お正月に子供たちがもらうお年玉には、どのような由来と歴史があるのでしょうか? また、お年玉をあげる・もらうのは、いつ頃がふさわしいのでしょうか? 当記事では、お年玉としてあげる金額はどれくらいなのか、また、お年玉にかかる贈与税についても確認していきます。さらに、お年玉付き年賀状(年賀はがき)や、お年玉切手シートについてもご紹介していきましょう。

■お年玉の由来と歴史

お正月には、子どもたちが家族や親戚からお年玉をもらう習慣がありますが、そもそもお年玉にはどんな由来や歴史があるのでしょうか?

由来

お年玉の由来は、「年神(歳神)様の賜物(たまもの)」。年神様とは、元旦に各家庭に降りてくる神様のことで、その年神様からいただくご加護が「お年玉」という言葉に変化していったといわれています。また「年神様の魂」が「お年玉」の由来になったとする説もあるようです。

歴史

昔は、年神様に餅を供える風習があり、この餅をくだいて家族や使用人などに分け与えていました。これが現代では、お正月に訪れた家族や親戚、友人の子供などに「お年玉」を渡す習慣として変化していったと考えられています。ちなみに、現金を直接わたす人が増えてきたのは、高度経済成長期だった昭和30年頃のからのようです。

海外にもお年玉ってあるの?

中国ではお正月に大人から子供にお金を贈ります。これは「圧歳銭(あっさいせん)」と呼ばれるもので、子供を祟りから守る意味があるのだそう。またベトナムや台湾にも赤い袋に現金を入れて贈る習慣があり、主にアジアでお年玉と同じような習慣が見られるようです。それぞれ、お金を贈ることには意味があり、子供や家族を守ったり新年を祝ったりするために古くから受け継がれています。

■お年玉をあげる・もらうのはいつからいつまで?

お年玉をあげる・もらうのはいつからいつまで?
お年玉をあげる・もらうのはいつからいつまで?

小さい子供の頃は当たり前のようにお年玉を受け取っていたかもしれません。しかし、大人になった今、いつまでお年玉をあげるものなのか? 何歳になったらお年玉をあげるべきなのか? など、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか

お年玉は誰に、どこまであげる?

お年玉をあげるのは、「直接会う親戚の子供には全員」と考えている方が多いよう。兄妹や親せきの数が多い家庭では、なかなか痛い出費になるかもしれませんが、実際に会ったときに渡すケースが多いのではないでしょうか。また、自分の子供にはあげないと考える親も多いようです。

コロナ禍における2021年のお正月の場合、直接手渡すことが難しくなってしまうお年玉ですが、電子マネーで送金したり、現金ではなく物を贈るなどの工夫が必要なのかもしれません。

お年玉をあげる・もらうのにふさわしい日にちは?

お年玉の由来となっている年神様が降りてくるのは、元旦です。そのため、お年玉をあげるのにふさわしい日は、元旦と考えていいでしょう。しかし、1月1日に親戚に会うとは限りませんし、いつまでに行わなければならないといったルールもありません。お正月休みの期間中に、お年玉をあげたりもらったりしても問題ありません。

お年玉はいつまであげる・もらうべき?

お年玉をあげるのは、子供が高校生を卒業する頃までと考える方が多いよう。大学生になれば、自分でアルバイトしてお金を得ることもできるため、高校生まではお年玉をあげても・もらっても違和感がないと思われているのかもしれません。しかし、大学生にお年玉をあげる方もいらっしゃるでしょうし、お年玉をいつまであげるかは、対象となる子供やその親との関係性にもよるので、一概に「●歳まで」などと決めるのは難しいでしょう。

■お年玉の金額の相場は?

お年玉をあげる側からすると、いくら包むべきか金額が悩みどころ。ここでは、お年玉をあげる相手別に一般的な相場をご紹介しましょう。

赤ちゃん・孫

まだ赤ちゃんなら、お年玉は500円や1000円程度がおおよその目安。おもちゃやお菓子を買える程度の金額なら、あげる方の負担が少なく済みます。孫に贈る場合は、相手によって金額に差があるかもしれませんが、数千円程度が目安ではないでしょうか。

甥・いとこ・親戚

いとこや親戚になると、少し関係が離れます。いとこなどの場合は、だいたい2000円~3000円前後にしている方が多いでしょう。贈る相手の年齢が高いならもう少し上乗せして、低いなら少なくするなど調整してもいいかもしれません。

小学生・中学生・高校生・大学生

年齢別では、小学生なら数千円程度、中学生や高校生は5000円、大学生は1万円が一般的。多くても1万円以下だと、贈る側の負担が軽減されます。もし兄妹がいる場合は、年齢によって数千円程度差をつけてもいいでしょう。

金額の決め方

結婚式のご祝儀は、「2つに別れる=縁起が悪い」という考えから偶数の金額は避けるのがマナーです。でもお年玉の場合はそのような考えはありませんので、偶数でも奇数の金額でもどちらでも問題ないでしょう。ただ「4」や「9」の数字は、日本ではネガティブなことを想像させる数のため、4000円や9000円の金額は避けた方がいいかもしれません。

■お年玉にも贈与税がかかるって知ってた?

