新型コロナウイルス感染症の防止のため、働き方が見直され、在宅勤務に移行した方も少なくないかと思います。そんな中、在宅勤務では、今までの会社勤務とは違う疲労やストレスが出てきたと感じている人もいるのではないでしょうか。
そこで、リカバリーアドバイザーの福田英宏さんに、疲労回復のポイントをお聞きしました。
在宅勤務で蓄積される疲労の原因とは
家にいるだけでは「休養」になっていない!?
在宅勤務では、仕事向きでないデスクやイスで長時間仕事をしなければいけなかったり、仕事に集中できなくてイライラすることが多くなったり、通勤する必要がなくなり運動不足になったり、気分転換もうまくできなかったり……。
そういった会社勤務では感じなかった、仕事以外での疲労がよりのしかかっている人も多いかもしれません。
感染症を防止するために在宅勤務をしているのに、疲労やストレスが蓄積して心身が不健康になってしまっては意味がないですよね。
「健康には、『運動』『栄養』『休養』と3つの大きな要素があって、そのバランスが大切なんです。運動や栄養を意識して生活している人は多いと思いますが、それに比べて、休養は軽視されています。
特に在宅勤務だと、家にいることで安心してしまい、休養していると勘違いしてしまいがちです。しかし、実情は夜ふかしをして生活リズムが崩れている人が多く、きちんと休養ができていないかと思われます。
『休養』は疲労やストレスと関連があり、ふたつの側面があるんです。ひとつは『休む』こと、つまり仕事や活動によって生じた心身の疲労を回復し、元の活力ある状態に戻します。ふたつ目は『養う』こと、つまり明日に向かっての鋭気を養い、身体的、精神的、社会的な健康能力を高めるという側面です」(福田さん)
このような「休養」を達成するためには、「なぜ人は疲れるのかをまずは知ってもらいたい」と福田さんは話します。
疲労は体で感じているのではなく脳で感じている
実は、疲労は体で感じているのではなく、脳で感じているのだそう。
「運動すると疲れるのも、脳が疲れているからです。運動をすると、体内に活性酸素という酸化ストレスが増えます。体温が上がり、心拍数が増え、自律神経細胞や筋肉が活性酸素に攻撃され、自律神経の中枢にかかる負荷が増えるんです。
自律神経は、呼吸、消化吸収、血液循環、心拍数といった生体機能を調整している神経です。しかし、意思でコントロールすることが不可能で、24時間フル稼働している神経です。 その自律神経に負荷がかかると、結果、脳が疲れて、体が疲労を感じてしまうんですね」(福田さん)
また、自律神経には、運動している時や緊張している時、おもに日中に活発になる「交感神経」と、リラックスしている時や休んでいる時、おもに夕方から夜に活発になる「副交感神経」があります。
このふたつがうまくバランスを取りながら働いているおかげで健康は保たれていますが、このバランスが崩れると心身に不調をきたします。
「例えば、在宅勤務で起こりがちな、全身のだるさや、頭痛、肩こり、腰痛、不眠などです。これらは『自律神経の乱れた状態』で起こる症状です。
現代人は交感神経が多く働きがちです。なので、不調が出てしまいます。これをバランスのよい正常な状態にしてあげることが疲労回復につながります。結果、リカバリー(休息、回復)がとても重要なんです」(福田さん)
「交感神経が働きがちかどうか」を以下のリストでチェック!
□物事はキリのよいところまでやらないと気が済まない
□責任感があり、完成度を上げるためなら残業も苦にならない
□趣味で夜更かしをしがち
□集中すると周りが見えなくなる
□カフェインをよく摂る(コーヒー、エナジードリンク)
□屋外で過ごす時間が長い
□毎日運動しないと気が済まない
□体を動かすことがストレス解消になる
□お風呂は熱め(42度以上)が好き
これらは交感神経が働きがちになる行動なので、5つ以上当てはまる人は要注意です。より意識して「休養」をとるようにしなければ、疲労がどんどん蓄積されてしまいます。
疲労回復につながる5つのポイント
■1:質のいい睡眠をとる
「疲労回復に一番効果的なのは睡眠です」と福田さんが話す通り、睡眠は脳と体が休息できる大事な時間。さらに、記憶の整理・定着、情動の整理、ホルモンバランスの調整、免疫力を上げる、脳の老廃物を取るなど、生活するうえで、重要な役割を担っています。
「睡眠不足に陥ると、体調不良やメンタル面での不調が出てくるので、それが原因で、仕事のパフォーマンスも低下します。
必要な睡眠時間の目安は、一般的に30歳が約7時間、40歳が約6.5時間と言われています(※出典:年齢別睡眠時間の目安/東洋羽毛工業ピヨ丸ぐっすり.com)」(福田さん)
しかし、ただ寝るだけでは疲労回復につながらないそうです。
「睡眠は、量より質がとても大事です。眠りには『ノンレム睡眠(深い眠り)』と『レム睡眠(浅い眠り)』のふたつがあり、睡眠中はそれが交互に4、5回繰り返しでやってきて、朝になり、レム睡眠のタイミングで目覚めるというのがリズムになっています」(福田さん)
