『Precious』2月号では、『これからの「美しい暮らし」』と題し、自分らしい美学と個性(=ラグジュアリー)をもっと極めたライフスタイルを提案しています。

特集の中では、「美学のあるインテリアづくり」をテーマに、アート・グリーン・チェア・カラー・ライト・コージー コーナーという6つのキーワードから、美しい空間づくりの秘訣をプロが詳解。

今回はその中から、スタイリストのchizuさんに伺った「美学のあるインテリア」を実践するためのポイントをまとめてお届けします。

chizuさん
スタイリスト
九州生まれ。スタイリストとして40年以上のキャリアをもち、パイオニアとして食、インテリア、ジュエリー、コスメと幅広い分野の雑誌、コマーシャルで活躍。店舗開発、商品開発にも携わる。著書に『私をぐっと素敵に見せる大人のおしゃれのひとさじ』(PHP研究所)。

■1:アート|アートのある暮らしで家は一気に美しさ極まる!

塚本暁宣のペインティング『Stimpy Walking To Home』
塚本暁宣のペインティング『Stimpy Walking To Home』[縦65×横53cm、油彩、キャンバス]/価格は要問い合わせ(アートアンドリーズン)

スタイリストのchizuさんは「アートには、部屋の空気を一瞬にして変えるパワーがあり、自分らしさや美意識を表現できます。若いアーティストの作品に共感できる、しなやかな感性をもちたいですね」とアドバイス。

【詳細記事はこちら】美しい空間づくりを、プロが紐解きます!ラグジュアリーな暮らしの鍵となる「コンテンポラリーアート」

■2:グリーン|抑制のきいた自然の美学に身も心も静かに整って

家で過ごす時間が増えたことで、「グリーン」との触れ合いを求める人が増えています。生き生きとした表情や、穏やかに気を巡らせる静かな息遣いは、癒しそのもの。

多肉植物の植え込み
多肉植物の植え込み/器も込みで価格は要問い合わせ(グリーンシェア)

「すっきりとした空間に美しく調和するように、水平×垂直のミニマルなイメージを伝えて、鉢ごとグリーンのプロに依頼しました」とchizuさん。静謐な禅の庭を思わせる美しいグリーンのオブジェを、花の代わりにテーブルにセットすると、抑制のきいた見事な佇まいに、心が静かに整って。

植物[フィカス・バーテリー]を配した空間
植物のシャープなシルエットを柔らかな照明で際立たせた心地よいコーナー。植物[フィカス・バーテリー]器込みで価格は要問い合わせ(グリーンシェア)(C)greenshare

【詳細記事はこちら】空間づくりのプロが詳解!“癒し”と“美しさ”で身も心も静かに整う「グリーン」との触れ合い

■3:チェアー|美意識が凝縮された名作チェアを飾る楽しみ

時代を超えて愛され、大切に受け継がれる椅子は、佇まいがどこか人に似ています。つくり手の思いや哲学が色濃く息づき、今にも語りかけてくるような気配があるのです。

倉俣史朗の椅子『シング シング シング』
前脚だけで支え、座面とアームのカーブの組み合わせが絶妙な倉俣史朗の椅子『シング シング シング』[幅52.5×奥行き60.7×高さ85.8、座面高44cm]¥687,500(センプレ ホーム)

「そこにあるだけで様になる。そんな名作椅子は愛でるに限ります。アートを飾るように、いちばん映える『場』を探して、眺めるだけでいい」とchizuさん。

ノーマン・チャーナーの『チャーナーチェア』
スカートのウエストのくびれと大きくふくらんだリボンが官能的で優雅なノーマン・チャーナーの椅子『チャーナーチェア』[幅67.3×奥行き54.6×高さ80、座面高45.7cm]¥286,000(ザ・コンランショップ)

■4:カラー|服やメイクを選ぶように鮮やかな色を効果的にあしらう

「モダンで美学のある暮らしをイメージしたとき、装うようにエレガントにインテリアを選ぶ…というルールを取り入れました。赤は女性を官能的に魅せる色。そしてコンテンポラリーアートにもよく使われる、モダンでとても美しい色です。部屋に赤が入るだけで印象が変わります!」と、chizuさんはアドバイス。

