私たちの体は、自分で思っている以上にデリケート。日々の生活のストレスから、呼吸が浅くなったり息を詰めたり…。無意識に乱れた呼吸と心身の不調には、大きな関係があるようです。
『Precious』1月号では、心と体を開放する呼吸のあり方について特集。横隔膜を意識しながら呼吸する現代の新習慣=「呼吸美容」についてご紹介しています。
本記事ではその中から、なぜ今、「横隔膜呼吸」が必要とされる理由と主なメリットをお届け。「横隔膜呼吸」には、プレシャス世代の女性に嬉しい効果がたくさんありました!
なぜ、今、「横隔膜呼吸」が私たちに必要なのでしょう
まずは、なぜ「横隔膜呼吸」が必要とされるのか、無意識に乱れた呼吸と心身の不調との関係に迫ります。
●マスクが手放せない時代「隠れ酸欠」が急増中
マスク着用が習慣になってから、呼吸の仕方にもよくない変化が。口と鼻を覆う息苦しさから、鼻呼吸より手っ取り早く息ができる気がして…口呼吸をする人が急増。口呼吸の弊害はこちらの記事でも触れていますが、浅い呼吸によって肺に酸素が十分に行き渡らず、酸欠状態に陥っていることも。
生あくびが出る、ぼんやりする…そんな兆候が見られたら、要注意です!
●加齢のせいだけじゃない。体の不調は、呼吸にあり
更年期に入ると自律神経である交感神経と副交感神経のうち、後者の機能が徐々に低下していきます。だから、日中から夜まで交感神経が優位になってイライラしたり、眠れなくなったり…。
しかも、ストレスの影響による浅くて早い胸式呼吸が、ますます交感神経を高ぶらせている場合があるのです。それをコントロールできるのが、自律神経が密集した横隔膜を意識した呼吸法。
とりわけ、ゆっくりと息をはくことで、副交感神経の働きを高めることができるのです。
●あなたの呼吸のくせをチェックしましょう!
マスク着用の日常化やスマホ操作などによる前かがみの姿勢…。昨今の生活習慣には、呼吸が毎日少しずつ浅くなり、それにも気付かない落とし穴がたくさんあります。それによって、どんなくせがついているのかを簡単にチェックしてみましょう。
まずは、立って鏡を見てください。力が入って肩が上がっていたら呼吸が浅く、緊張状態が続いて自律神経の乱れを誘発している可能性が。
次に、腹式呼吸で吸い込んだ息を10秒間かけてはけるかどうか。NOなら、腹式呼吸が正しく行われていなくて、酸素が十分に取り込めていない「隠れ酸欠」の疑いがあります。
酸素の摂取量がグンと増える!「横隔膜呼吸」の主なメリットは
体の中央にあり、呼吸を助け、心臓や胃や腸を休みなく動かす自律神経が密集した横隔膜。それを大きく動かす「横隔膜呼吸」は、心にも体にも美容にも…トータルに作用します。
ここからは、プレシャス世代の女性にうれしい、主なメリットを5つ一挙公開します。
■1:自律神経のセルフコントロール
腹圧をかけながら行う「横隔膜呼吸」のリズムは、自然にゆっくりとなります。
はく息を意識的にゆっくりとすればするほど、副交感神経が優位になるため、ストレスや加齢によって高ぶりがちな交感神経を沈め、穏やかな気持ちで過ごすことができます。
■2:酸素量がアップ
横隔膜を大きく上下させることで、胸郭が押し広げられて肺にたっぷりと空気が入り、時間をかけて息をはききることで、きゅっと収縮。
次に吸う息も大きくなるので効率よく酸素が取り込まれ、血液にのって体のすみずみに運ばれて、細胞が元気に。顔色がよくなって、肌にいきいきとした艶が生まれます。
■3:リラックス&リフレッシュ
ストレスや緊張を感じたら、即、「横隔膜呼吸」を実践!副交感神経が優位になってリラックスするので、
肩の力がふっと抜けるのを感じることでしょう。
夜、なかなか寝付けないときに実践すれば質のよい睡眠を得られるので、目覚めもすっきり。晴れやかな笑顔で一日をスタートできるはずです。
■4:腸活改善
「横隔膜呼吸」の意外とも思えるメリットは、上下運動が内臓にもたらす天然のマッサージ効果。腸にも刺激が届くので、便秘解消にも!
また、リラックスする副交感神経の動きが高まるので、蠕ぜん動どう運動も活発になって腸内環境が整います。自然にすっきりしたボディラインになりそうです。
■5:姿勢がよくなる
横隔膜は、呼吸筋であると同時に体の深部にある4種類のインナーマッスルのなかのひとつです。息を吸って下に下がると腹圧が高まって骨盤底筋や腹横筋、多裂筋腹圧と連動して体幹が安定。
習慣にすれば、すっと背筋が伸びて、遠目にもかっこよく、着こなしが絵になる女性に!
※掲載した商品は、税込み価格です。
問い合わせ先
- WANOVA TEL:06-6445-0505
- PHOTO :
- 浅井佳代子
- STYLIST :
- 小倉真希
- HAIR MAKE :
- 尾花ケイコ
- MODEL :
- 大塚まゆか
- EDIT&WRITING :
- 岡本治子、五十嵐享子(Precious)
- 参考文献 :
- 『〝隠れ酸欠〟から体を守る横隔膜ほぐし』京谷達矢著(青春出版社)、 『逆境に強い心のつくり方 システマ超入門―ロシア軍特殊部隊が生んだメソッド』北川貴英著(PHP文庫)