ノンレム睡眠とレム睡眠は90分の周期で繰り返されますが、その中で一番大切なのが、最初のノンレム睡眠。いかに自律神経の副交感神経を優位にした状態で眠りにつくのかが大切になるそう。
「眠る状態により、その日の睡眠の質が違ってくるからです。最初のノンレム睡眠でいかに深いレベルの眠りまでいけるか。深い眠りに達すると、成長ホルモンの分泌や新陳代謝、免疫力を上げることができるようになります。ここで浅い眠りの状態でしか眠れないと、なかなか疲労が回復しづらい状況になります。
この時間帯は『黄金の90分』と言われています。なので、その深いノンレム睡眠をとるために、寝始めてからの3時間は連続で寝続けないといけない大事な時間です」(福田さん)
副交感神経を優位にした状態で眠るには、以下のポイントが大切です。
・筋トレなどの激しい運動を直前にしない
・カフェインを含む飲み物を飲まない
・寝る1時間前は部屋の明かりを少し落とす(できれば寝室を暖かい系の光に変える)
・スマートフォンやテレビ、パソコンを寝る1時間前には見ない
これらを意識すると深い眠りにつくことができるそうです。
■2:お風呂にゆっくりつかるのも効果的
お風呂には、浮力でリラクゼーション、水圧で血流促進、温熱で自律神経をコントロールをする効果があるので、脳と体をリラックスさせる効果があります。
「疲労を感じている時は、寝る90分前までに、38度から41度くらいのぬるめの湯ぶねに15分くらいつかるようにしましょう。お風呂から出たあとは、体温もちょうど下がって、眠りにつきやすくなります」(福田さん)
90分前に入浴することは、睡眠の質を高めることにもつながるそうです。
「また、入浴剤を使うのもおすすめです。私のイチオシは、『エプソムソルト』が入っているものです。『エプソムソルト』は、『塩(食塩)』ではなく、『硫酸マグネシウム』の結晶です。
保温・保湿効果があり、皮膚からミネラル(マグネシウム)補給もできるほか、デトックス効果もあるので、むくみが和らぎ、疲労回復にも効果があります。神経が落ち着くので、副交感神経が優位にもなりますよ」(福田さん)
■3:リカバリーウェアを着用する
着るだけで疲労回復や安眠ができる「リカバリー(疲労回復)ウェア」もおすすめだそうです。
「疲労回復を促す鉱物を練り込んだ繊維でつくったウェアがあるって知っていますか? 着るだけで筋肉の緊張をほぐして血流を促進させ、疲れも軽減されるので、アスリートはもちろん、ビジネスパーソンや主婦らの一般の方々にも利用者が増えているんですよ」(福田さん)
福田さんおすすめのリカバリーウェアがこちらです。
シリカやトルマリンなどの数種の天然鉱石の混合体「プラウシオン®」をコーティングしたパジャマ「リフランス」です。着用するだけで、鉱石が発する遠赤外線が、副交感神経に作用して、安眠や疲労回復を促します。
ふんわり3重ガーゼなので、やわらかくて肌にやさしく、通気性も抜群で、快適な着心地。
「着るだけでなく、肩にかけるだけで肩甲骨の可動域が広がったり、腰に巻くだけで腰の筋肉がほぐれ前屈が深くできたりと、カラダの変化をすぐに感じられますよ」(福田さん)
■4:首から腰にかけての背中の筋肉をほぐす
「首から腰にかけての背骨あたりに自律神経が多いんです。なので、筋膜リリースができるローラーやストレッチポールなどで、背中をほぐすと血流が促進されて疲れがとれます」(福田さん)
福田さんおすすめのアイテムはコチラ!
「ウェーブストレッチリングは、体の下に敷いたり、体をゆすったりしながら、肩や背中、腰などのコリほぐしやストレッチができるのでとても便利です」(福田さん)
適度に体を動かせるので、いいリフレッシュにもなりますよ。
■5:休みの日をあえて積極的に過ごす
最後は、「養う」こと。鋭気を養い、身体的、精神的、社会的な健康能力を高めることも、時には疲労回復になるのだそうです。
「休みの日にゴロゴロしていても疲労は回復しません。それよりも、趣味やスポーツ、ボランティア活動など、自分の好きなことや興味を持っていることのために積極的に過ごしてみてください。
また、長い休暇を取り、家族といる時間を増やしたり、旅行などをして心身を調整するのもよいと思います。
汗をかく、笑う、楽しい気分になることもリフレッシュにつながり、自分を見つめる大事な時間にもなります。休みの日だけでなく、毎晩、趣味の時間をつくる、自分のことを考える時間をつくるなどでもよいです。
ポジティブな思考で将来のために準備をすることが、明日の心身の健康につながり、疲労回復、そして真の休養になるんです」(福田さん)
自分の心がけ次第で疲労が回復できるなら、こんなにうれしいことはないですよね。今回ご紹介したことを習慣にすれば、疲労が蓄積してダウンという事態を回避できて、活力に満ちた毎日を過ごせるかもしれません。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 宮平なつき
- EDIT :
- 小林麻美