マリオ・ベリーニの2人掛けソファ『レ・バンボレ’07』
マリオ・ベリーニの2人掛けソファ『レ・バンボレ’07』¥984,500・アントニオ・チッテリオのスモールテーブル『フランク』¥216,700(B&B Italia Tokyo)、プレート『POND』¥8,250(コッテ アンド ユー<オレフォス>)、その他/私物

洋服のように黒を基調にしたインテリアの差し色にすれば、取り入れやすく、赤がラグジュアリーさを増す。

【詳細記事はこちら】インテリアのプロが紐解く!ボディラインのようにシルエットが美しい「名品チェア」を飾る楽しみ

■5:ライト|大好きな場所を照らして優雅な時空間を演出!

間接照明の優しい光は、心地よい空間づくりに欠かせません。特に少し暗めの灯りは心を落ち着かせます。

ポータブルランプとグラスが乗った台
真鍮のランプ『TURN』¥46,200(アンビエンテック)、インゲヤード・ローマンのグラス類 左から/グラス各¥6,820・カラフ¥12,760・カラフに被せたグラス¥6,380(木村硝子店)、黒の乾漆食器¥33,000(サボア・ヴィーブル)

「1室多灯が理想ですが、ストイックに難しく考えないこと。家のいろんな場所に置いて、自由に照らせばいいのです。1室1灯なら、今回撮影したような立ち姿が美しいフロアライトがおすすめです」(chizuさん)

ポール・ヘニングセンのフロアランプ
ポール・ヘニングセンのフロアランプ『PH 80』[高さ131.5×外径55cm]¥161,700(ルイスポールセンジャパン)

【詳細記事はこちら】美しい空間づくりのプロに聞く!優雅な時空間を演出し、日常をより豊かに彩るツール「間接照明」

■6:コージー・コーナー|連載「IE Precious」より人気の部屋を抜粋!

ここからは、アートからグリーン、ライトにいたるまで、プレシャスキャリアのための美しい暮らしづくりのアイディアが詰まった理想的な実例を、『Precious』の連載「IE Precious」バックナンバーからお届けします。

『Precious』2020年3月号より、食空間プロデューサー内山ゆきさんの部屋
食空間プロデューサー 内山ゆきさん(2020年3月号より)、撮影/川上輝明(bean)

『アスティエ』の手のオブジェに、存在感のあるアーティスティックな指輪や時計をさりげなく飾ったコーナー。レンガ色のシェードで温もりのある一角に。

『Precious』2020年8月号より、中国料理研究家・「華都飯店」オーナー 馬 衣真さんの部屋
中国料理研究家・「華都飯店」オーナー 馬 衣真さん(2020年8月号より)、撮影/長谷川 潤

香港で見つけた古い窓枠を中心にアレンジした格調高いコーナー。無造作に投げ入れたグリーンと、ライトによるゆるいシンメトリーが心地よい。窓辺のコーナー。

『Precious』2021年9月号より、建築家 半谷仁子さんの部屋
建築家 半谷仁子さん(2021年9月号より)、撮影/川上輝明(bean)

サンルーム仕立てに造られたバルコニー。日当たりがよく、熱帯植物園のようにグリーンが生い茂る。ダイニングのそこかしこに飾られているのは、光を受けて煌めくガラス花器のハンギングツリー。

『Preciosu』2021年7月号より、「フィリップス・オークショニアズ」日本代表・ディレクター 服部今日子さんの部屋
「フィリップス・オークショニアズ」日本代表・ディレクター 服部今日子さん(2021年7月号より)、撮影/川上輝明(bean)

リビング&ダイニングの白い壁を生かしてアートを飾るコーナーに。あえて「白のコーナー」として、白だけでまとめると爽やかなインパクトが。

【詳細記事はこちら】連載『IE Precious』から人気の部屋を抜粋!アートからグリーンまで…美しい暮らしづくりの理想的な実例4つ

※掲載した商品は、すべて税込み価格です。

問い合わせ先

PHOTO :
川田有二
STYLIST :
chizu
EDIT&WRITING :
藤田由美、喜多容子(Precious)
TAGS: