージュでは…洗練されたコーディネートも、マネがしやすく簡単につくれる!

左から/2016年12月号(撮影:小池紀行)、2011年10月号(撮影:佐藤 彩)より、凛と知的なスカートスタイル
左から/2016年12月号(撮影:小池紀行)、2011年10月号(撮影:佐藤 彩)より、凛と知的なスカートスタイル

シンプルなアイテムのコーディネートでも、洗練された印象を与えてくれるのが「グレージュ」のパワー。左の白いスカートの着こなしは、2016年12月号で「読者の好きなコーディネート」ランキング1位に選ばれたもの。その理由として、「色合わせがよく、シンプルだけどマネしやすそう」という意見が多く寄せられました。

左から/2013年10月号(撮影:佐藤 彩)、2011年10月号(撮影:佐藤 彩)より、ラフすぎないパンツスタイル
左から/2013年10月号(撮影:佐藤 彩)、2011年10月号(撮影:佐藤 彩)より、ラフすぎないパンツスタイル

グレージュの「ナチュラル」な色味は、どんな着こなしにも取り入れやすく、重ねても失敗しにくいのでチャレンジしやすいのも魅力です。さらに、ベージュほど膨張して見えないためレイヤードスタイルも大胆に楽しめ、グレーよりも女性的でやわらかい印象になれるところも、グレージュの特徴のひとつだといえます。

■3:グレージュは…大人の女性がもつ奥深い魅力を、品よく表現してくれる

写真左上から時計回りに/2013年10月号(撮影:ササキヨシヒロ)、2016年12月号(撮影:水田 学)、2007年2月号(撮影:熊澤 透)、2016年12月号(撮影:水田 学)
写真左上から時計回りに/2013年10月号(撮影:ササキヨシヒロ)、2016年12月号(撮影:水田 学)、2007年2月号(撮影:熊澤 透)、2016年12月号(撮影:水田 学)

「グレージュ」の醸し出すオーラは実に多彩。写真左上の、シャツで水色を加えたコーディネートの場合は、グレージュのスーツスタイルを軽やかに見せています。写真中央上のパンツルックは、2016年12月号の読者の好きなコーディネートで「知的でエレガント!」という理由から、2位に選ばれたもの。カジュアルなスタイルでありながら、グレージュとネイビーから放たれる聡明なオーラ…美しいたたずまいが完成します。

写真中央下のモデルの場合、グレージュがピンクのスカートの甘さを抑え、洗練された女らしさ、現代的な優雅さを演出しているのがご覧いただけるかと思います。グレージュの服はどんな色とも相性がよく、さらに差し色を投入することで、女性のさまざまな魅力を引き出してくれるのです。

■4:グレージュは…カジュアルを品よく仕上げたい。そんな理想をかなえる色

写真上から/2013年10月号(撮影:ササキヨシヒロ)、2009年11月号(撮影:戸田嘉昭)、2016年12月号(撮影:戸田嘉昭)
写真上から/2013年10月号(撮影:ササキヨシヒロ)、2009年11月号(撮影:戸田嘉昭)、2016年12月号(撮影:戸田嘉昭)

大人にふさわしいカジュアルスタイルを完成させるには、最愛ブランドの名品を取り入れることが近道! 写真上のモデルのように、ニット&パンツのリラックスした着こなしも、フェンディのバッグやサングラスを合わせることで、都会的な印象に。エルメスの「ショルダー・ケリー」(写真左)は、その色味もさることながら、おだやかな艶のカーフレザーも魅力。グレージュの美しさを最大限に高めてくれます。

左から/2016年12月号(撮影:佐藤 彩)、2017年2月号(撮影:唐澤光也)
左から/2016年12月号(撮影:佐藤 彩)、2017年2月号(撮影:唐澤光也)

またブランドだけでなく、ファーやカシミアなどのリッチな素材がもつ華やかさも強い味方。グレーやベージュの服を使った着こなしが野暮ったく見える?と感じたときは、ブランドや上質な素材の力を借りましょう!

 

以上、ラグジュアリーマガジン『Precious』のグレージュ企画の歴史を振り返りながら、その4つの魅力をご紹介してきました。取り入れやすいのに、身につけるだけで知的で気品のあるオーラで包んでくれる、大人の女性にふさわしい色のグレージュ。ぜひ、秋冬コーディネートの参考にしてみてくださいね。

Precious10月号「人が素敵に見える色、それはグレージュ」
¥850(税込) 2017年9月7日発売
【内容紹介】季節の変わり目の「洗練レザーアウター」/「フラット靴」でエレガンスはかないますか?/働く大人の「おしゃれの悩み」Q&A/「顔老化」すぐに効く「若返り術」雑誌「Precious」を購入する
PHOTO :
唐澤光也
STYLIST :
大西真理子
EDIT&WRITING :
岡本治子、下村葉月、世古京子・遠藤智子・望月琴海(Precious)
RECONSTRUCT :
難波寛彦