「川柳」ってもともとは、なにを指した言葉?語源はご存知ですか?

明日・8月25日は『川柳(せんりゅう)発祥の日』と言われています。

季語を使用せず、独特の視点やユーモアのセンスを競うような川柳は、

知的でありながら、親しみやすく面白味を感じられ、現代でも『サラリーマン川柳』『子育て川柳』などなど、広いテーマで楽しまれていますよね。

1757(宝暦7)年、初の川柳の大々的な大会「川柳万句合(せんりゅうまんくあわせ)」が行われた、と言われていることから、この日が選ばれたようです。

…というところで、本日1問目の日本語クイズです。

【問題1】「川柳(せんりゅう)」の語源は?

「川柳(せんりゅう)」という文学スタイル名の語源として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。

1:人名

2:地名

3:芝居の演目

「川柳」の語源になったのはどれ?
「川柳」の語源になったのはどれ?

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 1:人名 です。

「川柳」は「柄井川柳(からいせんりゅう)」という人名からきた言葉です。
「川柳」は「柄井川柳(からいせんりゅう)」という人名からきた言葉です。

「川柳(せんりゅう)」とは、川柳の始祖といわれる名人「柄井川柳(からいせんりゅう)」に由来します。

江戸時代、まだ俳諧や短歌が、現代ほど明確に分類されていない時代に、

「雑排(ざっぱい…俳諧の雑体または亜流のような形)」のスタイルの一つ、

前句付(まえくづけ…あらかじめ、共通のお題となる、句の一部分が提示され、参加者がそれに合わせて機知に富んだ句を完成させるスタイル)」の手法の点者(作品の優劣を評じる名人)の第一人者として人気を博した人で、

文学史に残る、当時の大人気川柳集『誹風柳多留(はいふうやなぎだる)』の選者でもありました。

しだいに、人々の会話の中で「季語を使わずに滑稽や機知に重きを置いた雑排」の代名詞のように「川柳(せんりゅう)」という名人の固有名詞が使用されるようになり、

大正時代ごろには、文学スタイルの呼び名、つまり一般名詞としての『川柳(せんりゅう)』が定着したのではないか?と言われています。

「俳句」にたとえると、「季語を使用した5・7・5の短文詩」のスタイル名として、「俳句」ではなく「芭蕉(ばしょう)」とついてしまった…というような成り立ちの言葉なのです。

…さて、2問目は、川柳流『誹風柳多留(はいふうやなぎだる)』のタイトルから「」という字をピックアップしましょう。

【問題2】「誹る」ってなんと読む?

「誹る」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「人の非を指摘して悪くいう。けなす。」という意味の言葉です。

<使用例>

「川柳には、知的かつ面白味のある誹り…つまり、ブラックジョーク的な感覚が必要よね。」

「○○る」。
「○○る」。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 誹る(そしる) です。

「誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)」の「誹(ひ)」の字です。

ちなみに「俳諧(はいかい)」は、この字を使用して「誹諧(はいかい)」とも表記します。

***

本日は、8月25日『川柳発祥の日』に関係するトリビアと合わせ、

・誹る(そしる)

の読み方なども、おさらいいたしました。

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Precious.jp編集部 
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参考資料:『精選版日本国語大辞典』(株式会社小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(株式会社小学館)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
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小出 真朱