2020年も師走に入り、厳しい寒さとともに「冬至(とうじ)」も近付いてきました。しかし、冬至とは、具体的にどんな日なのでしょうか? 今回の記事では、2020年の冬至の期間をはじめ、冬至がどんな日なのかなど、冬至にまつわる素朴な疑問をわかりやすく解説します。また、冬至に行われる伝統行事や冬至かぼちゃをおいしく食べられるレシピをご紹介。さらに、冬至が持つスピリチュアルな意味合いもチェックしてみました。

■2020年冬至の期間はいつからいつまで?

本格的な冬の訪れを告げる「冬至(とうじ)」には、期間があることをご存じですか? ここでは、2020年の冬至の期間や例年の冬至はいつごろなのか、冬至の日の出や日の入りは何時ごろになるのか、わかりやすく解説していきます。

2020年の冬至は12月21日から翌年1月4日まで

冬至とは、地球から見た太陽の通り道である黄道上で、太陽の黄経が270度になる時刻を指します。2020年は、12月21日(月曜日)の19:02が冬至です。また、この時刻を含む当日も冬至と呼びます。

さらに、春夏秋冬の季節を約15日ずつにわけた暦の二十四節気では、2020年の冬至は12月21日(月曜日)から2021年1月4日(月曜日)までとなります。

例年の冬至はいつごろ?

例年の冬至は、いつごろになるものなのでしょうか? 冬至がいつになるのかは、毎年、国立天文台から発表されますが、12月21日か12月22日のどちらかになります。

冬至の日の出・日の入りは何時ごろ?

冬至の日の出・日の入りは何時ごろ?
冬至の日の出・日の入りは何時ごろ?

それでは、冬至の日の出や日の入りは、何時ごろになるのでしょう? その年や地域によっても違いがあり、2020年の東京と大阪を見た場合、東京の日の出が06:47、日の入りが16:32です。大阪の日の出は07:01、日の入りが16:51になります。

■冬至ってどんな日のこと?

そもそも冬至とは、一体どんな日のことをいうのでしょうか? ここからは、冬至の説明をはじめ「二十四節気(にじゅうしせっき)」や「夏至(げし)」との関係性をわかりやすく説明していきます。

冬至は年間で昼間が一番短い日

冬至とは、1年間の中で最も昼間が短い日のことです。北半球では、冬至に太陽の位置が最も低くなり、日照時間が最も短くなります。この日を境に太陽の位置が高くなり始め、日照時間も長くなっていきます。

冬至は二十四節気のひとつ

冬至は「二十四節気」のひとつになります。二十四節気とは、古代中国から日本に伝わった暦といわれ、太陽の公転周期を基に1年間を24の季節にわけた名称のことです。春分、秋分、立冬なども二十四節気の中にある季節を表す暦になります。

夏至は冬至の反対?関係は?

夏至(げし)も冬至と同じ二十四節気であり、暦の名称になります。冬至と反対に、夏至は1年間の中で最も昼間が長くなる日です。ちなみに2020年の夏至は6月21日(日曜日)、来年2021年の夏至も6月21日(月曜日)になります。

■冬至に行われる伝統行事

1年で最も日照時間が短い冬至。ここからは、そんな冬至に行われる日本の伝統行事をご紹介します。風邪の予防や運気アップ、語呂合わせが由来となった行事などがあるようです。

ゆず湯に入る

ゆず湯に入る
ゆず湯に入る

冬至の伝統行事といえば「ゆず湯」です。柚子を使ったゆず湯は、血行促進作用や保温性が高まるといわれているため、風邪予防のサポートが期待できます。また「柚子=融通」「冬至=湯治」といった語呂合わせから、「ゆず湯に入って、融通良く暮らしましょう」という説もあるようです。

しかし、本来は、柚子を使ったお風呂に入り、邪気を祓うといった意味が込められているとされています。

「ん」のつくものを食べる

冬至に、縁起をかついで「ん」のつくものを食べることを「運盛り」といい、運を呼びこめるといわれています。運盛りの中でも「ん」が2回つく食べものを「冬至の七種(ななくさ)」といいます。「南京(なんきん:かぼちゃ)」、「蓮根(れんこん)」、「人参(にんじん)」、「銀杏(ぎんなん)」、「金柑(きんかん)」、「寒天(かんてん)」、「饂飩(うんどん、うどん)」が冬至の七種です。

