「以ての外」ってなんと読む?「いてのそと」ではありませんよ!
明日、9月9日は、「桃の節句」や「端午の節句」と並ぶ「五節句」の一つ・「重陽(ちょうよう)の節句」です。
奇数は「陽数」で縁起が良い、と考える陰陽道にもとづく考え方のもと、陽数の最大数である「9」が重なる日…つまり9月9日を、邪気をはらう縁起の良い日、と考えて祝う日になります。
菊が咲き誇る季節と重なることから、別名「菊の節句」とも呼ばれ、古来、行事食として、菊や栗など、季節の味覚を楽しむと、延命長寿につながる、と言われています。菊を鑑賞しながら花弁を浸けた菊酒をいただき、食事の最後は栗ご飯で…確かに、目も舌も、そして心もうるおいそうですね。
…というところで、本日1問目のクイズです。
【問題1】料理名「柿の下」ってなんと読む?
「柿の下」という、新潟県などでよく食される食材名の読み方をお答えください。
ヒント:紫色の食用菊です。
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 柿の下(かきのもと) です。
和食屋さんの秋のメニューで、紫色の食用菊をあしらったお料理や、鮮やかな花弁をおひたしにしたものを食した経験のある方も多いでしょう。あの、紫色の食用菊は「かきのもと」と呼ばれ、漢字で書くと「柿の下」「垣の下」「柿の素」など、さまざまに表記されます。
「実り豊かな柿の木の下に咲く」ので「柿の下(かきのもと)」、生け垣の下に植えるので「垣の下(かきのもと)」などの説があるようです。「かきのもと」は通称で、品種名には『延命楽(えんめいらく)』などがあります。…どちらにしても素敵な名前ですね。重陽の節句の食卓の彩りにいかがでしょうか?
さて、2問目に参りましょう。
【問題2】「以ての外」ってなんと読む?
「以ての外」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「けしからん事、とんでもない事」「思いもよらない事」などの意味を持つ言葉です。
<使用例>
「夕方から冷え込む予報だから、上着を持たずに出かけるのは、以ての外よ!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 以ての外(もってのほか) です。
1問目から扱っている「かきのもと」、別名に「もってのほか」「おもいのほか」などがあります。
「美しい花なのに、おもいのほか、美味しい」で「おもいのほか」、
「もってのほか」は、天皇家の御紋が菊モチーフであることから、そのような尊いものを食すなど「もってのほか」であるが…(ありがたくいただきます)、
などの意味があるようです。
呼び名の数が多いのは、親しまれた歴史が豊かな印ですね。
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本日は、明日の9月9日「重陽の節句」「菊の節句」にちなんで、
・柿の下(かきのもと)
・以ての外(もってのほか)
などの読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『知恵蔵mini』(株式会社朝日新聞出版)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