これまでに経験したことのない、世界レベルのパンデミックに見舞われた2020年。外出を控えて静かに立ち止まると、見えてきた世界には、これまでとは異なる価値観が生まれつつありました。
そんな中、雑誌『Precious』編集部は、新しい時代が求めるファッションの「名品」とは何か?について、最新1月号の「ニューノーマル時代の『新名品』」特集を通して深く考え抜きました。その特集の中で、生き方やおしゃれに共感を集める素敵な女性たちに、今の暮らしの中で「名品がどうあるべきか」をインタビューしました。
この記事では、その特集の中から、モデルの冨永愛さんからうかがった、暮らしやよそおいの変化についてご紹介します。
「美しい時計を自分のために。今こそおしゃれのパワーを感じたい!」
「10年ぶりに復帰したパリコレクションから帰国すると、程なくしてパリはロックダウン。東京でも撮影は中断し、リモート取材やコラムの執筆をこなしながら、読書や料理、犬の散歩などをして過ごしました。
撮影再開に備えて、そして仕事でおしゃれができないことで下がり気味なモチベーションを上げるためにも、ていねいにスキンケアをして、トレーニングで体を整えていました。
モデルの仕事は、美しく新しい服とのたくさんの出合いがあり、まとうことが喜びでもあります。でも、それがままならないこと。さらには外に出かけるためにきちんと支度をして、おしゃれをする機会をなくしてしまったこと…。
私にとってあたりまえと思っていたおしゃれが、どれだけ心を高揚させていたのか、どれほど気持ちをシャンと引き締めてくれていたのか、改めて気づいたのです。『ファッションって、いいな』と。
『名品』についていえば、そう呼ぶにふさわしい、数えきれないほどのハイブランドの服にそでを通し、肌で感じてきた経験から、パーティや慶弔ならこれ、打ち合わせならこれ、コートなら…といったふうに、シーンやアイテムに応じたお気に入りはたくさんあります。
そしてそんななかから、クリスマスにはいつも、ふだんなかなか手の届かないアイコニックなバッグやジュエリーといった小物を中心に、ご褒美として自分に贈ってきました。
今年はカルティエの2連ブレスレットウォッチ『パンテール ドゥ カルティエ』を検討中。言わずと知れた名品ですが、3月に訪れたパリのヴァンドーム広場で、工事中の壁を覆う大きな広告を見たのが心に残り、以来、想いを強くしてきました」
「これまではマニッシュなフェースの時計が多かったのですが、今はなぜか繊細で女らしく、華やかなブレスレットウォッチに、心惹かれるのです。
この時計ならクラシックさのなかに圧倒的な洗練があり、パーティはもちろん、Tシャツとデニムにさりげなく合わせるだけで、モチベーションが上がる気が。厳しい状況は続きますが、お気に入りの名品があれば、また新しい一年も頑張れそうです。
年齢を重ねて、こうした名品がやっと無理なく自分に似合うようになりました。
確かに高価なものですが、背景にある生産地の環境づくりや、職人の気の遠くなるような手仕事を思えば、納得できますし、修理をしながら大切に使いたくなるもの。なによりこれから思い出を一緒に積み重ねていけるのがうれしいのです。こんな今だからこそ、自分を元気に、心豊かにするおしゃれの力を信じたい! と思っています」(冨永さん)
※掲載した商品は、すべて税抜です。
※文中の表記は、YG=ホワイトゴールドを表します。
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- PHOTO :
- 浅井佳代子、下村一喜(冨永愛さん)
- STYLIST :
- 小倉真希
- HAIR MAKE :
- 三澤公幸(3rd)
- MODEL :
- 立野リカ(Precious専属)
- EDIT&WRITING :
- 藤田由美、小林桐子(Precious)