中でも有名なのは、やはり「南京(なんきん:かぼちゃ)」。次の章では、冬至にかぼちゃを食べる理由をご紹介していきます。

■冬至かぼちゃをおいしく食べよう

冬至の食べ物といえば、最初にかぼちゃを思いつく人も多いはず。しかし、どうして「冬至=かぼちゃ」なのでしょうか? ここでは、冬至にかぼちゃを食べる意味や由来、そして冬至かぼちゃを使ったレシピをご紹介します。

冬至かぼちゃとは

冬至かぼちゃとは

冬至かぼちゃとは、冬至に体調を崩さないため、また、運気を高めるために食べるかぼちゃのことです。ビタミンAやカロチンといった栄養素が豊富なうえに、長期保存が可能なかぼちゃは、冬の風邪や中風(脳血管疾患)予防をサポートしてくれるといわれています。また、南瓜(なんきん)とも呼ばれるかぼちゃは、冬至の七種のひとつにも数えられます。

冬至かぼちゃのレシピ「冬至かぼちゃのあずき煮」

寒い時期だからこそ、冬至かぼちゃを使った体も心も温まる料理を食べてみたくなります。少ない食材、しかも短時間で簡単に調理できる冬至に最適な「冬至かぼちゃのあずき煮(いとこ煮)」のレシピです。

材料

【4人分】
かぼちゃ:1/2個
あずき(缶):150g
砂糖:大さじ1~2
塩:小さじ2
しょうゆ:小さじ1
料理酒:大さじ2

作り方

1.種を取ったかぼちゃを大きめにカット
2.かぼちゃの皮を下にむけ、鍋に並べる
3.水と料理酒を加え、フタをして5分~6分ほど煮込む
4.あずきと各調味料を加え、さらに7分~8分ほど弱火で煮込んだら完成

ポイント・コツ

かぼちゃをラップに包み、電子レンジで2分ほど加熱すれば、切りやすくなります。煮込みすぎてしまうと、かぼちゃが煮崩れするために注意が必要です。砂糖の量は、お好みの味で調節してみるのもよいでしょう。

■冬至のスピリチュアルな意味合い

もともと冬至は、運気の流れが上昇する日だといわれてきました。冬至を過ぎると少しずつ日が長くなるため、冬至の日を陰の極みと捉え、冬至の次の日から陽に転じていくと考えられていたのです。これを「一陽来復(いちようらいふく)」と呼び、冬至から運が上向きになると伝えられています。

さらに2020年の冬至付近から、エネルギーや時代が大きく変わるともいわれています。ここからは、そんな冬至のスピリチュアルな意味合いを見ていきましょう。

2020年の冬至付近から「風の時代」に切り替わる!

2020年の冬至は12月21日(月曜日)ですが、その翌日、12月22日(火曜日)は、西洋占星術で「グレート・コンジャンクション」と呼ばれる日になります。グレート・コンジャンクションとは、幸運の星・木星と試練の星・土星が重なる現象で、2020年はそれが風の星座・水瓶座で起こります。

加えて、2020年のグレート・コンジャンクションは、約240年続いた「地の時代」から「風の時代」へと切り替わる日といわれています。風の時代になれば、豊かさの価値観が物質的なものから精神的なものにシフトチェンジすると考えられているようです。

神社にお参りする

神社で参拝をすることも、冬至のスピリチュアルな行事といえるのではないでしょうか。この日は「冬至祭」を催す神社が多く、特に埼玉県の「与野の一山神社(よののいっさんじんじゃ)」が開催する「ゆずまつり」の中の「火渡り」が全国的に有名です。火渡りとは、火焚(ひたき)神事のあと、参列者が素足でその上を渡る行事で、2020年の穢れを祓い、2021年の無病息災と家内安全を祈願するために行われます。

また、東京都の「穴八幡宮(あなはちまんぐう)」では、金運・財運アップや商売繁盛などのお守りといわれる「一陽来復(いちようらいふく)御守」を求め、毎年長蛇の列ができます。

伝統行事を楽しみながら冬至をすごそう

冬至は「二十四節気」の中にあるひとつの暦であり、1年の中で日照時間がもっとも短くなる日のことです。冬至になれば、全国的に日の出が遅く日の入りが早くなります。また、寒さが厳しくなるため、血行促進や保温作用が期待できる「ゆず湯」「冬至の七種(ななくさ)」「冬至かぼちゃ」などで、風邪や体調不良を予防しましょう。

2020年の冬至は12月21日(月曜日)から2021年1月4日(月曜日)まで続きます。昔から受け継がれる風習を楽しみながら冬至の訪れを感じてみましょう。

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