人生を重ねた大人だからこそ見えてくる、豊かな暮らしとは?をテーマに、雑誌『Precious』編集部が総力取材する連載「IE Precious」。

今回は、「ダブルスタイル」主宰・「アルフレックスジャパン」社長夫人の保科和賀子さんのご自宅をご紹介します。

保科 和賀子さん
「W Style」主宰・「アルフレックスジャパン」社長夫人
(ほしな わかこ)「アルフレックスジャパン」社長夫人として、家具やアートを通じて心豊かな生活を提案。実家が器店ということもあり、焼き物などへの造詣が深く、個展や窯元を訪れ、若手作家も応援。また、イベントを通して東日本大震災ほか被災地の子供たちを支援する「W Style(ダブルスタイル)」を主宰し、チャリティ活動も積極的に行っている。

「グリーンは暮らしのバロメーター。生活のリズムや気持ちをゆったり整え、穏やかで優しい『気』を巡らせてくれます」

「ダブルスタイル」主宰・「アルフレックスジャパン」社長夫人の保科和賀子さんの自宅
東京の自宅はヴィンテージマンション。息子たちの成長やライフスタイルの変化に応じ、そのときどきの自社のインテリア提案を実体験するためもあり、数年に一度は家具やレイアウトの変更をするそう。洗練と温もりが同居する、シンプルで飽きのこないデザインの『アルフレックス』の家具には、遊び心ある大ぶりのウンベラータやアルテシマがよく合う。

昨年から東京と河口湖の二拠点暮らしを始めた保科さん。

「コロナ禍で夫の会社もテレワークが増え、海外で勉強していた息子たちも一時は全員帰国。私の仕事はどこでも可能ですし、夫の職場がある河口湖にご縁のある物件が見つかり、購入しました」(保科和賀子さん、以下同様)

「緑に囲まれた静かな場所で、庭でのガーデニングや、アウトドア家具を置いて朝のコーヒーや普段の食事を楽しんだり。自然がより身近に感じられ、グリーンのもつ、穏やかで優しい『気』に癒やされています。植物たちと暮らすことで、不思議と生活のリズムや気持ちがゆったりと整うように。グリーンは暮らしのバロメーターになっています」

以前から、インテリアの要素としてグリーンを取り入れていたという保科さん。コロナ禍でスタートした自然豊かな河口湖での暮らしを機に、暮らしのなかでのグリーンの存在意義が変化してきたと言います。

「グリーンは、静かな癒しと楽しみ。今や、なくてはならない存在です」

「ダブルスタイル」主宰・「アルフレックスジャパン」社長夫人の保科和賀子さんの自宅
お気に入りのラウンジチェア上でリラックスする和賀子さん。まるで森にいるかのようなアートは画家・福田紀子さんの作品。

「インテリアや照明と調和した居心地よい空間づくりのために欠かせないもの、という点は変わりませんが、もっともっと生活に欠かせないもの、心のあり方や生き方に深く関わるものだと実感するようになりました。静かな癒しでもあり、楽しみでもあり、なくてはならない存在」

「手入れをしているときに、新しい芽やつぼみを見つけた瞬間、きれいに花が開いた日、水やりの途中でふっと虹のようなものが見えたりしたとき…、日常の何気ないなかにある小さな幸せを、植物は気付かせてくれます」

「ダブルスタイル」主宰・「アルフレックスジャパン」社長夫人の保科和賀子さんの自宅
リビングのあちこちに、それ自体が植物のような愛らしい形のスツールが。イタリア「リーヴァ」社のマリオ・ボッタのデザインによるもので、自然災害による倒木からつくられたもの。サイドテーブルとしてもオブジェとしても。窓際のアートは和田真由子の作品。
「ダブルスタイル」主宰・「アルフレックスジャパン」社長夫人の保科和賀子さんの自宅
玄関のコンソール上には、盆栽のような枝ぶりがユニークなカポックが。
「ダブルスタイル」主宰・「アルフレックスジャパン」社長夫人の保科和賀子さんの自宅
無機質になりがちなワークスペースには、ディスキディアとグレープアイビーをハンギング。
「ダブルスタイル」主宰・「アルフレックスジャパン」社長夫人の保科和賀子さんの自宅
棚上は、家族写真と共にウンベラータやチュピタンサスなどいくつかの小鉢を置いて彩りを。

また、グリーンライフを楽しみながら長く続けるためには、プロに頼ることも必要、と保科さん。

「東京の家を長期で離れるときは、サーキュレーターを回すようになったのですが、これは、室内の植物を元気に保つためには空気の循環が大切だというプロのアドバイスによるもの。東京で新たに整えたベランダガーデンも、最初はプロに相談しました。初心者がいきなり園芸店に行っても何から揃えるべきか困ってしまいますから」

「同じように、室内のグリーンも何をどう置いていいか迷う場合、インテリアショップを訪れてみるのもおすすめです。家具や照明とのコーディネート、サイズ感、空間の配置など、ヒントがたくさんありますし、植物に関しても気軽に相談できます。プロの意見を参考に『これが好き!』と思うものを選ぶことが大切だと思います」

「ダブルスタイル」主宰・「アルフレックスジャパン」社長夫人の保科和賀子さんの自宅
リビングの書棚にも小さな植物たちが。「自然光が入らない場所でも育つ植物をプロに教えてもらいました。ちなみにトイレにもたくさんのグリーンが仲間入り。わが家は、『アルフレックス』のショールームで長年お世話になっている『グリーンアート』さんにアドバイスをもらっています」
、「ダブルスタイル」主宰・「アルフレックスジャパン」社長夫人の保科和賀子さんの自宅
河口湖の家でガーデニングにハマってから、東京宅でもベランダガーデニングを。テラコッタタイルを部分敷きし、ブルーベリーやレモンバーベナ、ユーカリやラベンダーを栽培。アウトドア家具『ロダ』のチェア、北海道旭川の上野ファームで購入したプランターバッグがアクセントに。
「ダブルスタイル」主宰・「アルフレックスジャパン」社長夫人の保科和賀子さんの自宅
ダイニングの杉本圭助の作品には、大ぶりのKeicondoの花器にアガパンサスを生けて。
「ダブルスタイル」主宰・「アルフレックスジャパン」社長夫人の保科和賀子さんの自宅
寝室にはエバーフレッシュと斑入りカポック。「光と共に葉が閉じたり開いたりするエバーフレッシュは、ぐっすり眠ってゆっくり目覚める、質のいい睡眠と同期するような気がして」

保科さんのHouse DATA

●間取り…4LDK
●家族構成…夫婦と子供3人
●住んで何年?…約10年

PHOTO :
川上輝明(bean)、長谷川 潤
EDIT&WRITING :
田中美保、古里典子(Precious)