Something Preciousを日々探している秋山都さん。今回は、北海道ニセコへ。前・後編に分けてご紹介します。「東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブ」でのラグジュアリーな宿泊を堪能した前編に引き続き、今回は30年ぶりに挑戦するスキーについて。

手ぶらでも楽しめる! ニセコのパウダースノーでひさびさのスキー

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30年ぶりのスキーにチャレンジ!

一昨年12月にオープンした「東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブ」に滞在した模様は前編をお読みいただくとして、後編はいよいよニセコのパウダースノーを満喫すべくスキーにチャレンジします。

といっても、私は名うての運動音痴。いままで人並みにデキたスポーツはイチに乗馬(私じゃなくて馬が頑張る競技だから)、ニにテニス(高校生からやっているのにまだ初中級のスクールに通っています)、サンにスキー、だったんです。

スキーも上手ではなかったけれど、なにしろ80年代に学生時代を過ごした身としてはスキーくらいできないと花の女子大生ライフが送れなかったくらい、スキーがメジャーなスポーツでした。毎シーズン、毎月、誰かのクルマで上越や苗場、志賀高原に出かけ、新宿からスキーバスに乗ったこともあったっけ。「フェニックス」の肩パッド入りワンピースや、「スキーショップジロー」で買ったゴールドのスキーJKがご自慢でした。

……と、人並みにたしなんでいたスキーですが、ここ30年ほどご無沙汰していました。というのも、ケガをしてしまったのです。それも、次回冬季オリンピックが行われるイタリアはコルティナ・ダンペッツォで。

当時つきあっていたイタリア人BFの冬の別荘に滞在していた私は、毎日ゆるゆるとスキーを楽しんでいたのですが、いよいよ明日はミラノ・マルペンサ空港から日本へ帰るという最終日、それも最後の1本を滑り降りる際にスノーボーダーと交錯してしまったのでした。

「ユアクニーイズブロークン」。

かつぎこまれた病院でイタリア人医師に言われ、クニーってなんだ?としばし頭をひねりましたが、見る見る腫れ上がる自分の脚を見ればクニー=kneeなのだとわかります。なにしろ翌日には東京までのフライトを控えた身ですので、とにかく処置は東京でやりたい(こんな山中の病院はイヤだ!)と主張したところ、付け根から足首まで極太のギプスで巻かれてしまいました。

そんな姿でミラノまで送ってもらい、ミラノからモスクワ経由で東京へ……(当時のBFは超リッチでしたが私はお金がなかったのでアエロフロートの格安航空券で旅していました)。

日本で受けた診断は膝じん帯の損傷ということで、普通に歩けるようになるまで数か月かかったでしょうか。その後、スノーボードが全盛の時代を迎え、私はスキーからすっかり遠ざかった……という、長い長い前置きでした。

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「ニセコビレッジ」はニセコアンヌプリのふもとに。「ヌプリ」はアイヌ語で山の意味。

というわけでほぼ30年ぶりのスキーにチャレンジ。もちろんフェニックスのワンピースも、ジローのJKもすでに手元にはありませんので、今回は手ぶらで、すべてをお借りすることにしました。

「ニセコビレッジ」でパウダースノーを楽しむ

ウェアや道具はすべて「東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブ」内のレンタルカウンターでお借りします。今のウェアって軽くて暖かいし、スキー板も短いことに驚きました。私のころは身長+10~20cmなんて言われていましたが、いまは私なら身長の160cm+5cmほど。これなら取り回しもラクそうです。

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「東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブ」内のレンタルカウンター。
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ウェアはサイズもデザインも豊富に揃っています。

私の滞在している「羊蹄スイート」は羊蹄山を向いているので気づかなかったのですが、この「東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブ」自体がアンヌプリのふもとに建っているため、ゲレンデもリフトの目の前。まさにスキーIN、スキーOUTが楽しめる絶好のロケーションなのでありました。

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アンヌプリが擁する4つのスキー場。「私たちはいまここです」

さて、このアンヌプリという山には、4つのスキー場があります。左から、ニセコアンヌプリ国際スキー場、ニセコビレッジスキーリゾート(いまここ)、ニセコマウントリゾート グラン・ヒラフ、ニセコHANAZONOリゾート。

ニセコビレッジとヒラフ、ヒラフとHANAZONOはリフトでつながっているので、中~上級者であれば尾根沿いに遠出して滑り、また滑りながら帰ってくるというハナレ技も可能。また、いまのリフト券って、磁気カードになっていて、自動改札のように入口を通るのですね。30年前はいちいち係員の人に見せていたんですよ。もう私、浦島花子状態です。

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「ニセコビレッジ」のゴンドラ。
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晴れた日は羊蹄山がきれいに望める「ニセコビレッジ」。

同じように、浦島花子は音楽が流れていないゲレンデにも驚きました。80~90年代は、広瀬香美やユーミンがかかっていて、リフトにのりながら口ずさんだものですが……静かなのもいいですね。

今回はなにしろ30年ぶりなのでプライベートレッスンをお願いしました。指導してくださったのは「ニセコビレッジ」でスノースクールディレクターを務める前田悟さん。天然の運動音痴かつスキーでのケガ経験者という厄介な案件にもかかわらず、丁寧にお教えくださいました。

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「ニセコビレッジ」スノースクールディレクターの前田悟さん。お話もお上手でホスピタリティ抜群。胸にある「Reservist」の称号はニセコを熟知しているエキスパートの証だそう。
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ニセコのパウダースノーは本当に滑りやすくて助かりました。現在誘致されている札幌オリンピック(2030)のアルペン競技では、この「ニセコビレッジ」内コースが使用される予定。

……というわけで多くの方のサポートにより実現した30年ぶりのスキーは、意外にもスムーズに終えることができました。「東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブ」フロントオフィスマネージャーの岩田康平さんも「スキーと自転車は一度覚えたら一生もの。きっと簡単に思い出しますよ」と励ましてくれましたが、本当にそうだった! これもすべて前田さんとニセコの素晴らしいパウダースノーのおかげです。

午前中ひとすべりしてホテルへ帰り、いただいたランチがこちら。やっぱりスキーの後はカレーかラーメンを食べたいなと思っていたら、「ゆきばな」のメニューにちゃんとありました! 北海道名物のスープカレー。

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「ゆきばな」ランチメニューでいちばん人気があるという「北海道スープカレー」。

「北海道スープカレー」は知床鳥の手羽元、真狩産豚肉、野菜は旬の根菜、しいたけ、エリンギ、なす、雪下人参など。多くは北海道産のものを使用し、ここでしか味わえない贅沢なスープカレーです。その食べ方が「具は皿に取り出して食べ、ライスはスープにひたして食べる」とちょっとややこしいのが難でしたが、スープカレーってそういうものらしいです。たしかに食べ始めてみると、それ以上にいい食べ方が思いつきませんでした。

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最後に、よろよろとスキーを楽しむ筆者(前田さん撮影)。

もし私と同じように「若いころはスキーをやっていたけれど、ずいぶんご無沙汰してしまった」という方がいらしたら、ぜひ「ニセコビレッジ」で再チャレンジしてみてください。ユーミンこそかかっていないけれど(笑)、パウダースノーとプロのサポートのおかげで安全に楽しくスキーを思い出し、気分はあの頃に飛んでいけるはずです。

【関連記事:「東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブ」での滞在の模様はこちら】

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この記事の執筆者
女性ファッション誌や富裕層向けライフスタイル誌、グルメマガジンの編集長を歴任後、アマゾンジャパンを経て独立。得意なジャンルに食、酒、旅、ファッション、犬と馬。
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WRITING :
秋山 都