雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動を連載でご紹介しています。

今回は、デンマークで農園レストランを立ち上げたリヴィア・ウアバン・スワート・ホーランドさんの活動をご紹介します。

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リヴィア・ウアバン・スワート・ホーランドさん
アーバンエコガーディナー
デンマーク王立美大建築学科在学中に休学してN.Y.へ、エコ農園に感銘を受ける。’14年に屋上エコ農園をオープン。さらに、市場に出せない有機野菜の定期購入システムを始める。’21年5月に「ウーンスヘイウ」開業。

エコでオープンな市民農園を通じてさまざまな人が交流する機会を

コペンハーゲン市内から車で10分ほど。元造船所跡地の再開発地区「レフスハレウーン」に今年6月にオープンした「ウーンスヘイウ」は、市民が気軽に参加できる農園レストランだ。

かつて造船所職員の食堂として使われていた3500平米の敷地に、200種類の無農薬野菜や花、ハーブが植えられており、週に一度の農業体験の日には、予約なしで、誰でも気軽に土いじりができる。短い時間の参加でもいいし、一日中いてもいい。労働の対価として、併設のレストランで有機野菜たっぷりのランチが無料で楽しめる。

「ウーンスヘイウ」を仲間と共に立ち上げたリヴィアさんは、「今後は、近隣のレストランとの共同コンポストの設置や、子供を対象とした農業体験などのイベントも計画中です」と未来を語る。

リヴィアさんが大切にしているのは、市民農園を通じて、さまざまな人々が「交流すること」だ。建築を学んでいた大学時代に訪れたN.Y.で、世界最大の屋上エコ農園(※)「ブルックリン・グランジ」を訪れ、「都市型農業のショッピングセンターのようだ」と大感動。コペンハーゲンにも同じものをつくりたい、と、大学を中退し、造園の専門学校に通い、農業技術を習得した。

志を同じくする仲間を得ながら、’14年に住宅地にあるビルの屋上にエコ農園を実現。場所柄、近所の人たちがボランティアで集まる和気あいあいとした雰囲気で、現在も人気が続く。

「一方、この界隈は、スタジオやレストラン、カフェが多いので、ミュージシャンやアーティスト、料理人など、クリエイティブな人々が来てくれます。私たちの農園が、異なるジャンルの人々の交流の場になればうれしいですね」

【SDGsの現場から】

地道な作業が多いから、多くの人に関わってもらえる

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冬が長いデンマークでは、屋上農園で収穫した種を温室で育てて、畑に植え替える作業も。

農園ではイベント用のテントも手づくり!

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手づくりテントのイベントスペースでは、コンサートやヨガ、ワークショップなども計画。

※屋上農園とは…都市部を中心に、建物の屋上を利用して行われる農業。土の種類や農法など、地面で行われる農業とは違ったノウハウが必要とされる。

PHOTO :
Rasmus R'onne
WRITING :
剣持亜弥(HATSU)
EDIT&WRITING :
大庭典子、喜多容子(Precious)