「世継榾」ってなんと読む?「せけいこつ」ではありません。昔の文化を感じる言葉です!
大晦日の夜ですね。もうすぐ新年ですが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
今夜は、年越しの夜にふさわしく、年末の季語から、日本語クイズをお送りします。
【問題1】「餅搗」ってなんと読む?
暮(くれ=年末)の季語「餅搗」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:お正月用の餅を、年末のうちに用意することを意味した言葉です。
使用例:「餅搗って、新年にするイメージがあったけど、年末の季語なのね。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 餅搗(もちつき) です。
「餅搗(もちつき)」の「搗」の字は「搗く(つく)=臼(うす)でつく」を意味する字です。
「つく」という行為を表す字はいろいろありますが、「臼でつく」に特化した字があることで、日本文化の歴史の中で、この行為がいかに大切に考えられていたかが感じられますね。
「餅搗(もちつき)」は、現代ではなんとなく、お正月のイメージがある方も多そうですが、スーパーで手軽にお餅が買えなかった時代は、お正月に食べるための餅を年末のうちに搗いて準備した…という事で「暮」の季語です。
さて、2問目に参りましょう。
【問題2】「世継榾」ってなんと読む?
暮の季語「世継榾」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「年越しの夜、家の炉にくべる特別大きな薪(まき)。」という意味の言葉です。
<使用例>
「囲炉裏のある古民家を購入したから、今年の年越しは、友人を呼んで語らいながらの世継榾よ。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 世継榾(よつぎほた) です。
「榾(ほた)」とは「木のきれはし」を意味する言葉で、「世継榾(よつぎほた)」という熟語では「薪(まき)」を指します。
「世継榾(よつぎほた)」とは、各家庭に囲炉裏(いろり)や煮炊き用の炉(ろ)があった時代、「火」を家庭の象徴としてとらえ、大晦日に「火(家庭)」の永続と発展を願って、年越し用の大きな薪をくべた風習の事です。
昔の日本の年越しの風景が思い浮かぶ、美しい日本語です。現代的な言葉ではありませんが、知識として継承していきたいですね。
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本日は、暮の季語から
・餅搗(もちつき)
・世継榾(よつぎほた)
などの読み方や、言葉の背景をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『きごさい歳時記』(NPO法人季語と歳時記の会)/『精選版日本国語大辞典』(株式会社小学館)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