「板山葵」ってなんと読む?「いたやまあおい」?…いいえ、大人のメニューです!
明日・1月12日は「スキーの日」という記念日です。
1911(明治4)年のこの日に、当時のオーストリア・ハンガリー帝国の軍人、レルヒ少佐が、新潟で日本初のスキー指導を行った・・・というエピソードにちなんで制定されました。
現在ではすっかり、日本の冬のレジャーの定番ですね。
スキーと言えば「板」、という事で、本日は「板」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「溝板」ってなんと読む?
「溝板」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「下水道の上に、ふたのようにかぶせた板。」という意味の言葉です。
<使用例>
「溝板まで徹底的にお掃除すると、気持ちがいいわね。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 溝板(どぶいた) です。
「溝」という字の訓読み、「みぞ」のイメージが強いですが、実は「溝(どぶ)」もあるのです。
「溝」という字は常用漢字ですが、訓読みの「みぞ」と音読みの「コウ」は常用漢字表に入っておりますが、
「どぶ」は表外読み(常用漢字表に掲載されない読み方)になるため、「溝(どぶ)」という言葉が一般的であるのに対し、漢字表記の認知度は低くとどまっているようです。
「溝板」、つい「みぞいた」と読んでしまいそうですが、「みぞいた」という単語を辞書で引きますと、「どぶいた。」と出て来ますので、「溝板」は「どぶいた」と読んだ方がスマートでしょう。
「溝鼠」も、「溝(どぶ)」という読み方がわからないと「みぞねずみ」?「こうそ」?と迷ってしまいそうですが「溝鼠(どぶねずみ)」が正解です。
「溝(どぶ)」、ご存知なかった方は、覚えておいて損はないでしょう。
さて、2問目に参りましょう。
【問題2】「板山葵」ってなんと読む?
「板山葵」という日本語の、正しい読み方をお答えください。
ヒント:お正月前後に活躍しそうな、大人のお料理メニューです。
<使用例>
「この時期は美味しい蒲鉾が手に入りやすいから、晩酌のあてはもっぱら板山葵よ。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 板山葵(いたわさ) です。
「板山葵」…素直に読むと「いたわさび」ですが、「板付き蒲鉾を切って、おろしわさびを添えた料理。」を指し、「板山葵(いたわさ)」と読みます。「板山葵(いたわさ)」という形で、複数の辞書に掲載されている日本語です。
このメニューがお馴染み、という方にとっては「何を当たり前な?」かも知れませんが、
実は「板、といえば蒲鉾」という認識が定着していないと、ありえない日本語です。
「板」+「山葵(わさび)」ならば、「木の板と山葵」や「板状に切った山葵」などではなく、蒲鉾を使う「板山葵(いたわさ)」という料理に決まっている!…という発想ですので(笑)。そこに気づくと、味わい深い言葉ですよね?
おせち料理の定番にもなっている蒲鉾が、日本人の食の歴史で大きな位置を占めてきたことに、改めて気づかされる言葉です。
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本日は、明日・1月12日『スキーの日』にちなんで、「板」という字の入った日本語から、
・溝板(どぶいた)
・板山葵(いたわさ)
などの読み方、意味、背景などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:上越市(新潟県)ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)/『精選版日本国語大辞典』(株式会社小学館)//『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