「鬢親」ってなんと読む?「かみおや」ではありません!
明日2月25日は、『親に感謝の気持ちを伝える日』という記念日に制定されています。
メモリアルギフトを扱う民間業者が制定した記念日ですが、
「2人(親と子)が25(にこにこ)している」というイメージや、
「親への感謝の気持ちを」と呼びかける美しいコンセプトが反響を呼び、
全国的に名高い寺社のウェブサイト等、さまざまな場で取り上げられているようです。
近しい人への感謝は、きっかけがないと、なかなか伝えにくいものですよね?皆さまも明日はぜひ、親御さんへのお気持ちを改めて伝える日となさってはいかがでしょうか?
本日は、「親」という漢字を使った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「鬢親」ってなんと読む?
「鬢親」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:その昔、女の子の成人の儀式で、大人の女性の髪形に整えるため、髪の先を切る役割をつとめた人を指す言葉です。
<使用例>
「前髪の横に一段長い毛束が垂れた『お姫様カット』の部分を整える人物が『鬢親』ということね。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 鬢親(びんおや)です。
「鬢親(びんおや)」は、
その昔、女性が16歳になると、成人したしるしとして行う「鬢除ぎ(びんそぎ)」という儀式で、子ども用のヘアスタイルであった鬢(びん)の毛を切りそろえた役目の人を指します。
男性が成人になったことを示す儀式「元服(げんぷく)」の女性バージョンが「鬢除ぎ(びんそぎ)」で、
「鬢親(びんおや)」は、父兄や婚約者などの男性がつとめるのが一般的だったようです。
現代で言うと、結婚式の花束贈呈のような、感動的なセレモニーだったのでしょうね。
古来の日本の言葉には「親方」「親分」「仲人親」など、現実の親ではない人を「親」と呼び敬う例がたくさんございます。自身の成長に関わってくださった、こうした人々への感謝の気持ちも、忘れず伝えていきたいですね。
さて、2問目に参りましょう。
【問題2】「育親」ってなんと読む?
中部地方の言葉で「育親」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「育ての親」「里親」を意味します。
<使用例>
「私の進学したい学校が自宅から遠かったので、高校時代は学校のそばに住む伯母夫婦が、育親を買って出てくれたの。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 育親(しとねおや)です。
中部地方には「そだてる」を意味する方言「しとねる」があり、
「育親(しとねおや)」とは他人の子供を養育する「里親」の同義語として使われる言葉です。
「しとね」は「座ったり寝たりする際の敷物」を表す言葉でもあります。
「育親(しとねおや)」、ふんわりと温かく身を受け止めてくれる存在、というような、優しいイメージの言葉ですね。
***
本日は、2月25日『親に感謝の気持ちを伝える日』のトリビアと、「親」という字の入った日本語から、
・鬢親(びんおや)
・育親(しとねおや)
などの読み方、背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:成田山東京別院深川不動堂ウェブサイト/『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/株式会社ボンズコネクトウェブサイト
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