いよいよ冬本番、そろそろ2着目を手に入れて気分も上げていきたいところ。でも店頭で迷った挙句、結局変わり映えのしないコートを選んでしまう…そんなことってありませんか?

コートこそ、冬を華やかな気持ちで過ごしたい私たちのおしゃれのしどころ。第一印象に与えるインパクトも大きく、1着で雰囲気をガラリと変えることもできるんです。これまでの自分とはイメージの違うテイストは、まずはコートで取り入れてみるのがおすすめ。

そこで、触れるだけで幸せな気持ちになれるファーやカシミアなど、冬のラグジュアリーが思う存分味わえる「贅沢コート」をずらっと10パターンご紹介します。寒さで縮こまりがちの季節だからこそ、お気に入りの2着目を投入して颯爽と街を歩きましょう!

■1:ファー付きロングコートで圧倒的な存在感をまとう

コート(ジュン アシダ〈タエ アシダ〉)、バッグ(ヴァレクストラ・ジャパン)、グローブ(和光〈クルチアーニ〉)
コート(ジュン アシダ〈タエ アシダ〉)、バッグ(ヴァレクストラ・ジャパン)、グローブ(和光〈クルチアーニ〉)

リュクスなファー付きコートは、もはや冬の定番。世代を超えてエフォートレスなトレンドが支持されている今だからこそ、リッチな正統派ロングコートを選ぶのが、大人の選択です。

「これ見よがし」はNGですが、カジュアルダウン一辺倒の着こなしは若い世代に任せて。気負わず、さりげなく、日常のシンプルスタイルに凛としたエレガンスを香らせましょう。

こちらはアニマル柄のラビットファーをあしらったアンゴラ×ウールのコート。ラグランスリーブと、クラシカルで流れるようなAライン、長めの丈がレディーライク。

■2:クラシカルロングコートでエレガントに

コート・イヤリング・バッグ・靴(ドルチェ&ガッバーナ ジャパン)
コート・イヤリング・バッグ・靴(ドルチェ&ガッバーナ ジャパン)

ノスタルジックな丸襟、くるみボタンがレトロでかわいいクラシカルコート。体の動きに合わせ、優雅に揺れる裾、上質なカシミアの光沢ある畝、優しい手触りにうっとり。

このタイプなら、コートの美しいシルエットを生かすべく、あえてボタンは全部留めてきっちりと着こなすのが正解です。コート丈より短め丈、薄手シルクのワンピースが最適。バッグはクラッチをチョイスして、甘さにピリリとスパイスを効かせましょう。

■3:ラップコートでゆったりと大人の余裕を演出

コート・バッグ(マックスマーラジャパン〈マックスマーラ〉)、サングラス(イー・ヴィ・アイ PR〈レジャー ソサエティー〉)
コート・バッグ(マックスマーラジャパン〈マックスマーラ〉)、サングラス(イー・ヴィ・アイ PR〈レジャー ソサエティー〉)

ガウンをまとうようにさらっとはおれるラップコートは、軽やかなこなれ感を備えた現代のアイコン的存在。ノーボタンのデザインは、共布のベルトを締めれば端正なオフィススタイルに、前を開ければ、風を受け颯爽と裾がひるがえるリラックススタイルへと表情を変えます。

肩のラインにゆとりのあるラグランスリーブなら、ジャケットやドロップショルダーのプルオーバーに合わせられ、エグゼクティブな女性にもぴったり。スポーティーな襟元に合わせ、サングラスで抜け感をプラスすれば休日スタイルにも対応。

■4:きれい色クチュールコートで、ひと足先に春気分

左から/コート(三喜商事〈イ ブルース〉)、コート(三喜商事〈アニオナ〉)、コート(J&M デヴィッドソン 青山店〈J&M デヴィッドソン〉)
左から/コート(三喜商事〈イ ブルース〉)、コート(三喜商事〈アニオナ〉)、コート(J&M デヴィッドソン 青山店〈J&M デヴィッドソン〉)

美しい色をまとうだけで、女心は華やぐもの。とかく実用に傾きがちなコートだからこそ、幸せ色を選ぶのもあり!

クチュールコートが持つ端正なデザインと、上質な素材が織りなす抑制のきいた甘さは、心に余裕をもつ大人の女性にこそふさわしい。コンパクトで美しいシルエットを堪能したいから、あえてボタンは留めて端正に着こなしすのがおすすめです。

コーディネートのポイントは、きれい色の活かし方。バッグやスカーフなど、小物を同系色でそろえたり、輝くブローチを添えたり。ワンハンドルのバッグと、足元はタイツにローヒールパンプスで可憐に仕上げて。

■5:ブラックのモードコートで洗練と繊細を表現

左から/コート(コロネット〈アキラーノ・リモンディ〉)、コート(マッキントッシュ青山店)、スカーフ(フラッパーズ〈マニプリ〉)、コート(東レ・ディプロモード〈セブンティ〉)、グローブ(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈グローブス〉)
左から/コート(コロネット〈アキラーノ・リモンディ〉)、コート(マッキントッシュ青山店)、スカーフ(フラッパーズ〈マニプリ〉)、コート(東レ・ディプロモード〈セブンティ〉)、グローブ(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈グローブス〉)

「最愛カラー」の黒のコートは、だれもがもっているアイテム。それだけに、セレクトが「守り」に入ってしまうと、今のおしゃれに欠かせない「こなれ感」が表現できず、「単なる地味」に陥ってしまいます。

