今手にしているコスメ、あなたの肌悩みを解決する効果効能をきちんと備えていますか? 『Precious』6月号では「肌の若返りには『成分買い』コスメが効く!」と題して、コスメの成分に注目!

今回は、エイジングケアコスメの正しい知識をQ&Aにまとめてご紹介!

「スキンケア効果が高いのは美容液? クリーム?」「肌の奥まで浸透って、どこまで?」など、気になる疑問にずばりと切り込みます。

正しい知識こそエイジングケアレベルを上げる!

化粧品の進化は日進月歩。目まぐるしいほどのスピードで、次々と優秀な成分が配合され、傑作コスメが生まれているのは、うれしい限りです。反面、ユーザーの知識が追いつかないという悲劇も。せっかくの優れた化粧品も、古い常識や間違った思い込みにとらわれていると、宝のもち腐れになりかねません。

自分のニーズに合った優秀コスメをしっかり見極めて、賢く使いこなすためにも、あいまいな口コミ情報や噂ではなく、正しい成分知識や化粧品情報をインストールしましょう。

美容液_1
 

■Q1:いちばんスキンケア効果が高いのは美容液、というのは本当ですか? それともクリーム?

■A1:どちらともいえません。

実は、これこれのアイテムが美容液、という定義はないのです。ただし化粧水や乳液、クリーム等のルーティンにプラスするスペシャルアイテムととらえ、美容成分が高濃度に配合されていることが多いのは確か。

反面、エイジングケア成分には油溶性成分が多く、そうした成分はクリームのほうが配合しやすいので、美容液が最強とはいいきれません。いずれにしてもクスリではないので、1品だけで劇的な肌変化を求めるのは難しそうです。

■Q2:免税店でコスメを買うとテクスチャーや香りが違うようなのですが。同じブランドの同じ製品でも国によって違うのですか?

■A2:その通りです。

答えはイエス。同じ製品でも日本向けに、香りはマイルドに、テクスチャーも軽やかにアレンジされているケースは少なくありません。

というのも地域やケア習慣によって、好みやニーズが異なるため。例えば、拭き取り洗顔の習慣が根強いエリアでは、化粧水は「洗顔アイテム」として保湿力より拭き取り効果が優先されています。ケア製品だけでなく、マスカラ等にも日本向け処方が。

愛用品は、やはり日本で購入するのがおすすめです。

クリーム_1
 

■Q3:肌の奥まで浸透、というのはどこまで浸透しているのですか?

■A3:角質層まで、です。

化粧品は「角質層まで」と法律で定められています。角質層は数週間以内に垢としてはがれ落ちる部分。そのため、いろんな製品を重ねても健康に重大な影響を与えないというわけです。

「な~んだ」と言うなかれ。私たちが美肌と判断するのは、角質層の状態を見てのことなのです。

さらに先進のデリバリー技術では、効かせたい部分に効かせたい成分を、効かせたい速度で届けることも可能に。「角質層まで」は、今や建前にすぎないかも。

■Q4:メーカーが開発した「独自の複合成分」とは何?

■A4:メーカー独自の処方による成分を組み合わせたものです。

同じ食材を使った料理でも、料理する人の腕ででき上がった料理の栄養価やおいしさが全然違うように、化粧品も成分の組み合わせや分量などで、大きな差が生まれるよう。

そこで、それぞれのメーカーが独自の処方で複数の成分を組み合わせたのが「オリジナル複合成分」や「独自のコンプレックス」と呼ばれる複合体です。

全成分表示の内容はほとんど同じなのに、使い心地やケア効果がまったく違うことが多いのも、この「処方の綾」ゆえ。

■Q5:やっぱり高額化粧品のほうが効き目は上ですか?

■A5:価格よりも好みかどうかが重要では。

例えば赤ワインは健康増進効果があるといわれますが、高級なほどポリフェノールが多いとか健康効果が高いわけではありません。化粧品も同じではないでしょうか。

大前提としてクスリではありませんし、肌状態やなりたい肌によって、効果感や満足感は違ってくるもの。ワインと同様、好みや体調も関わってきます。そこで得られる幸福感が健康や肌に与える影響も。価格よりも好みかどうかのほうが重要ではないでしょうか。

PHOTO :
戸田嘉昭・池田 敦(パイルドライバー)
WRITING :
近藤須雅子
EDIT&WRITING :
荒川千佳子、五十嵐享子(Precious)