お年玉にも贈与税がかかるって知ってた?
お年玉にも贈与税がかかるって知ってた?

贈与税は、誰かから現金などの財産をもらった場合に生じる税金のこと。贈る側が「あげる」という意思を示し、受け取る側が「もらう」意思を示しているなら、一般的に贈与税の対象ということになります。

110万円以上だと贈与税の対象になる

1年間にもらった金額の合計額が110万円を超える場合、もらった側が贈与税の申告を行わなければなりません。お年玉の金額が110万円になることは一般的にはないと思いますが、お年玉以外にも贈与されたものがあり、合計額が110万円以上になるなら、納税の申告が必要となります。

贈与税がかからないお年玉のあげ方

では贈与税がかからないようにお年玉をあげるには、どうしたらいいでしょうか?

あげ方1:お年玉は相場の金額にする

国税庁のウェブサイトに、「年末年始の贈答・祝物などの金品で、社会通念上相当と認められるものは、贈与税の対象外になる」と記載されています。一般的なお年玉の金額の範囲なら、この社会通念上相当にあたり、贈与税の対象外になるということでしょう。

あげ方2:生活費や教育費としてあげる

生活費や教育費に必要なお金を贈与された場合は、贈与税の対象になりません。ですから、もし一般的なお年玉の相場よりもずっと高額を渡すなら、生活費や教育費として使うといいかもしれません。

あげ方3:年末と年始にわけて贈る

贈与税は、毎年1月1日から12月31日までの期間にもらった合計金額をもとに計算します。ですから、もし高額のお年玉をあげるのなら、12月中と1月にわけて渡すという方法もあります。

■お年玉付き年賀状・年賀はがきを活用しよう!

お正月に欠かせない年賀状には、ぜひ「お年玉付き年賀状」を使うことをおすすめします。ここでは、お年玉付き年賀状についてご紹介しましょう。

お年玉付き年賀状・年賀はがきとは

お年玉付き年賀状は、年賀状に使われるための年賀はがきのこと。はがきにはお年玉くじが付いていて、当選番号のはがきを持っていればさまざまな景品と交換することができます。

当選するともらえるものは?

お年玉付き年賀状の景品として用意されているものには、1等が30万円相当の賞品で、2等はふるさと小包があります。3等なら切手シートをもらえます。

発売日と値段、購入方法

お年玉付き年賀状は販売期間が決まっており、2020年については10月29日から2021年1月8日までです。金額は無地なら63円で、インクジェット写真用73円、地方版68円などの種類がラインナップ。全国の郵便局のほか、コンビニやスーパーなどでも販売しています。

当選番号の確認方法と交換期限

お年玉付き年賀状の当選番号の発表は、毎年1月中旬頃に行われます。年賀はがきに印刷されている番号の下の桁から当選番号と合っているか確認します。景品の交換期限は、夏頃の予定です。

■お年玉切手シートを手に入れよう!

郵便局で販売される人気グッズに「お年玉切手シート」があります。

お年玉切手シートとは

お年玉切手シートは、封書やはがきを郵送するときに使える切手で、お正月にちなんだ、おめでたいデザインになっています。63円切手と84切手が1枚ずつ、2枚のセットになって販売されます。デザインはお正月を想像させるものですが、切手として通年で使用可能です。

発売日と値段、購入方法

お年玉切手シートの発売日は、毎年1月中旬頃。2021年は1月18日です。値段は1枚147円で、郵便局で販売されます。

オークションなどで高値がつくことも

限定デザインで販売されるお年玉切手シートは、あとからオークションで金額以上の高値になって取引されることもあります。

お年玉の贈り方や金額は無理のない範囲で

お年玉の金額や誰にあげるのかは人それぞれ。こうしなければならないというルールはありません。また、お年玉は相手を思う気持ちが大切です。自身に無理のない範囲の金額で、相手の健やかな成長を願う思いを込めて贈ると、きっと喜ばれることでしょう。

この記事の執筆者
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