必見!花に酔いしれるイベントと本店ショーウインドー
代官山T-SITE GARDEN GALLERY にて2021年5月9日(日)まで開催中の「LIGHT OF FLOWERS ハナの光」は、ヴァン クリーフ&アーペルが華道家・片桐功敦さんとコラボレーションするエキシビション。メゾンのジュエリーから着想を得て、なおかつ花々の一瞬の美しさを捉えた情緒あふれるインスタレーションが見応えあるイベントになっています。
【関連記事:花とジュエリーの魅惑の世界へ! ヴァン クリーフ&アーペルが「LIGHT OF FLOWERS ハナの光」展を開催】
もうひとつ、見逃せないものがあります。それは、同時期までのヴァン クリーフ&アーペル銀座本店のディスプレイ。メゾンのジュエリーや時計とともに、麗しく咲き誇る「枯れない花」が、ショーウインドーの左右を飾っているのです。
ディスプレイをディレクションしたのは、華道家の片桐功敦さん。「LIGHT OF FLOWERS ハナの光」のイメージに合わせたファサードとショーウインドーを作ってほしいというメゾンからの依頼を受けて企画したのだそう。その想いを片桐さんに伺いました。
「ショーウインドーの中は過酷な環境ですから、生の花をいけることができません。しかし、エキシビションのイメージに合わせたビジュアルにするには、やはり花は欠かない要素です。そこで、本物と見まごうくらい精巧に花々をつくる、金属造形作家の鈴木祥太さんに作品をお借りすることに。
僕がウインドーの中につくった小さな空間に、鈴木さんの「花」を「いける」というイメージならば、成立するのではないかと考えたのです。
彼とは、桜の枝ぶりから始まり、一輪ごとの桜やスミレの咲き具合など細部に至るまで綿密に話し合い、すべてイチからつくり上げていきました」
ヴァン クリーフ&アーペル銀座本店の店頭ディスプレイでは、波紋のような鏡面ガラスや苔山が飾られ、そこには、メゾンのジュエリーやウォッチとともに鈴木祥太さんが制作した、超絶技巧の作品「桜」と「姫菫」、「菫」が配されています。片岡さんが語る、“小さな空間”を生かした見事な仕上がりです。
日本人の心に訴えかける「枯れない花」
鈴木祥太さんは、植物をモチーフに、その儚い姿を「金属」という硬質な素材で表現する作品を超絶技巧でつくり出す作家です。
実際に拝見すると「これが金属?」と思うほど、リアルな造形に驚かされます。斜めに延びた枝の先に咲く桜の花は、まるで今にも舞い落ちそうなほど。思わず空間を目で追うと、地面には花筏のように花びらがいくつも!
風ではらりと散る瞬間などないはずなのに、舞い落ちる姿を見たような錯覚が…。そのイマジネーションは、桜の花が大好きな日本人の感性をくすぐります。そして苔山に咲いたスミレの花には、疲れた心がほっこりと和むようにさえ感じます。
日本人は花で季節を知ります。だからこそ、今回の「ヴァン クリーフ&アーペル」の二方向からのアプローチに心惹かれます。華道家・片桐さんが演出したディスプレイを、メゾンのジュエリーとともにぜひ堪能してください。
※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 菅野悦子
- EDIT :
- 谷 花生