だからこそ、黒で華やかに着映えるためには、鮮度の高いデザインで、モードな迫力をプラスするのが鍵。襟のデザインや素材使いなどひと技コートであか抜けて。

端正なたたずまいに甘えず、たとえばビビッドなパンツを合わせたり、クラッチバッグなど小物もモノトーンに徹して、鮮度の高い辛口スタイルにまとめましょう。

■6:マニッシュコートはラフに着こなすのが旬

コート・ブラウス・パンツ・サングラス・靴(グッチ ジャパン)
コート・ブラウス・パンツ・サングラス・靴(グッチ ジャパン)

人気のロング丈コートのなかでも目利きの女性にふさわしいのは、仕立てやカッティングが美しく、襟やポケットの細部にまで隙のないメンズライクな一着。

完璧なシルエットだからこそ、シルクブラウスの甘さやラフな着こなしでバランスを整えるのもおしゃれの腕の見せどころ。シンプルを追求したデザインは、トレンドに左右されることのない永遠に愛せる名品です。

コートがモノトーンならブラウスはぱきっとした柄を選び、ワイドボトム×レースアップ靴で辛口エレガンス&スマートにまとめて大人の風格をまといましょう。

■7:トラッドなトレンチ風コートで知的な印象に

コート(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈ガブリエラ ハースト〉)、ニット(サザビーリーグ〈エキップモン〉)、シャツ(三崎商事〈マルゴン〉)、パンツ(三喜商事〈ストラネス〉)、ピアス(MIZUKI)、バッグ(ヴァレクストラ・ジャパン)、時計(リンクス オブ ロンドン青山店)
コート(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈ガブリエラ ハースト〉)、ニット(サザビーリーグ〈エキップモン〉)、シャツ(三崎商事〈マルゴン〉)、パンツ(三喜商事〈ストラネス〉)、ピアス(MIZUKI)、バッグ(ヴァレクストラ・ジャパン)、時計(リンクス オブ ロンドン青山店)

トレンチ風コートは、トラッドな雰囲気とかっちりした正統派のイメージを手っ取り早くまとえるマストアイテム。こちらの一着はネイビーの気品漂う、艶やかなカシミヤ一枚仕立てで、肩章やフロントを留めるシルバー金具など辛口要素を凝縮させた名品。着こなしも「ややきちんと」を意識して。トーンを合わせた、きれい色の斜めがけチェーンバッグで華やぎもプラス。

■8:ノーカラーコートは素材の個性で魅せる!

コート・ストール・バッグ(ルイ・ヴィトン)
コート・ストール・バッグ(ルイ・ヴィトン)

シンプルなノーカラーコートは品のよさを求めるプレシャス世代の定番。ただし、コンサバな印象が強すぎて重厚に見えてしまっては、女らしいエレガンスも錆びついてしまいます。

自分らしい着こなしをもうワンランクアップさせるなら、素材や色味でさりげないモード感を意識してインパクトある装いを。

異素材の黒をストールやバッグで重ね、全体を引き締めるとニュアンスのあるコーディネートに。ハンドルタイプのキルティングバッグでレディーライクな雰囲気を強調して。一枚でドレスのような存在感があるので、シンプルなワンピースですっきりと。

■9:チェスターコートはジャケットの延長で男前に

コート・ブラウス(ザシークレットクロゼット神宮前〈ザシークレットクロゼット〉)、パンツ(バイ マレーネ ビルガー 青山店)、ピアス(MIZUKI)、バッグ(ウールン商会〈ナンシー・ゴンザレス〉)、靴(VINCE表参道店)
コート・ブラウス(ザシークレットクロゼット神宮前〈ザシークレットクロゼット〉)、パンツ(バイ マレーネ ビルガー 青山店)、ピアス(MIZUKI)、バッグ(ウールン商会〈ナンシー・ゴンザレス〉)、靴(VINCE表参道店)

メンズファッションのトレンドからあっという間に人気に火がついたチェスター。きちんとまじめなコートというよりも、ジャケット感覚でさらりとラフに肩がけしたり、ニットやジレとのレイヤードを楽しんだり、パンツ合わせで、男前に着るのが旬です。

着こなしは、ボウをネクタイ風に結んだブラウスと細身パンツでマスキュリンに。端正なラインが際立つモノトーンでまとめ、すっとシャープな立ち姿でハンサムレディーを目指したいときにおすすめ。

■10:はおるだけで絵になるのがボリュームのあるマントコート

マント・ワンピース・イヤリング・バッグ・靴(ドルチェ&ガッバーナ ジャパン)
マント・ワンピース・イヤリング・バッグ・靴(ドルチェ&ガッバーナ ジャパン)

上質な生地を惜しげもなく使いファーを贅沢にあしらったマントは、はおるだけで絵になるたたずまいと、装うことの喜びを着る人に与えてくれます。スーツやニットなどインナーを選ばず、カジュアルにもフェミニンにも着こなせますが、大人はやはり品よく女らしく。若い世代には真似できない迫力のエレガンスをまといたいものです。

ラグジュアリーなマントをシンプルなワンピースにさらりとはおればシンプルシックな着こなしに。グレーの美脚ストッキングにピンヒールで淑女の装い。パンツを合わせるならば、細身シルエットがマストです。

ピンとくる一着は見つかりましたか? 今までと違った雰囲気の一着をチョイスすれば、おのずとイメージチェンジに。コートから始める「私のプチファッション革命」で、冬ならではのおしゃれを楽しみましょう。

PHOTO :
熊澤 透(人物)、佐藤 彩(静物)
STYLIST :
犬走比佐乃
HAIR MAKE :
川原文洋(UM/ロケ分)、三澤公幸(3rd/スタジオ分)
MODEL :
生方ななえ、立野リカ(本誌専属)
WRITING :
河西真紀
EDIT :
廣田沙羅(HATSU)、喜多容子(本誌)
RECONSTRUCT :
藤岡あかね