1年に2回、イタリアのミラノで開催される靴の見本市が「ミカム」(the MICAM)。イタリアの小さな工房からビッグメゾン、靴のメンテナンス道具のメーカーなどなど、靴に関する最新のトレンドを目にすることができる一大イベントだ。前回に続き、スタイリスト・大西陽一が、その最新事情をリポートする。

 世界最大級の靴の見本市ミカムでは、ラグジュアリーブランドから、ビジネス用の革靴を作っているお硬いメーカーまでもがこぞってスニーカーを発表していました。勿論、ミカム来場者のスニーカー率は相当高く、ミラノの高級ブティックが並ぶモンテナポレオーネ通りに至っては、スニーカーをはいていない人を探すのが難しいくらい(言いすぎかな?)。それも、男性女性関係なく、また老いも若きも関係なくはいているという感じで、2017年の秋冬もますます広がっています。

 ところで、スニーカーと聞くと、カジュアルなスタイルとコーディネイトするものと思っている方は多いでしょうが、ことミカム会場内とミラノのストリートでは、エレガントにスニーカーをはきこなす人だらけなのです。ここが80年中盤に起こったスニーカーブーム(ナイキの「エア ジョーダン」が火付け役)とは、大きく違うところ。今回は、そうしたトレンディでエレガントなスニーカー ファッションとメンズ スニーカーのデザインの傾向を取り上げていきたいと思います。

ミラノでブレーク中のスニーカーはこれだ!

こちらのカップルは、ミラノのモンテナポレオーネ通りでスナップしたもの。

 男性のスニーカーは、イタリアのコンバースと言われているスペルガの超定番スニーカー「2750」。下半身を白でまとめることで、脚長効果が出ていますね。女性の方は、スニーカーではありませんが、今、女性の靴マニアの間で流行中の、ブリティッシュテイストのキルトやタッセルが付いたスリッポン。このデザインが、ヒールやスニーカーにも飛び火していることも、押さえておきたいポイント。

こちらの靴は、チャーチーズ(一般的な日本での呼び方はチャーチ)のロンドン店のウィンドウを飾っていたキルト付きのウィングチップ(ヒール付き)。
左/ホワイトレザースニーカー¥74,000(玉川高島屋<玉川高島屋>)・右/ブラックレザースニーカー¥74,000(玉川高島屋<玉川高島屋>)玉川高島屋 TEL:03-3709-2222

 上の写真は、イタリアのヘンダーソンというブランドのレザースニーカー。右の黒いスニーカーは、アッパーがキルト付きのウィングチップという、今、ミラノで一番エッジが効いているデザインです。

こちらは、ミカムの会場で見つけたモード系スニーカースタイルの御仁。

 ショールカラーのフォーマルジャケットにホワイトスニーカーをあわせるこのセンスには脱帽ですね。ジャケットの見頃が黒白の幾何学模様というところが、このコーディネートのキモ。真っ黒のクラシックなショールカラータキシードだと、足元とのバランスがこんなに上手くは取れないはずです。

ミカムの会場でもアッパーが英国調のデザインで、底はスニーカーというデザインを数多く見かけました。

 上の写真のスニーカーは、ナポリのファクトリー ブランドの2018年春夏の新作ですが、クラシックなデザインにイタリア流のカジュアルダウンが施されています。こうしたアレンジのセンスは、やはりイタリアが一番上手いですね!

ここのスタッフの方が履いていたスニーカーは、レザーのメッシュのスリッポンスニーカー。

 実は、スニーカーのデザインのもうひとつのトレンドが、このスリッポンタイプなのです。ミカムの会場を見て回っても、紐付きスニーカーに負けないくらい、この手の紐なしスニーカーを良く見かけました。

ちなみにこのスニーカーは2018年の春に三陽商会のエポカ ウオモで発売予定で、彼が履いていたのはその試作品。 10月に開催された、エポカ ウオモの2018年春夏の展示会場で、完成品を発見しました。
レザーメッシュ スニーカー¥36,000(SANYO SHOKAI カスタマーサポート)※2018年春発売予定  TEL:0120-340-460

イタリアの伊達男にみる、洒脱なスニーカー合わせテク

上半身をダーク系の色でまとめて、足元に明るい色のスニーカーを合わせた男性。このようなコントラストがつくコーディネートは、今まであまり見かけなかった着こなし方です。新鮮!

 ジャケットの金ボタンとスニーカーの薄茶のヌバック革が、絶妙にシンクロしていますね。このへんの着こなしの技は、さすがイタリアーノ。

 こちらの御仁は、ミリタリージャケットにスポーツ系のスニーカーを合わせています。カジュアル度の高いアイテムなのに品よく見えるのは、白パンをはいているから。これがブルーデニムだと、清潔感と品は出せません。アディダスの白いラインと白Tシャツというこだわり、そしてシルバーのヘアといい、ただ者ではないですね!
 というわけで、今回はここまで。次回は11月21日に配信予定。ご期待ください!

この記事の執筆者
『メンズプレシャス』創刊時から、数多のスタイリングで活躍する。とりわけ、高度なテクニックを必要とする、グレーやベージュの淡い色調を、実にリアルで品のいいコーディネートに落とし込める感性の持ち主だ。紳士が知っておくべき伝統的な着こなしの奥義を、ロジカルにつくり上げる名人である。
EDIT&WRITING :
大西陽一
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